"ミスリード ( mislead )" が跋扈(ばっこ)するご時世? ......

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  "ミスリード ( mislead )" という言葉が気になる。
 現在の時代状況の "えげつなさ" を言い当てているようだから気になるのである。ちなみに、『広辞苑』ではその意味を次のように説いている。
 < ① 誤った方向に導くこと。誤解させること。 ② 新聞・雑誌などで、見出しが記事内容と違うこと。>
 これら二つの意味は、もちろん区別されてよい。前者は "指導・先導" の "リード ( lead )" から来ており、後者は "新聞記事などの前文" という意味の "リード ( lead )" から来ているからだ。
 しかし、何かとストレスの多いこのご時世にあっては、両者が "両輪" となり、あるいは "一体" となって庶民を愚弄しているかのような感触を抱くのである。

 前者の意味での "ミスリード ( mislead )" に関して眼を向けざるを得ないのは、大前研一氏が先鞭をつけ指摘し続けているところの<「官製不況」>という言葉ではないかと思う。
 元来、市場原理主義、グローバリズムの経済ではあっても、いやそれだからこそと言うべきかもしれないが、 "官" (役所・官僚・政治家)の果たすべき役割は小さくはなかろう。市場における "民" の動向を、マクロなレベルで適切に "リード ( lead )" してこそ市場が持つ潜在的な健全さも発揮されるというものであろう。

 確かに、この間<ライブドアショックのような企業の不祥事、産地偽装、耐震耐火偽装、年金不祥事、二極化、格差、ワーキングプア‥‥。>(大前研一「産業突然死」の時代の人生論 第129回「日本を襲う官製不況(1)」nikkeibp.co.jp 以下引用箇所は同じ)など、看過できない社会問題が頻発した。
 その結果、世間にはこれらを是正してくれる "ホワイトナイト(白馬の騎士)" のような存在を期待する空気が醸成されたかもしれぬ。 "官" による対策についても何らかの期待が寄せられたかもしれない。ただ、そうだとしても "民" が望んだのは、 "副作用" ばかりが表面化するような取って付けたような "官" による "規制" ではなかったはずである。
 時があたかも危うい景気状況であるだけに、 "副作用" というよりも、 "産湯を捨てて赤子を流す" かのような愚に至りかねない、そんなリスクへの警戒心が当然あっただろう。ここでこそ、額面どおりの適切な "リード ( lead )" こそが、 "官" に望まれたわけである。

 ところが、大前研一氏が鋭く指摘するごとく、 "官" は、恙無く "ミスリード ( mislead )" へと驀進してしまった観が否めない。
 <不祥事を誘発する真の要因 ・官の肥大、怠慢 ・政官財の癒着、・官の肥大を許すマスコミ、国民>には眼をつぶり、<表向きの対策 ・消費者保護、・投資家保護、・労働者保護等 弱者保護を名目に規制強化へ>と "ミスリード ( mislead )" したのだと見えてならない。
 その結果、<経済的な視点から見れば、高コスト化、需要減退、認可遅れ(=機会の損失)、中小企業倒産――などにつながる>危うい経済情勢、つまり「官製不況」を着々と仕上げつつあるのではなかろうか。
 <消費者保護とコンプランアンス重視をを打ち出した一連の法改定は、業界不況をもたらし、特に貸金業法の改定は中小零細企業の資金繰りを悪化させ倒産を加速させる結果となった>との叙述とともに、近年ますます増大する倒産件数の棒グラフを目にするならば、やはり "官" による一連の規制強化策は "ミスリード ( mislead )" 以外ではななかったと思えてならない。

 しかし、何故こうした展開が安直に(?)進んだのであろうか?
 ここで、 "ミスリード ( mislead )" の後者②の意味を思い起こすのである。大前氏も、前述のとおり<・官の肥大を許すマスコミ、国民>と指摘しているが、マス・メディアによる社会問題に関する報道のあり方が、 "官" による政策選択に大きく影響を与える点を見過ごしてはならないだろう。
 <新聞・雑誌などで、見出しが記事内容と違うこと。>という露骨な "ミスリード ( mislead )" は稀だとはしても、トータルな社会的現実と、報道される記事の "リード" 文の内容やニュアンスが、微妙に "ミス" っていることは決して少なくないと思うのである...... (2008.05.22)













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