Xml 表題

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1.はじめに・・・・・データ重視、再活用に力点のXML!

  インターネットがこのように普及した背景のひとつには、ホームページ編集用ツールとしての「HTML(HyperText Markup Language)」という、「極めて取り扱い易い!」スクリプト言語の存在があったと言えます。
  そして、今もなお「HTML」は他のツール(CGI,VBScript,JAWAScript_etc.)を伴いながら「ダイナミックHTML」とか呼ばれ愛用され、今後も活用されてゆくに違いありません。
  しかし、Webページでデータがどう表現されるかという面以上に、Webで扱われたデータがどう再利用されるかといったデータ活用の面がクローズアップしてくるにつけ、HTMLの限界を超えたXML(EXtensible_Markup_Language)が注目を集め始めてきたのです。
  異種DB間でのデータ交換や電子商取引(EDI)などの領域での活用が待たれるだけでなく、Webページのあり方そのものに、データ再利用的な、さらに言えばDB的性格を付与してゆくことになりそうです。
  HTMLもXMLも、かたちとしては、タグ("<>")を使用します。前者のタグが表示機能にウェイトがかかり、タグ数も制限されているのに対し、後者のタグは文書構造に根差して厳密な分、まるで検索キーのような機能を果たし、さらにユーザ独自のタグを設定することが可能なのです。ここからも、XMLのデータベース的性格が読み取れるのではないでしょうか。
  もともと、HTMLもXMLも、SGML(Standard_Generalized_Markup_Language)という複雑で膨大な「マーク付け言語」をベースにしていますが、前者は表示フォーマット向けに単純化され、その扱い易さが受けて普及したわけです。
そして、後者は構造化されたデータに関する観点を重視しながら、Web上での機能実現に向け簡易化され、今日、時代の要請に応えつつあるのです。なお、表示スタイルは、XSL(EXtensible_Style_Language)やCSS(Cascading_Style_Sheets)が担うかたちとなっていることもひとつの特徴でしょう。
  サンプル小品などを添えながら、XMLの実態に迫ってゆきたいと思います。

2.とりあえず簡単な活用例・・・・・ブラウザは、5.0 以降の"IE"が必要です!

  前述のとおり、XMLでは、ユーザ独自のタグを使った「データ指定部分」と、XSLによる「表示スタイル指定部分」とが分離し、これらが統合されながらWebページが表示されます。
  この点から、XSLによる「表示スタイル指定部分」のみを、ユーザの意図に沿って変更を加える、例えば任意のデータ要素に関して「昇順にソートする」などの変更を加えることで、同一のデータ群に基づきながらWebページの表示が変容するわけです。
また、データ群の追加/更新も比較的簡便に実現できるのもメリットでしょう。
  そこで、とりあえず「ソート」機能を果たす簡単なサンプルを示します。
  なお、今後様々な対応ブラウザの登場が予想されますが、現時点では「インターネット・エクスプローラ Ver5.0」以降でしか表示されません。


★XML活用サンプル_@データ入力順の標準リストへ

★XML活用サンプル_A「経験年数」の「降順」リストへ

★XML活用サンプル_B「年齢」の「昇順」リストへ




2.5.瞬間ソート機能付きの活用例 ・・・・・ ブラウザは、"IE"の Ver.5.5 と「MSXML3パーサ」が必要となります!

  ひとつの「図表」を、ユーザのニーズに応じた観点で、瞬時に「並べ替え、ソート」され、表示されれば、ユーザの好感度は増大するに違いありません。

  最新のW3C仕様に準拠したXSLT・xPath・DOMなどを活用すれば、こうしたソート機能などを実現できます。そして、2000年10月にリリースされた『MSXML3パーサ』を使用することで、こうしたXML文書を表示することができるのです。

  ただし、5.0 以降の"IE"に、下記のふたつのプラグインを必要とします。サンプルを試したい方は、無償ダウンロード・ソフトを入手、インストールしてからお試しください!



 (1) 「MSXML3パーサ」:Microsoft XML Parser Version 3.0 Service Pack 1 Release のダウンロード (August 20, Download)
 ※ 次の(2)のために、同サイトの「置換モードによる Msxml3.dll インストール (November 7, Web Workshop)」を参考にしておくとよいでしょう。

 (2) 「MSXML3パーサ」を"replace"モード設定を行う「Xmlinst.exe Replace Mode Tool」(これは、既にインストールされている旧来のパーサを置き換えるものです。)
 ※ ブラウザ Internet Explorer Ver.6.0 以降では、「MSXML3パーサ」が同梱されていますので、上記の追加作業なしで下記のスクリプトは動作します!!




