"「ケータイ予約万能」システム" なんぞという仰々しいキャッチフレーズのサイト広告を出したりしている。決して、 "ドーダ!" と威張るほどのものではないと十分に自覚している。
もう何年も前に企画した際には "新規性" もあったものだが、今現在では、あちこちのシステム屋が同種と思しきシステムを提供・販売している。やはり、新製品、新ビジネスを思い立ったなら一刻も早くリリースすべきなのだろうと痛感する。
ただ、この企画に対して "悠長に構えていた" のは相応の理由がなかったわけでもない。先ず、このシステムのコンセプトは、決して人目を惹くほどに斬新だとは思えなかった点がある。むしろ誰もが思いつくような極めて平凡なアイディアでしかない。言ってみれば、 "予約" というものに関する "多少の便利さ" をシステム化したにしか過ぎない。 "予約" 申し込み側のユーザが、使い慣れた便利さの象徴であるケータイを使って対処できる、という点と、 "予約" を受ける業者側が、ユーザの意向をPCで自動処理できるという点、そんな便利さが売りだと言えば売りなのである。
確かに、こうしたレベルの "便利システム" を重宝がる業者も十分にあり得るものとは思われる。だから商品化には値するであろう。
ただ、必須だとまでは言い切れない。自営業者の場合、その規模から言って、 "予約" 者数も高が知れており、一件ごとの電話対応や、メール対応でもそれほど大変という事情ではないのかもしれない。逆に、一件ごとのその都度の対応の方が、ヒューマンタッチで良い、という視点・評価さえあるかもしれない。
ただ、それでもあえてこの種のシステムを創り上げてみたのは、この種のシステム構成はいろいろとバリエーションを広げることができるし、むしろそのバリエーションの中にこれぞと言ったアイディアを生かせるケースがあり得るのではないかと思えたからであった。現に、自分の見聞する範囲でも、ホホーッと思えるものがある。
つまり、 "ネットモードのケータイ" というツールと、サーバ・サイドのシステム、そしてこれらを介したPC側システムといったような組み合わせ、この基本構成は、きっと、今後思いがけないアイディア・システムへと繋がってゆくに違いないと予感したからなのである。だから、こうした基本システム構成に慣れておくのも悪くはないと思えたのであった。
ところで、現在のIT環境の諸々は、やはり "体感" 的に認識しなければならないようだ。まあ、そもそもPCというものが理屈や理論だけではアプローチし切れない存在であったことの延長だと思えばいいのだろう。理論的認識が不必要となったと言っているのではない。理論的認識の水準だけではない、感覚的要素、行動的要素が、システム空間で重い比重を占めるようになったために、多様な能力を駆使して、まさに "体感" 的に認識してゆかなければ事実全体を了解し切れないのかもしれない。
そんなことから、以前から、新たなシステム環境については、能書きレベルから "体感" 的環境レベルへと踏み込んで行く必要がありそうだと感じてきたのである...... (2008.04.19)
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