ここ最近、夜8時、9時頃であろうか、町内の "防犯パトロール" を行っている。というほどの仰々しいものではない。単に、町内の自治会からお預かりしている "それ向けのベスト" を着用して夜のウォーキングをしているに過ぎない。
このところ、禁煙してからであろうか、やはり体重がジリ貧ならずジリ高になってやや気にしており、毎食後には30分程度のウォーキングをしている。
先日、さて出かけようかとしたところ、家内が言ったのだった。
「ついでにそのベストを引っ掛けていったらどう?」
それは、町内の自治会が年次の当番である班長に貸し出し、その気があれば "防犯パトロール" をしてください、という代物らしい。
自分は、仕事にかまけて町内会については消極的な関与しかしておらず、寄り合いには家内が出席してくれている。ということもあり、男手の役割に違いない "防犯パトロール" くらいはするべし、という気になったのである。
ライトグリーン色の網の生地で作られているベストには、蛍光色の部分が貼り付けてあり、そこには町内会の名称や "防犯パトロール" という文字が浮き上がっている。徒党を組んで歩く分にはどうということもないのだろうが、たった一人でそんなものをまとって歩くのは、やはり何となく気恥ずかしい気がしないでもなかった。
しかし、まあいいか、というノリの気分で身につけたのだった。
「こんなもの付けてると、今どき『誰でもよかった......』という輩がウロウロしているご時世だから、 "標的" になったりするかもな......」
と、まんざら冗談だけでもない捨て台詞を残して自分は夜の戸外へと出た。
まあどうということもないわけだが、いざ、暗い夜道を歩き始めると、多少の緊張感がみなぎってきたのが不思議であった。行過ぎる人の多くはほとんど気にしないでいる。が、中にはベストの方をしげしげと見つめて通り過ぎる者もいたりする。
そんなことから、多少は "パトロール" 中なんだかんね、という素振りも必要かと思われ、所々の暗がりに機械的に顔を向けたりすることになったりするわけなのである。
可笑しかったのは、自転車に荷物を積んで何かの商売をしているらしい年配者が、こちらを見て "ごくろうさまです" というような会釈をしたことであった。地元の商売人が有難がってのことだろうと解釈し、こちらも咄嗟に会釈を返したものだった。
多分そのとおりなのだろうとは思ったが、つまらないことを想像した。そいつが泥棒であって、ちょうど "お勤め" 帰りだったりしたのならばとんだお笑い種だなぁ、なんぞと思い、歩きながら独り笑ってしまったのだ。
途中、 "KOBAN" の前を通ることになり、そこにはいつもどおり警官が立っていた。それこそ、先ほどの年配の商売人のように何らかのレスポンスがあっても良かろうと思っていたのだが、一瞥するだけのノーレスポンスであり、多少がっかりさせた。市民と睦まじく連携できないようじゃぁ、悪党の撲滅はできませんぜ、旦那! と自分は腹の中でこっそり呟いたものだった。
おそらく、この夏場は "自己都合" でせっせと歩くつもりでいるため、ついでにベスト着用の "防犯パトロール" も続けることになりそうである...... (2008.07.23)
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