政治もまた "効率性" のみの追求となってしまうと......

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  "禁煙" を始めて一ヶ月が経過している。イライラや、集中力欠如などの "禁断症状" もほぼなくなったようである。ただ、 "立腹" の衝動が頻繁に訪れる。きっと、これはもともとがそうだったからということかもしれないし、 "禁断症状" の名残と言えばそうなるのかもしれない。

 もっとも、まともに考えると考えるほどに "オカシイ" この時代環境がなせる業だとも言えなくはない。つい先日も、 "年金問題" や "高齢者向け健保" などに関するインタビューで、とある一人の高齢者が、「現在の政治は、まともに考えれば考えるほどハラが立つんで、無視するほかないかと感じています......」と語っていた。思わず、そうだよねぇ~、と深く共感してしまう自分であった。
 先ごろ、 "75歳以上の高齢者" に関しては、 "健康保険" 制度を別立てとして設定されたようで、しかも支給されている "年金" から自動的に "差っ引く" ということらしい。 "年金" 支給自体が、バカバカしい不手際で滞ったり、不安定な形となっているにもかかわらず、 "保険料" の増額分だけはヌケヌケと徴収するというやり口が、高齢者たちをとてつもなく心細くさせ、また腹立たしくもさせているようなのである。
  "財源不足" を補うためには、何でもする、まるでサラ金の取立てのようなやり口が、いかにも腹立たしく映るということなのだろう。

 高齢者たちは、 "分別" を備えた人たちであるに違いなかろう。 "お国" が本当に "財政難" であるならば、わが身を削ってでも協力することはやぶさかではないと考えておられると思われる。
 しかし、問題は、 "お国" の "財政難" の実態が、いかにも杜撰(ずさん)であり、財源そのものが様々な不正や、不手際で "浪費" されている側面が否定できないとなれば、行政側が "財政難" を叫べば叫ぶほどに国民側には腹立たしさや不信感ばかりが増幅するということになるのではなかろうか。
 どうも、政治の現状は、厳しい財政下で何をどうするという課題を解く以前に、財源浪費を含めた杜撰な行政に対する国民の不信感をどう払拭するのか、それが問われているように思われてならないのだ。
 元々、政治とは執行側に対する "国民の信頼感" こそがベースとなり柱となってこそ、円滑に行われるものであろう。歴史上の名だたる優れた政治家たちが、何はさておいても留意してきたのは、まさにこの点ではなかったのかと思う。

 ところが、いつの間にか、この "国民の信頼感" に対する政治家たちの "感度" は日増しに鈍感となり切ったかのようだ。 "国民の信頼感" に関して真摯に意を払うというよりも、それは "操作" し得るものと勘違いし始めているのではなかろうか。 "国民の信頼感" の有無が試されるはずの "選挙" でさえも、有権者に審判を仰ぐどころか、有権者の判断をいかに誘導したり、操作してしまうか、その点に力点が置かれているのが実情だと見える。
 また昨今は、政治理念、理論といった "評論" 的側面ばかりが強調される風潮が濃厚であるかのようだ。しかし、政治家たちは、評論家たちには無縁なのであろう "信念" を堅持することで、 "国民の信頼感" を真摯に引き受けてもらいたいものなのである。
 言うまでもなく、現代の政治・行政においては、巨大な "官僚機構" というものがあり、現実の動きに大きな影響力を発揮している。だが、政治家たちには、 "国民の信頼感" の有無に基づく審判があっても、 "官僚たち" に対しては何もなし、つまり "ノー・チェック" なのである。そうだからこそ、政治家たちが、 "官僚機構" を国民の視点でチェックしなければならないはずなのだと言えよう。
 ところが、今問題となっているさまざまな国民的課題の大半は、 "官僚機構" としての各省庁が、いわば "ノー・チェック" 状態で自在に振舞ってきたから、またそうしているからこそ発生しているのではなかろうか。
 そして、政治家たちは "国民の信頼感" に留意して、 "官僚機構" の動向を監視するどころか、 "官僚機構" との協調と一体化こそを目指しているかのようである。あるいは、 "言いなり" と言っても良かろう。それが、 "効率的な政治・行政" なのだとしたら、本末転倒でしかなくり、さらに非常に危険なことだと思われる。
 政治・行政が、何を基準として "効率性" を追求するかは知らない。だが、 "効率性" のみを強調し始めるならば、きっとその陰で "四捨五入" のごとき判断と処理がなされるのは目に見えており、 "切り捨て" とされるのは "五" に満たない "弱者" たちであることも目に見えて明らかであろう...... (2008.04.05)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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