もうそろそろ "出口" に近づいたかと思いきや、昨夜は一晩中の咳込みで惨憺たる状態であった。
この咳の激しさでは、職場の者たちに風邪を広げるだけになりそうなので、やむなく自宅謹慎を選んだ。
それにしても今回の風邪は執拗かつしたたかである。ウイルス側は、予定して目論んだ "フル・コース" の攻撃を貫徹するまでは撤退すまい、と布陣しているかのようである。 攻撃のオープニングは、喉の奥、気管支であった。特に咳が出ることもなく、ただ、怪しい感触の痰がからみ、これは "只者" ではなさそうだ、という警戒心を呼び起こしたものだった。
喉が痛むとか、鼻水が出るとか、あるいは咳が出るとかといった、 "外堀" を巡るバトルではなく、 "本丸" とは言わないまでも、いきなり "内堀" 近辺に侵入されてしまった感があった。だから、こいつは "北風小僧" と五十歩百歩の "北風邪無宿" なんぞによる流しの犯行ではなく、それ相応に武力装備したウイルス性組織犯罪に違いないと睨んだのだった。
案の定、気管支上部には、そんな執拗な連中がどっかと居座っているごとくである。その様子は、不良債権物件のビルの一室にその種の命知らずの男たちが居座り続けている光景を想像させる。
命知らずの連中は百戦錬磨で鍛え上げているのであろうか、どんなネゴシエーターが訪れても簡単に立ち退こうとはしない。
この間医者が薦めた "抗生物質" の風邪薬がさほど効いていないような様子は、何だかそんな不良債権物件での居座り事件を連想させるのだ。
しかし、自身の不摂生が招いた結果だとは言え、まったく迷惑千万な出来事であることに違いはない。
そこで、転んでもただでは起きない自分は、この惨めったらしい数日を、輝かしい転機へと塗り替えてしまおうかと考えている。
つまり、しつこい風邪との闘病(?)を、そうは見なさずに、 "禁煙" 活動をしているのだと置き換えてしまうということである。
幸い、今日で丸二日の禁煙が成し遂げられている。身体が不調のためか、さほど喫煙欲が出てこないでいる。このドサクサに紛れて、いつの間にかタバコと縁を切っていたということに持ち込めたらと望んでいる...... (2008.03.05)
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