せっかくの "邦人トリプル・ノーベル賞" の目出度いニュースも、その影が薄くなってしまうほどに今日の株式状況はパニック状態となった。日本沈没どころか、世界沈没を思わせるような惨憺たるありさまである。
日経平均は、一時、その下げ幅が千円にも迫るほどであり、終値では前日に比べて952円安の9203円と、優に一万円を割り込んだ。おまけに、円相場(ドル)も急騰し、とうとう100円を崩すドル安/円高となってしまった。
目についた状況へのコメントは以下のとおりだ。
<国内株式市場は世界的な換金売りの津波にのまれて、なすすべがないのが現状ではないか。日経平均は今年に入って1月22日以来の大きな下げ幅となっており、市場不安が金融問題の現状を追い越してパニック状態だ。>(東京 8日 ロイター カブドットコム証券投資情報局 マーケットアナリスト 山田勉氏)
<複数の市場筋によると、米国発の金融危機が欧州に波及し、世界的な金融不安になりつつある中、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)各国からは、具体的な政策が打ち出されず、当局の無策を見透かすように株が世界の市場で売られているという。
8日の東京市場では、午前の取引に続き、午後に入っても海外のヘッジファンド勢などから輸出筋などの主力株をまとまった規模での売り注文が相次ぎ、いったん2003年8月以来となる9300円割れの水準まで売り込まれた。
ある外資系証券の関係者は「世界中の参加者が、リスクを回避する行動に出ており、リスク資産をいったんキャッシュ(現金)化する方向にいっせいに走り出している。業績の悪い順番ではなく、業績のよい企業から売るような局面になっている」と話す。>(東京 8日 ロイター 日本語ニュース 田巻 一彦)
ほかに、次のような報道もあった。
<米国は大恐慌以来最悪の金融危機にある=オバマ上院議員>(同ロイター)
<株式こうみる:米株底入れは2020年の可能性も=三井住友銀 宇野氏>(同ロイター)
また、この間ささやかれていた "日本はまだまし" とする楽観論にも水が差されているようである。
<日本の景気後退、当初予想より深刻化の可能性
世界的に金融市場の波乱が続く中、エコノミストの中に日本経済の見通しをより慎重に修正する動きが相次いでいる。雇用・設備・負債の過剰が生じていないため、これまでは景気後退期は短期で終了するとの楽観論が根強かった。
しかし、世界的に金融危機が一段と深刻になり、外需依存度の高い日本経済にとって景気後退が長期化・深刻化する可能性も排除できなくなってきた。政府・日銀が景気対策に本腰を入れ始めても、効果のある対応策は限られ、景気後退の長期化に歯止めをかける手段が少ないのではないかとの懸念も出てきている。>(東京 6日 ロイター)
こうした不安材料ばかりを並べ立ててもしょうがないのはわかっているが、深刻な事態の、その水準や規模にだけは注意を向けておこうとしたわけだ。
それにしても、現国会で、 "2008年度補正予算案" あたりで手をこまねいている状況というのは、どこか異次元の出来事のように感じられてしまうのだが...... (2008.10.08)
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