このところあちこちで "豪雨" について懸念されている。
しかし、きっと "豪雨" が恐れられるのは低地であるとかの地形的な問題を抱えている特殊な地域のことに違いない、とそう高を括っていた。
ところが、昨日、クルマでの帰宅時にやや驚かされた。いつもの道路を走っていたのだが、とある交差点に差し掛かると唐突に冠水していたのである。十数センチ程度の深さであろうか、その交差点付近のみが降雨で覆われていたのだ。
前のクルマが停車したりノロノロと走るので気づかされたのだった。それらのクルマは、タイヤを幾分水没させ、大きな波を立てながら静々と走っていた。
今までならば、なあーに、どうってことはなかろう、と気にもしないところであっただろうが、このところの "豪雨" による予想外の被害を知らされていただけに、若干、不安な気分とさせられたりした。
何よりも、あのガード下の低地の道路上でクルマが立ち往生した上にあっと言う間にクルマ全体が水没してしまった、という事故が強烈な印象をもたらしていた。また、冠水した道路でエンストさせられてしまう事例が少なくなかったのも不安材料となった。
その種の情報によれば、クルマの排気マフラーが水没すると、水がエンジンの方に逆流することになりエンストを招くらしい。地表からマフラーまでの高さは、そんなにあるものでもなく、もし冠水が30センチの高さになるとそうした危険率が一挙に高まりそうな気配である。
そうこうしているうちに、やっと前のクルマが前進を速めたので、自分のクルマも冠水地域を抜け出すことができた。
日頃、そんなことが起こる場所だとは想像だにしなかったので、どうしてあんな場所であんなことが起こったのかと解せない気分であった。ルームミラーでその場所を振り返ったりしてみたが、やはりどうも納得がゆかなかった。
"決してそんなことする子じゃないですよ。いつも穏やかな表情の子でしたから......" とは、何か事件があった後でよく聞くセリフであるが、その交差点もまったく同様なのであり、特に低地や窪地となっているわけでもないのだ。穏やかで何の変哲もない交差点だったのである。強いて言えば、そこにあったと思われるマンホールがくせものだったのかもしれない。そのマンホールに通じる下水路が、瞬間的な "豪雨" を、 "五月雨を集めて速し最上川" のごとく周囲の降雨を集めてしまったのかもしれない。
いやはや、あんまり年寄りを驚かさないでくれよ、ただでさえ不穏なことばかりでびくついているんだから......、と思ったものであった...... (2008.09.05)
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