現行経済路線が内に秘めている "野獣的" な要素と傾向 ......

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 昨日であったか、現政府の閣僚の発言で気になったものがあった。もっとも、昨今では気にならないものなんぞはないというのが正直なところではある。
 米国での金融経済破綻とその国際的影響に対して、<日本政府が何ができるといって、それは極めて限られている。注意深く見守ることだ......>という意味のことを言っていたかに思う。
 確かに、事態がここまで拡大、炎上して、当事国のブッシュでさえ手に負えないようになると、 "できることが限られる" のは当然なことかもしれない。
 状況安定化に向けた国際協調の意味で、大規模な金融破綻に伴う信用収縮現象に対抗する市場への資金投入といっても、まさに "限られる" はずであろう。
 確かに、ここは、世界経済の "クラッシュ" を回避すべく国際協調的に可能な限りのことをやらなければならないことは重々わかる。

 しかし、この "できることが限られる" という点が引っ掛かってしまうのだ。一国の政府の要人たる者が、 "できることが限られる" と口にするのは実に情けない、と思うのである。いやそう言っても、出し惜しみをせずにもっと尽力すべし、と言おうとしているのではない。
 ここに来て、 "できることが限られる" と言わざるを得ないようなこれまでをどうして踏み越えて来たのか、と言いたいのである。
 つまり、一国の政府の力量ではコントロール不可能な社会現象の推移に対して、あまりにも高を括って来たのではないか、と思う。米国に対する "おんぶにだっこ" という依存ぶりといい、諸手を上げての経済のグローバライゼーション(米国主導)路線といい、実に警戒心が無さ過ぎたのではなかったか。
 こんなことを言うのは、今となってはもはや愚痴以外の何ものでもないようにも感じるが、問題の根源がそこにあることは否定できないのではなかろうか。
 遡った議論をくどくどとするつもりはない。一点だけ書くならば、正常な "リスク・テイキング" というものは、賭博とは異なるはずであろうから、最悪の場合に至っても修復への可能性を十分に残したものを指すはずに違いないという点である。
 それはおくとして、ここではただ、 "できることが限られる" という結果に帰着する可能性の高い一連の政策、そうしたものに目を向けたいだけなのである。

 ところで、 "できることが限られる" という点にこだわるなら、一国の政府でさえそう口走るのだから、庶民に至っては "限られる" どころか、 "何もできない" わけである。いや、この破局的状況に対してどうかというよりも、経済のグローバライゼーションと、過激な "金融資本主義" 路線の進展にあっては、一般国民や庶民は "何もできない" 位置、 "蚊帳の外" へと追いやられ続けて来たはずだと言うべきであろう。
  "金融資本主義" と呼ばれる現状以前の、いわゆる "産業資本主義" の時代には、一概に言えないかもしれないが、それでも "ものづくり" にせよ何にせよ "産業" 一般が、大多数の国民、庶民のエネルギーを包み込んでいたかに思える。国民、庶民側からすれば、自分たちも経済社会の一員であるというような参画感もあったのではなかろうか。
 しかし、現行のグローバル経済と "金融資本主義" 路線の合体した経済社会(国内、国際を問わず)では、 "巨大金融資本" のみが経済社会を闊歩する構造に激変してしまったと言えそうな気がする。
 まあ、それでもそんな経済社会が、国民、庶民にも "お裾分け" を提供できていた限りにおいては、国民、庶民の側も不承不承黙認し続けていたのかもしれない。

 ところが、現行経済路線は、一方で異常なほどの "格差" を持ち込み、国民、庶民の大半を底辺へと追い込み、そして、今回のような一国のみならず、世界中を巻き込むような経済危機を用意してしまった。
 未曾有の苦境に陥れられた米国国民が最終的にはどう判断するのかはわからないが、恐らくは、あの "金融安定化法案" という暫定策は議会を通過するのではなかろうか。最悪の可能性が退けられ、 "よりましな選択肢" として選ばれそうな気がする。
 しかし、この辺で、現行経済路線が内に秘めている "野獣的" な要素と傾向とをやはりしっかりとマークすることが必須であるように見える...... (2008.10.01)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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