先日、胆石に関する定期検査で超音波検査を行ったところ、心臓にも心肥大などの異常のあることが発見され、その精密検査の必要性が指摘されたのだった。すでに、その関係の治療も近くの別の専門病院で続けてきたのであるが、そこではその症状は見過ごされていたようであった。そこで今回、当方側から催促するかたちで検査をすることになったのであった。
しかし、余談であるが、病状の発見というのはかなり "ばらつく" ものだと思った。と言うのも、かつて、胆石の異常が発見されたのが、当該のこの心臓専門病院であり、逆に今回、心臓の異常が発見されたのが、胆石で入院してその後定期検査を受けている病院だったのである。つまり、当該症状について掛かりつけで治療をしていると、その当該症状についてだけの "ピンポイント" で対応がなされてしまい、周辺の他の箇所の異常さえ見過ごされてしまいがちだということもありそうだからだ。
もっとも、医者も、よほどポリシーと余裕のある者でないと、周辺に目配りしたり、ちなみに他の部分を観察したりはしないもののようである。まして、現時点のように "医者不足" で患者が混み合うとなおのことそうなってしまうのであろうか。
また、患者とて余程の自覚症状がない限り、もらい続けている薬さえもらえばいいものと思い込み、 "事務的に" 簡単に済ませて早く帰りたいと思うのかもしれない。
この辺の事情から、異常な箇所が見過ごされがちとなったり、逆に、思わぬかたちで発見されたりするのかもしれない。
検査結果は、詳細は措くとして、心臓関連に加齢特有の複合的な不具合の症候群が現れているとのことであり、ここしばらくは薬の服用であるとか、様子を見ながらのさらなる精密検査などが必要だということであった。まあ、この心臓専門病院は住居から5分ほどの近くにあるため、当人もその分気が楽であるようだ。
ところで、診断に付き添ってみると毎度思うことであるが、昨今の医者にとってPCというものはまさに不可欠となっているようだ。患者ごとの電子カルテが、院内のLANで結ばれたPCに、実にスピィーディかつ扱いやすく表示される。また、診断結果の入力もその場でキーボードから入力されるし、薬の処方データも同様である。
今回、さらに興味を持ったのは、X線写真もディスプレー上に取り込み、しかもその画像データをウインドウ操作でサイズを拡大縮小したり、時系列別に比較したりして患者に説明していたことだ。ほかにも、検査数値の図表化も行われていた。
特に、技術的な難しさが見受けられたわけではなかったが、なるほど、診療現場でも "マルチメディア" というかそれに近づくインターフェイスが活用されるようになっているのかと知らされた。
ついでに、医者が見過ごしがちとなるチェック・ポイントなどを "点滅" 表示などで注意喚起するような仕掛けもあっていいのではなかろうかと、老婆心ながら思った。
と同時に、もうひとつ考えたことは、こうしたシステムが凌駕していくと、医者たちは、目の前に座っている "生身の患者" をさておいて、PCの中の "データとしての患者" にばかり意を向けることとなり、そこには多少の問題もありそうだ......、と感じたものであった...... (2008.10.17)
コメントする