先日、当社のHPに掲載している "日替りHP" というシステム製品に、久々に問い合わせがあった。これは、2001年にリリースして、当時はものめずらしさも手伝って各方面からの問い合わせがあったものだ。
"CGI" という仕組みを活用して作ったウェブ・システムなのであるが、最大の特徴は、当該の自分のホームページを表示させているブラウザ画面から、そのホームページの記事の更新をラクラク行うことができる、というものだったのである。
ホームページを運営している方にはわかるはずだが、記事の更新は、スクリプトをエディターなどで編集して、その結果のファイルをサーバーに送信しなければならない。
そして、ブラウザには送信機能は備わっていないため、 "FTP" という通信用ソフトを立ち上げて行わざるを得なかった。この事情は、ホームページ用のオーサリング・ソフトを使っていても原理自体は同じことである。
それが、使っているブラウザだけを通して、スクリプトも使わずに "文字と画像" の両面による記事を簡単に送信までしてしまうため、 "日替り弁当" のようにホームページを "日替り" にすることができますよ! という意味の "日替りHP" を打ち出したのだった。
この製品は、リリース時期が "みそ" である。と言うのは、その二、三年あたり後に、世に言うあの "ブログ" をお膳立てした "ブログ用ウェブ・システム" が席巻し始めたからである。
残念ながらと言うか、やはり "狙い" は間違っていなかったと言うべきか、メジャーに広がった "ブログ用ウェブ・システム" というものは、 "狙い" も "基本原理" も当社の"日替りHP" システムと変わらないのだ。 "CGI" という仕組みを活用している点でも変わりがない。ただ、米国のシステム・ベンダーによる構築だけあって、いかにも "システマチック" であり、スマートである。しかも、ユーザーによる "カスタマイズ" の可能性も、選択幅と簡略な操作性とをしっかり備えている。
そんなことで、今なお、当社の "日替りHP" システムは当社のHPで紹介し続けてはいるものの、正直言って巷に各種存在する "ブログ用ウェブ・システム" に "水を空けられている" と言わざるを得ない。で、先のような問い合わせがあった場合には、そうした事情を説明して、 "ブログ用ウェブ・システム" を使ったホームページ構築をお勧めすることにしているわけだ。
"ブログ用ウェブ・システム" というと、まさに "プログ" つまり "日誌" を書くだけと思われがちである。確かに、一般的にはその通りであり、特に "無償" で使わせてもらう類のものは、記事としては文字と写真などで構成された "日誌" を掲載するものとなっている。 "売り" のポイントは、上述の "FTP" という煩わしい通信用ソフトを使わずに、ブラウザ上で記事内容を入力をして、そのまま送信できるため操作が簡略だという点であろう。後は、技術的問題ではなく、通常の "日誌" と同様に "三日坊主" とならないような心掛けの問題だけに掛かってくるわけだ。
また、 "トラックバック" 機能その他の周辺環境の整備によって、その気になれば、書いたものの存在が他者・他社に広く通知されるというメリットまで見込めるのも注目に値するだろう。
そんなことで、自分としては、当社の "日替りHP" システム自体の改造やバージョンアップを試みるよりも、むしろ、 "ブログ用ウェブ・システム" の活用ノウハウを追及することに関心を示し、労力を注いでいる。
それにしても、技術的な変遷というものは面白いものであり、ひとつのアーキテクチャーがいつ再評価されるかわからない。 "CGI" という仕組みなぞは、ひと頃は視野の外に置かれた観がなきにしもあらずであったが、今また何度目かの注目を浴びていそうだ…… (2009.01.25)
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