それは当然のことかと思われる。そうなってくると、道具、ツールというものが重要な役割を果たすことになる。そして、それらは、使い勝手が良いとか、耐久性に優れているとかという "単機能" において優秀であるだけでなく、一連の制作プロセスを制作者の立場に立っていろいろと "支援" してくれるものであればありがたい。
この辺の機能を果たすものとしては、まさに "PC" やその "アプリケーション・ソフト" が得意とするわけだが、それらを総称して "オーサリング(authoring)・ソフト" と呼ぶ。
"オーサリング(authoring)" というのは、<文字や画像、音声、動画といったデータを編集して一本のソフトウェアを作ること。プログラミングを伴う場合もあるが、一般には複数のマルチメディア要素を編集・統合して一つのタイトルとしてまとめることをオーサリングと呼ぶ。>( IT用語辞典 )とある。
その "オーサリング・ソフト" の具体的なジャンルとしては<グラフィックツール、音楽ツール(DTM系)、出版系(DTP用)、ウェブサイト制作や運営管理に用いるWebオーサリングツール、ゲームやスライドショーなどの制作に用いるマルチメディア系、DVDソフトの制作用など>が挙げられる。
自分は、従来から下手の横好きというやつで、 "グラフィック" をはじめとして "マルチメディア" などに興味を抱いてきた。 "サウンド" も音楽というよりは音声処理という面でしかないが多少の処理を楽しんできたし、 "DVDソフト制作" も趣味の範囲で経験し続けてきた。
そして、半端ながら経験を重ねてみると、 "より上手く、より早く" という欲がジワジワと出てきて、次第に "オーサリング・ソフト" を味方に付けたいという願望が生まれてくるものである。
たとえば、 "グラフィック" のジャンルでは、当初はシンプルな "フォト・レタッチ・ソフト" を駆使していたのが、やがて "アドビ社" の "PhotoShop" を使い始め、そのうちにそのソフトの "オーサリング" 的な巧みさに魅了されて、すっかり不可欠な道具となってしまったものだ。
そのほか、 "サウンド" 関係にしても、 "DVDソフト制作" にしても、相応の "オーサリング・ソフト" に大いに役立ってもらっているのが実情である。
確かに、いずれの "オーサリング・ソフト" も、その操作や使い勝手は、いわゆる "バカチョン" というわけには行かないし、まして宣伝文句のごとく "いきなり......" というわけには行かない。
それというのも、優れた "オーサリング・ソフト" というものは、 "一直線" の調子でアウトプットを吐き出すというよりも、ユーザーの好みや判断を尊重すべく様々な "オプション(選択肢)" が組み込まれているからである。むしろ、 "いきなり......" と称されるようなソフトは、すぐに飽きてしまうものだ。
概して、使って行けば行くほどに底の深さと複雑さとを知ることになり、その分、へぇーこんなことまで用意していたんだ......、と作業途中で感心させられるようなソフトこそが、喜ばれる "オーサリング・ソフト" だと言えそうである。
ところで、従来、自分は、 "ウェブサイト制作" に関しては、その種の "オーサリング・ソフト" を敬遠してきた。つまり、何の変哲もない汎用ソフトの "エディター" ( "秀丸" )で、 "スクリプト" を一行一行、カタカタとキー入力して制作してきたのだ。
この方法は、当然タイプミスも生じれば、構文ミスも犯すし、押しなべてその煩雑さはこの上ない。が、おかげで、HTML や java などのスクリプトを知らぬ間に会得することにつながったようである。
ただ、まずまず対象自体を了解するようになってくると、どうしても "より上手く、より早く" という欲を禁じえなくなる。しかも、創るプロセスの喜びもさることながら、あれやこれやの "コンテンツ" そのものに関心が移行してくると、より "効率的・効果的" な作業が期待できそうな "Webオーサリングツール" に接近することにならざるを得ない。
そんなことで、この期に及んでという気がしないでもないが、現在、とある "Webオーサリングツール" を使い慣れることにそこそこ傾注している。
なお、こうして "オーサリング・ソフト" というものにいろいろとお世話になっていると、妙なことに気づいたりする。つまり、 "人間" や "人材" にあっても、単に "単機能" のみに熟練して行くのではなく、とある作業ジャンルの全体をカバーして効果的に支援できる者こそが、本当にありがたがられるのだろうな、と...... (2009.01.14)
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