3.いま、なぜ"XML"なのか?!《その1》

  革新的な技術要素は、当然重要な利点/メリットを携えて歴史に登場します。その重要性が見えにくくなっているのが現代なのかもしれません。

  それと言うのも、従来の新技術は、現状の問題=ニーズが熟し切ったところでその解決可能性として登場したといってよいでしょう。だから、その利点/メリットは誰の眼にも明らかだったわけです。

  しかし、現代は、既存ニーズに促されて技術が発展するというより、技術の内的論理の展開で新技術が生み出されるケースが増えています。また、ニーズ水準の異なる環境(IT先進国米国に対する日本!)に、新技術が紹介されると、新たな技術要素は、新たなニーズが自覚されるのを待つかたちとなり、ややもすれば、その新技術は何の役に立つのかという疑問さえ生み出したりします。

  "XML"の登場もこれに似た点があるかもしれません。

  米国などの現状の発展推移に注目したり、日本の現状のIT水準に潜伏する問題点を注意深く認識したりしながら、近い将来の望ましいIT環境をイマージンすることがなければ、「"HTML"のどこが悪いというの?」ということになりそうです。

  そこで、「いま、なぜ"XML"なのか?!」という原点を見定めておきたいと思います。


4.いま、なぜ"XML"なのか?!《その2》

  これを解説するためには、「XML を待望する機運」が環境の中にどのように熟し始めているかという点と、これらに呼応するかたちで「XML がどのような諸特性」を秘めているのかという点を説明する必要があると思います。

  「XML を待望する機運」としては、まず、HTML によるインターネットの普及自体が、HTML レベルを「脱皮」せざるを得ない次世代ニーズを生み出し続けた点が重要だと思われます。いまビジネスWeb サイトの最重要テーマは、画一、押付けからの脱皮と、パーミッション獲得に向けた緻密化にあり、ここにXML への大きな期待が見て取れます。

  また、現代の国内外の経済は、少なからずインターネット環境を抜きに考えられない相互関係に入り込んでいますが、ここでは、加速するビジネステンポへの対応策、コスト抑制の新しい仕掛け探求をベースとしながら、多品種少量の趨勢への対応策や、知的生産性向上策との関係でXML への待望が見て取れそうです。

  また、なんと言っても XML が、非 Web 世界で過去10年以上の実績を持つ SGML の「御曹子(?)」である点が、待望を増幅させているのかもしれません。

  これらに対し、XML は、1.データの構造性、2.データの互換性、3.データの拡張性、4.データ表現の多様性など、要は、「データの再利用、再活用の優れた可能性!」という看板で大きな待望に真っ向から応えようとしていると考えられます。

