思考の "フリーズ状態" が蔓延する時代なのか? ......

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 この日誌を書こうとしてしばしば陥る罠がある。書きたいテーマが一目瞭然の場合はそんなことはない。しかし、そんな場合は実に少ない。
 大抵は、さぁーて何を書こうかとしばし足踏み状態となる。やがて、思考が固まってしまい、 "フリーズ状態" とも言えそうな雰囲気に舞い込む。
 そうした推移を自覚的に振り返ると、多くの場合、手に負えないような重くて、大きなテーマを掲げようとしているかのようである。それで、どこから手をつけていいのやら困惑したり、そのテーマに迫るだけのエネルギーが今現在あるだろうか......といった懸念も生じ、うろたえて、そうこうしているうちに思考が "フリーズ状態" に近くなってしまうようだ。
 理想を言えば、日誌なのであるから、まさに日常的なこじんまりした材料を見つめ、それを叙述しながら自身に潜伏する感想や問題意識の一端を添える、というスタイルでありたいと思っている。
 が、しかし、これだけ問題が山積し、かつまた "複雑骨折" を何十回と繰り返したと思しき時代環境を目の当たりにしていると、その状況に見合った自分なりの何らかの視点を形成したいと欲張ってしまう。そして、どこから手をつけるかという無謀なことを仕出かそうとするもので、荷が重くなりその挙句思考の "フリーズ状態" に接近してしまうのかもしれない。

  "生産的な思考" というものは、 "解のあり得る問い" に対して挑むというのが前提なのかもしれない。 "解不能" もしくは、自身の能力とのバランスからいってそう判断せざるを得ない、そんな "問い" を立ててみたところで、 "生産的な思考" が回ってはゆかないようである。
 かと言って、解くことが容易なことだけを探して思考すべきだとまで言うつもりはない。そうではなくて、思考が可能な "段取り" をしながら、思考を進めるべきなのであろう、それが "生産的な思考" というものに違いない、と思うわけだ。
 多分、人間の頭脳というものは、然るべき "段取り" があれば、 "丸腰" では躓くことにしかならない思考を、結構、遠方まであるいははるか高くまで突き進めることができるものではないかと感じている。

 大事なことは、思考や考えをムリなく進めるための "段取り" であり、その準備なのであろう。その "段取り" とは、建築に例えるならば、 "足場" 作りだと言えるかもしれない。民家でもビルでも、ひの建築工事が首尾よく進められるためには、安全かつ効率的な作業が進むように、必ず "足場" 作りがなされる。確かに、そのための工数は掛かるものの、その利用意義から言えば十分にペイするものだと言えそうだ。
 こんなことに関心を向けていると、こうした "足場" 作りを軽視することによる問題発生が、結構いたるところで見受けられそうに思えるのである。
 まあ、冒頭で書いたように、自身がこの日誌を書く時に陥る思考の "フリーズ状態" にしてからがその好例である。他にもいろいろと気づくことがあるわけだが、今は二点だけ注目したい。

 ひとつは、自身の頭で考えるためには、自身の "言葉" を持ち、その "言葉" を使いこなすという経験が必須だと思える。これは、自分なりに考えるための必須の "段取り" であり "足場" 作りではないかと思える。これを省略するならば、自身の考えがまとまるはずはなく、結局、思考以前の衝動や感情で行動が決定されることになりがちなのでああろう。
 昨今、世相は極めて荒ぶれていると見えるが、こうした状況の底流には、情報は飛び交う環境ではあっても、 "言葉" というものが想像以上に風化しているかのような風潮がありそうだと思える。 "言葉" を風化させた人間は、限りなく動物レベルへと下降するのがことの成り行きであるに違いない。

 もうひとつは、個人の思考と "実体的世界のレベル" との恐ろしいほどの "乖離" 状態なのである。
 個人の思考とは、個人が生きて生活する限られた空間を離れてはあり得ないと思われる。たとえ、情報化時代の環境でグローバルな情報を入手していたとしても、それらがすべて個人の思考の血肉となっているとは言いがたいのではなかろうか。
 また、 "実体的世界のレベル" とは、まさに現時点の "金融危機・経済危機" をはじめとする世界的広がりの時代現象のことである。これらは、情報や知識としては、個人の思考に接触はするものの、それだけの話なのかもしれない。
 個人の思考の内側でそれらの "危機" を額面どおりに認識することも不可能であるし、まして思考の末にそれらを解消させるためのどんなアクションがとれるというのであろうか。
 個人(の思考)と "実体的世界のレベル" とが "直接対面" してもそこから生じるものは、個人側における不安、恐れ、そして思考の "フリーズ状態" でしかないのかもしれないのである。
 まあ、正論を言うならば、この両者の間に介在する国家機関その他の重層的な存在の働きが折り込まれてこそ、まともに思考できるのだろう。しかし、現実においては、恐ろしいほどの "乖離" 状態の結果、個人が途方もない "無力感" と思考の "フリーズ状態" に陥れられているかのようである。

 ではどうしたらいいのか? 残念ながら現状では、そうした問いに明解を与えることはムリであり、それに接近するための "段取り" と "足場" 作りが精一杯なのかもしれない...... (2008.11.14)













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