一体、この風邪気味の感触はどうなっているのかと、不気味な感じさえしてきた。もう、そろそろ一ヶ月になろうとしているのだ。
ここ二、三日落ち着いてきたような雰囲気ではあるものの、時として突然、咳に見舞われるし、何よりも気分がシャキッとしなくていけない。もう、こうやって自覚症状を書くことさえ疎ましくなっている。まさに、この執拗さというのはこれまでに経験したことがないものである。せっかく長年気に掛けてきた "禁煙" に踏み切ったというのに、体調の崩れがこうでは、まるで "禁煙" が災いしているような錯覚にさえとらわれてしまう。情けないことである。
しかし、春に向かう天候とともに、少しづつ気力が立ち上がってきているという実感がないではない。尤も、そうでなくては困りものである。このご時世、どこをどう見ても、問題含みだらけであり、弱気な足取りでは簡単に足元を掬われてしまいかねない。気丈夫に構えてみて、ようやく、環境がはらむ諸々の攻撃性と対峙できるといった感がありそうだ。それほどに、マス・メディアが報じてくる環境自体の異様な立ち腐れ状況は尋常ではなさそうだ。
殺伐とした犯罪事件が多々ある中で、今日、ふと目についたのは、次のような、何と評していいのかわからなくなるような事件であった。
<小学6年「父ちゃんが好きだから、泥棒を手伝った」
小学6年生の長男にマンションの壁を伝わせて部屋に侵入させ、内側から鍵を開ける手口で空き巣を繰り返したとして窃盗と住居侵入の罪に問われた土木作業員の男(36)=北九州市小倉北区=に対する判決公判が25日、福岡地裁小倉支部であり、重富朗裁判官は懲役2年6カ月(求刑懲役3年)を言い渡した。
判決によると、男は昨年10月28日午後1時ごろ、同市小倉南区のマンション5階の部屋に侵入し、現金約4万円などを盗み出すなど計4件の空き巣を繰り返した。長男と2人で玄関先まで行き、長男に壁伝いに鍵のかかっていない出窓から中に入らせ、玄関の鍵を内側から開けさせていたという。
検察側が明らかにした供述調書などによると、男は「自分一人では恐ろしくてできず、長男を利用した」、長男は「お父さんが好きだから十何回か泥棒した」と話していたという......>( asahi.com 2008年03月25日 )
自分は一瞬、 "江戸時代" の "かわら版" を読むような心境に引き込まれてしまった。尤も、相変わらず昨今でも "鬼平犯科帳" のDVD鑑賞を、ビタミン剤を服用するごとく続けている自分だからなお更のことだと言うべきか。
とんでもない親だと罵ることや、そんな父を慕う子どもに憐憫を感じることは容易い。しかし、袋小路の奥の暗闇に追い詰められてしまったかのような親子の姿は、とても現代という "スマート" な時代に似つかわしくはない! そのことに意を払いたい。
やはり、あまりにも弱者にとっての生きる "すき間" というものが、根絶やしにされ尽くされてしまっているのだろうか。
と同時に、こうした "反社会的" な当事者たる親子の間に通う、 "眩しいほどの情感" とでもいうものに、人知れず嫉妬する者たちも少なくないのではなかろうか...... (2008.03.25)
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