<落ちるところまで落としてしまう> ......

| | コメント(0) | トラックバック(0)

  "底を打つ(Bottom out)" という株式用語がある。同様な用語に "底をつく"、"底入れ" という表現もあり、要するに "相場が下がるだけ下がり、大底が確認され、相場が下げ止まったことをさす" ということのようだ。
 今、経済に関心を持つ者であれば誰もが、米国経済の成り行きに関心を持ち、 "リセッション" に入ったのかどうかはともかくとしても、米国株価が、いつ "底を打つ" 状態になるのかが気になってしかたがないところであろう。
 それというのも、日本の株価にしても、現在、ほとんど "底値" に近い状態にありながらも、米国株価の有り様によっては、さらにまたいつ "底割れ" してしまい、 "二番底" へと転落するかわからない、そんな疑心暗鬼状態にあると思えるからである。

 ところで、 "底を打つ" 状態にことさら注意が払われるのは、株というものが、 "底値" であると確信されると今度は一気に "買い" に見舞われ、あっという間に "上昇" 気運を形成してしまうもののようだからなのである。
 まあ、多少の "利益確定売り" が現れたとしても、一度 "底を打つ" 状態が市場で共通認識されると、要するに "上昇トレンド" が力強く維持されて行くようである。
 そうしたことを考え合わせてみると、この二、三日の米国ダウの推移や、東京市場の推移は一体どうなのかということになる。まあ、素人が偉そうなことを言うべきではなかろうが、あくまでも素人の感想としてでしかないが、現状は決して、 "底を打つ" 状態になんぞなってはいないし、だからこそ、多少大きな上げ幅の "反発" が見受けられたとしても、それらはまったく "楽観的読み違い" の動きでしかないのではなかろうか。だから、おそらくは、来週週明けのダウや日経平均は再び下げに転じて行くと予想される。
 この先、何度かの大幅の "反落" に見舞われ、まさに惨憺たる "底値" となり、米国政府が、巨額の "公的資金" を事態収拾のために注入せざるを得ないと決断した時、その時こそが"底入れ" と ダイナミックな "リバウンド" へと転じる契機なのであろう。 "信頼筋" による読みは、どうもそのようである。

 今日、こんなことを書こうとしたのは、大前研一氏が<衰退する米国経済にマネーを呼び戻す方法>( nikkeibp.co.jp 産業突然死時代の人生論 第120回 )という表題で、面白いとともに、実にリアルな展望を語っているのを目にしたからなのである。
 同氏は、<ドルの衰退=ドル離れ=ドル安>はもはや避けられない事態となっていると見る。<サブプライム問題、およびその背景にあるウォール街のハイテク加工商品(デリバティブなど)に対する自信過剰>がその原因であったが、この事態は、決して楽観視を許さず<「今後行くところまで行く」「さらに悪化していく」>と推定する。
 そして、こんな状況にあっては、あえて早く "底を打つ" 状態に持ち込むことこそが必要ではないのかと、まるで "外科医" のような提言をしている。
 <落ちるところまで落ちれば米国経済の回復も早い>と、米国経済の底堅さを睨みつつ次のように述べている。

<だから、わたしがブッシュ大統領、あるいはバーナンキ議長であれば、米国経済をなるべく早く、落ちるところまで落としてしまう。そして回復できそうもないくらいの急激な下げ、いわゆる「ガラ(全面的かつ大幅な下げのこと)」を来させる。
 そうなればしめたものだ。今度は世界中の余ったお金が「落ちきったから、今度は上がる番だ」「今が買い時だ」と米国に集まってくるだろう。13年ぶりのドル安という現在でも、ドルを買い時だと見ている人はいるのだ。ガラを演出することができれば、相当なお金が集まってくる......>

 ただ、<レイムダック(影響力を失った政治家)になっているブッシュ大統領にそれができるのか。あるいはおどおどしているバーナンキ議長はどうか。わたしから見れば「二人とも力不足」と言うほかない>と嘆き、<米国政府の中でそれが実行できそうな人材として、わたしはポールソン財務長官を挙げたい>とも述べている。

 大前研一氏のこうしたダイナミックな立論に接する時、複雑で深刻な問題で込み入った現代社会にあっては、鋭利な論理的視点と、大胆な英断とで臨む、まさに "外科医" 的な判断こそが必須なのかと考えさせられたものである。この国、日本もまったく同様のはずであろう...... (2008.03.21)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: <落ちるところまで落としてしまう> ......

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://adhocrat.net/mt/mt-tb.cgi/55

コメントする

2020年11月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          














関連サイトへのリンク


  • 電子書籍(eBooks)制作にフォーカスしたサイト
  • 明けない夜はないことを確信するサイト
  • Green(地球環境改善)にフォーカスしたサイト
  • ソフトウェア技術者やSEのための評価と育成、人事考課制度を考えるサイト
  • さまざまな業種・業態でご利用可能なモバイル活用の予約システム!
  • 創作小説『海念と保兵衛』のサイト
  • 創作小説『かもめたちの行方』のサイト
  • 当ブログ推奨の商品を展示したAmazon ストアー!
  • 当AdhocBlogブログの過去のエントリー
  • 株式会社アドホクラット当時のサイト

★売れ筋! No.1!
家庭用"放射線測定器"

日本通信 bモバイルWiFi ルータ+1 ヶ月定額SIM BM-U300W-1M
価格:¥ 20,208
国内配送料無料 Amazon





このブログ記事について

このページは、yasuo hiroseが2008年3月21日 08:01に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は、
 「あえて、無為に過ごす一日......
です。

次のブログ記事は、
 「 "悪人" が増えたというよりも、まともな "役人" が減ったということ......
です。

最近のコンテンツは、
 インデックスページ
で見られます。

過去に書かれたものは、
 アーカイブのページ
で見られます。

年月別アーカイブ

最近のトラックバック