  さて、複合的な XML の正体を見定めるには、多元要素を図表化するのがよいと考え、以下のような整理を試みてみました。


【 図表 】いま、なぜ"XML"なのか?!
XML待望機運
★インターネットの
時代環境
★経 済 の 動 向
★現状のインターネット技術(HTML)の
限界浮上!
@インターネットによる影響 (1)
リアルタイム性の一般化⇒グローバリゼーションの促進!=ビジネスのスピード促進!
@マーケットの変化!時代は、生産/販売が「多品種少量生産」となった!
@HTMLレベルでは実現不可能な問題 (1)
二つ以上の異種DB間にまたがるWebアプリケーションの課題!
Aインターネットによる影響 (2)
リアルタイム性の一般化⇒製造・物流の加速化!⇒データ・情報の生産性向上要求!
A低コストで大量データを統一的に処理するニーズ!(ただし、単一の大量データではなく、マルチターゲットへの大量データ!)
AHTMLレベルでは実現不可能な問題 (2)
処理上の負荷の大部分を、WebサーバからWebクライアントに分散させたいアプリケーションの課題!=劣悪な対ユーザレスポンス!
Bインターネットによる影響 (3)
エンドユーザ、顧(個)客の参画(B to C)⇒多様な表現が必要!パーミッション対策要!大量生産/販売時の押付け方式崩壊!
B社会全体に低コストの要求!一商談にかけるコストの抑制、オフィス人口の激減!(一般的商談のダウンサイジング!日本の現状:大不況!)
BWebサイトの内容充実は、Webサーバの負荷を増大=ユーザレスポンスの劣化!=HTMLの限界を示し始める!
Cインターネットによる影響 (4)
マルチメディア情報の多用!(⇔上記B)⇒MMオブジェクトの管理が不可避!
C加速するビジネステンポ!製品ライフサイクルの短縮、ビジネススタイルの激変!「スピード優先!」定着!
CHTMLレベルでは実現不可能な問題 (3)
同一データを、ユーザごとに別のビューでWebクライアントに表示することが必要なアプリケーションの課題!多用な表現に向けた課題!
Dインターネットによる影響 (5)
プラットフォーム、ベンダーへの非依存性を飛躍的に促進!
D情報化投資が第三段階へ!
(@情報インフラ、機器⇒Aアプリケーション開発⇒Bデータ・情報の再活用システム!
DHTMLレベルでは実現不可能な問題 (4)
ユーザが情報を探すとき、インテリジェントなWebエージェントが、個々のユーザのニーズに合わせて処理してくれるアプリケーションの問題!
Eデータ・情報流通の共通インフラの急速な拡大(=インターネット)は、データの互換性、再利用可能性へのニーズを促進!
E情報生産のエコノミー化!=情報投資の効率化!
Fインターネットによる影響 (6)
スケールメリット志向の促進!(薄利「多売」方式促進!数の制覇が鉄則?!勝ち組、負け組、一人勝ち)⇒よりスピーディで効果的な情報戦へ突入!
Fホワイトカラーの生産性向上と知的プロダクツの再利用への要請の高まり!
GXMLは、SGMLをWeb上へ展開したものであり、SGML実装過去10年以上の経緯が有効性を実証!
G『リエンジニアリング』(ITによる経営構造の変革!)が本格的段階へ!
HXMLは、インターネット・Web用に開発された技術が使用可能!⇒システム構築/運用のコストが安い!
H"CALS"(Computer-Aided Logistics Support or Commerce At Light Speed )の本格的推進機運!CALSでは、データ互換性のため、文書標準はSGML(⇒XML)!
XMLの諸特性
Web上でのデータの再利用/再活用!
★データの構造性!
cf.時間的互換性!
★データの互換性!
cf.空間的互換性!
★データの拡張性!
cf.Extensible!
★データ表現の多様性!
cf.One-source,Multi-use!
@HTMLレベルでは実現不可能な問題 (4)に対応可能!
@HTMLレベルでは実現不可能な問題 (1)に対応可能!
@ユーザ独自の「タグ」設定が可能!HTMLよりもExtensible!
@HTMLレベルでは実現不可能な問題 (3)に対応可能!
Aシステムと独立してデータに意味を持たせることができるため、システムの変更や拡張に対する柔軟性が高い!
Aデータ形式が標準化されており、他のシステムとの接続性が高い!システム間データ交換形式の標準として認知されている。
A拡張性があり、文書以外のデータに応用可能(他のMMコンテンツの管理可!)cf.オブジェクトDB(ODB)!
Aユーザの好み、その他の特性(教育水準、興味、職業、年齢 etc.)にふさわしい情報・データをアレンジした表示が可能!
Bデータと表示部分(ビュー)を完全に分離可能!データとデータ構造との分離も可能!
Bベンダー、プラットフォーム非依存=データの独立性!
B非構造データ(マルチメディア・コンテンツ)も扱い可能!
B表現の形式に多様性が求められるものに適切!
C被検索機能を内在しているといえる、XMLデータ!
C電子商取引の共通言語として適切!
Cインターネットに繋がる多様な機器(PDA,携帯電話など)を対象としたシステムに最適!
Dデータの自立性、永続性!
D電子カルテの記録や流通に適する!
D統一データをもとにして、各デバイスごとに出力!
One-source,Multi-use!
Eデータ集積にブレーキがかかっていた従来の環境を打破!
(従来のシステム環境は、アプリのスクラップ&ビルドで、データとアプリが心中?)
F長期間保存しなければならないデータ(法令、ISOなどの規定文書 etc.)に最適!
XML (eXtensible Markup Language)は、Web 上で構造化文書をやりとりするためのデータフォーマットです。extensible というのは、HTML のような固定フォーマットではないということです。ただ、XML 自身は、マーク付け言語ではなく、マーク付け言語をデザインするためのメタ言語であり、さまざまな枠組みで情報を記述できるように、カスタマイズされたマーク付け言語を定義する方法を提供します。XML でこれが可能なのは、XML が SGML 、すなわち、マーク付け言語のための国際標準メタ言語の範囲で定義されているからなのです。
Gしかも、人間が読み取ることが可能な形式!
Human-readable!
要するに、Web上でのデータの再利用/再活用に優れている!と言えよう!



5.XMLの各種ユーティリティ、ソリューションシステム

  次回は、すでに国内外の種々のベンダーが提供している、XMLの各種ユーティリティ、XMLによるソリューションシステムについて鳥瞰する予定です。