最近、このシステムに自身の姿が写っていてプライバシーや肖像権の侵害ではないかという話も聞いていたので、一体どれほどのものかと興味があった。
<Google マップ>の<航空写真>の方は、これも興味本位で何度か試してみたりはしていた。確かに、このような詳細なものであれば、例えば物騒な話である "北朝鮮" の核施設の有様も手に取るようにわかるはずだと思ったものだ。いや、実際その現場を鳥瞰したのではないが......。こちらはもっぱらちまちまとした試用なのであり、かつて自分が居住した名古屋市内のとある町内の様子を、ほぉ~、あまり変わってないもんだな、なんぞと渡り鳥さながら "見下ろす" 暢気さだったのだ。
そして、今日、噂の<ストリートビュー>なるものを試してみたのだが、第一印象としてはやはり驚きであった。ここまでやるかぁ?! といった感触であった。
先ずは、誰もが試すのであろう自宅近辺をまさぐってみる。なるほどなるほど、自宅近辺の<ストリート>の概観写真がまるでクルマの窓から眺めるように流れる映像で表示される。どうやってこんな技術処理をしているのだろうかと、とりあえず疑問を持ったが、それよりもいつこんな "隠し撮り" をしたんだぁ? さぞかし手間ひまが掛かったのだろうなぁ......という感想の方が上回ったものだ。
あいにく、自宅の建物は<ストリート>から外れた奥の方にあるため、その姿は "隠し撮り" されていることはなかった。しかし、 "ウォーキング" の途中の野暮ったい自身の姿なんぞが写されていたらただでは済まさないところであったかもしれない。
が、今度は、事務所の方が気になり、早速点検してみると、何とこちらの方は<ストリート>に面しているため "もろ" にその全貌(それほどのものではないが......)が写し出されていた。屋内に蛍光灯の明かりが写っているところをみると、どうも撮影は夕刻のようである。自分は、しばしば窓の外を覗くため、偶然に顔でも写されていないかと目を凝らしたがそれはなかった。ただ、日頃、洗車なんぞしないでほったらかしにしている愛車が恥ずかし気もなくその姿をさらしているのが哀れに見えた。
それにしても、建物全体は実に明瞭に写されており、これでは、弊社ビルは斬新な概観で......などと今流行りの "偽装" をしても、バレバレだな......、と嘆かわしく思えた。
もう十年も前のことになるが、このHPの一部のコーナーに、 "VirtualSpace" と称する "3D" のPCショップのページを作ったことがあった。これは、"VRML"という動く "3D" 画像を見せることができるソフトで作ったものであり、ねらいは、閲覧者がマウスを操作しながらPCショップのある交差点周辺の町並みを歩くことができ、そして、PCやらパーツ類やらを展示しているショップ内をも歩きながら移動することができる点であった。
かなりの労力を割いて作ったものでそこそこの評判をとったが、なんせ当時はPCの性能とネット環境が現状と比べるとはるかに劣っていたため、その動きがギクシャクとしていて今ひとつ快適さを欠く結果でしかなかった。
そんな苦労をしたことがあっただけに、 "VirtualSpace" ではなく "RealSpace" を、しかも広大な地域をまるでクルマで移動しながら光景を眺めるかのようなこんな実用的なシステムが稼動していることは隔世の感を伴う驚きだったのかもしれない。
しかし、こうしたシステムを見せつけられると、技術の進展の凄まじさを痛感するとともに、ますます、この現実世界は "閉じた" 世界へと完結しつつあるのかな......と思わざるを得なかった...... (2008.11.11)
コメントする