ある科学調査の報告によれば、この夏、北極の氷河が溶けてなくなるとのことであるが、直接関係しているかどうかは別として、実感的にも頷けそうな気がする。
実感的と言えば、地球温暖化現象が物語っているのは、人類の "暑苦しい" ほどの "欲ボケ" 度合いであり、 "クール" で涼しげな聡明さではないということのようだ。
われわれは、まだどこかで、急遽、事態を急変させるような朗報が飛び込むのではないかと根拠のない期待をしてはいる。しかし、現状の危機的状況は十分に "末期的" 水準なのであって、 "V字型回復" というようなことを想定できないのではなかろうか。
デジタル世界、人的世界ではそうした回復も無くはないようだが、事、地球規模の自然のアナログ状況では、そうした急変を期待すべくもないと思われる。しばしば "雪崩現象" という言葉が使われるが、この言葉が秘めている "連鎖的" エネルギーの怖さというものがもっと冷静に認識されるべきなのではないか。
それにしても、端から期待されるはずもなかったが、今回の "サミット" における先進諸国の "危機意識" 欠落、 "責任感" の放棄というありさまほど、人類の "末期的" 状況を表現したものはなかったのではなかろうか。とりわけ米国のブッシュ政権の対応は噴飯もの以外ではなかった。福田政権にしたところが、内政でボロボロになっている折りなのだから、もう少し "外交スタンドプレー" で点数稼ぎでもするかと思いきや、湖畔の "霧" に紛れてしまったという印象でしかない。
ただ、安全対策だけは恙無く済ませたようであるが、 "守るべき対象" は国際的要人たちであったとともに、地球の今後の健やかな自然環境ではなかったのか。残念ながら、後者に関しては恙無く "先送り" されたという観が否めないようだ。
今回、いまひとつ奇異に感じたことは、こうした "緊急課題" を背負ったサミットの、その結果に対する "マス・メディアの反応" であった。課題の緊急さからするならば、サミットの結果がいかに場違いな体たらくであったかを、もっと率直に報道すべきではなかったのかと思うのである。
これもまた、元来が期待できるものではないと見ていたが、案の定、 "バカ息子" をかばう "親バカ" のように "思考停止" に堕ちた対応でしかなかったのではないか。北朝鮮の "拉致問題" とまったく同様に、事態の "成り行き" をただただ従順に推認する以外に何も考えを持たない腑抜けぶりでしかなかったと言うほかない。
現在、省エネとCO2 削減の観点からコンビニの深夜営業が自粛されており、放送に関しても、NHKは一部教育番組の早期切り上げを実施し始めている。思うに、マス・メディアは、ほかにロクなことができないのは目に見えているのだから、TV番組でのこうした深夜放送自粛くらいはやってみてはどうなのだろうか。困るのは、CM費での収入が減る局側くらいであって、案外切実に困る視聴者なんぞは少ないのではなかろうか...... (2008.07.13)
コメントする