まだまだ "底" が見えてこない、まさに不気味な泥沼状態の経済危機となっている。
< 世界的な株安の連鎖が再び東京市場を襲った。米株大幅安を受けた16日の東京株式市場は日経平均が1000円以上急落する大荒れの展開となった。
市場が望んでいた米政府による金融機関への資本注入が発表され、世界の株式市場はいったん持ち直すかにみえた。しかし、相次ぐ経済指標の悪化などで実体経済の落ち込みが鮮明になり、不安心理が再燃している。
市場関係者の多くは、焦点が金融問題から景気後退に移ったと指摘。......>( ロイター 2008.10.16 )
こうした状況下で、株式動向に関するネット情報にはいろいろなコメントが飛び交っている。まるで競馬・競輪での "予想屋" ふうの記事である。大半が証券会社関係者や経済・株式アナリストたちによるものだ。
だから、基本的には "聞き流し、読み流す" ことが正解なのだろうと見ている。今、一番、パニックとなっているのが彼らであり、他人さまに説を講じる余裕なぞありはしないはずだからである。
そんな彼らのコメントの基調は、もうすぐ "底" が見えて来る、いや、そろそろ "底入れ" の兆しのようだ、というものであり、何とかしてその時期を早めたいとの思いから、一般投資家たちの "買い" を煽ろうとするものではなかろうか。
今日も、 "底値" をねらった "個人投資家たちの買い" が目だっている、と強調する記事を目にした。仮にそうであったとしても、現在の日本株の動向はそんなことでどうにかなるものではなさそうである。日本株の動向は、その比率が3~4割を占めると言われてきた海外勢やファンド関連の"買い" によって左右されて来た。そして、今、それらの主力が一斉に換金売りで逃れている状況である。
そして、彼らは現在身動きが取れないダメージを受けているため、仮に、株価水準に "値打ち" があったとしても小回りをきかせて対応できる状況ではないとも言われている。だからこそ "個人投資家たちの買い" の小規模な動きが透けて見えるのかもしれないが、そこに膨らみを期待したところで大したことにはならないのではなかろうか。むしろ、まだまだ海外勢やファンド関連による残された清算売りが、株価の足を引くような気がする。
しかし、現実の推移はどうもそれほどイージーなものでもなさそうだ。
先ず、今回の "金融・経済危機" は、一筋縄で片付けられるほどに御しやすい代物ではなく、言ってみれば、専門家とて誰も自信をもって語れないほどに複雑でかつ不透明だ。 "金融危機" の面でも "CDS" というような不気味な金融商品である "地雷" が取り除かれてもいない。そして、騒がれはじめた "実体経済" の問題にしても、 "ローン" というカンフル剤で活性化されていた米国消費経済が、カンフル剤抜きの状態となるわけだから想像を絶する低迷に突入するに違いなかろう。
そんなことを視野に入れるならば、日本株の "底" なぞは、そう簡単には見えてこず、 "底" が抜けて新たな "底" が現れるという事態を何度も繰り返すような気がする...... (2008.10.16)
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