"ブレのない勝利" という印象を受けた。オリンピックは競泳男子100メートル平泳ぎ、北島康介58秒91世界新での2連覇達成のことだ。
前日の予選終了時にも、決勝は「世界新のラインですね......」と淡々と述べていて、いかにも積み上げてきた練習の質と量に自信ありという雰囲気であったか。
オリンピック開会式にもそんなことを感じさせる向きがなくもなかったが、このところ、何かにつけて "オーバー・パフォーマンス" の風潮に辟易とさせられてきた感があった。デコレーション・パッケージばかりがうるさく思えてならないということだ。
あの "ママでも金" というフレーズにしても、どこか違和感が禁じえなかった。
これは、スポーツ界の出来事に限らず、現時点でのあらゆる事柄にそんな空気が漂っているかに感じ続けてきた。激化する過剰競争環境と、それに向けて登りつめる "プレゼンテーション" 攻撃という成り行きのなせる業なのかもしれない。有体に言えば、 "ハッタリ" が当たり前となったかのような世の風潮が疎ましく思えてならないわけだ。こうした風潮が、 "偽装~" と踵(きびす)を接していると感じられるのは自分だけであろうか。
"抑制された表現" と、 "ブレのない実質" が、この暑苦しい環境での清涼剤であるに違いない...... (2008.08.11)
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