そそくさと昼食を終えると、にわかに胃の辺りがしくしく痛んできた。休日の事務所なので胃薬を探すこともできない。鞄のどこかに胃腸薬の残りでも隠れていないかと探したがそれもなかった。ドラッグストアにでも出かけようとも思ったものの、まだ外は雨が降っている。まあ、我慢できないほどの痛みでもないので、無視するほかなかった。
こうした突然の体調不良に至ると、万事 "お一人様" 的に行動する自分はやや気分が滅入ってくる。先々のことをも含んで考えてしまうからなのかもしれない。
最近は、救急車を大したこともないのに呼びつける人が多くなったと聞く。確かに勘違いをしている人もいるようだが、要するに、 "お一人様" 的生活をしている人が少なくないということなのではなかろうかと想像した。
こうした突然の体調不良に至ると、万事 "お一人様" 的に行動する自分はやや気分が滅入ってくる。先々のことをも含んで考えてしまうからなのかもしれない。
最近は、救急車を大したこともないのに呼びつける人が多くなったと聞く。確かに勘違いをしている人もいるようだが、要するに、 "お一人様" 的生活をしている人が少なくないということなのではなかろうかと想像した。
"お一人様" 的生活といっても、文字通りの "独居" のほかに、 "事実上" それに近いというケースも考えられる。つまり、住まいや生活の環境に "相互扶助" 的な状態が残っていない、ということである。
もう何十年も前のことだが、学生時代にアパート住まいをしたことがあった。その時、もう深夜になろうとしていた頃、突然、部屋の扉を叩く者がいた。びっくりして開けてみると、そのアパートの住人二人(同棲中?)であり、何やら慌てふためいていた。
話を聞くと、耳の中に虫が入ってしまい取れなくなったと騒いでいた。どうしたらいいかと聞くのである。幸い、読書中で頭が "正常" であった自分は、二、三の案を出してあげた。一つは、とにかくその耳を電球の明かりにしばらく近づけておくこと、そして、二つ目は、ストローの片方をガーゼか布で覆って、それを咥えて吸ってみてはどうか、などであったかと思う。
その後、彼らの部屋の方から、「取れたー!」という声が聞こえてきたのでホッとしたものであった。
つまり、当時のアパート生活は、日頃、挨拶程度の間柄でしかなくとも、いざ助けが必要な場合には声が掛けられる状態だったはずだということが言いたいのである。
今でもそんなアパート環境が残っていないとは言わないが、アパートが "マンション" と呼び名を変えて行くにつれ、たとえ建物は共同生活用であっても、その中での "共同性" の実質はどんどん風化して消滅するようになってしまったようではないか。
昨今、いろいろなかたちでの "お一人様" 的生活が取り沙汰される気配を感じるが、スマートなニュアンスもないわけではないけれど、概してその生活の足元には、 "孤立" というじめじめと湿ったニュアンスが漂っていそうである。
元気でいられる間はよしとしても、高齢化の末、身体の不調が頻発するようになるとシンドイ話となりそうではないか。これぞ "お一人様シンドイぞー" (シンドロジー?)...... (2009.03.14)
もう何十年も前のことだが、学生時代にアパート住まいをしたことがあった。その時、もう深夜になろうとしていた頃、突然、部屋の扉を叩く者がいた。びっくりして開けてみると、そのアパートの住人二人(同棲中?)であり、何やら慌てふためいていた。
話を聞くと、耳の中に虫が入ってしまい取れなくなったと騒いでいた。どうしたらいいかと聞くのである。幸い、読書中で頭が "正常" であった自分は、二、三の案を出してあげた。一つは、とにかくその耳を電球の明かりにしばらく近づけておくこと、そして、二つ目は、ストローの片方をガーゼか布で覆って、それを咥えて吸ってみてはどうか、などであったかと思う。
その後、彼らの部屋の方から、「取れたー!」という声が聞こえてきたのでホッとしたものであった。
つまり、当時のアパート生活は、日頃、挨拶程度の間柄でしかなくとも、いざ助けが必要な場合には声が掛けられる状態だったはずだということが言いたいのである。
今でもそんなアパート環境が残っていないとは言わないが、アパートが "マンション" と呼び名を変えて行くにつれ、たとえ建物は共同生活用であっても、その中での "共同性" の実質はどんどん風化して消滅するようになってしまったようではないか。
昨今、いろいろなかたちでの "お一人様" 的生活が取り沙汰される気配を感じるが、スマートなニュアンスもないわけではないけれど、概してその生活の足元には、 "孤立" というじめじめと湿ったニュアンスが漂っていそうである。
元気でいられる間はよしとしても、高齢化の末、身体の不調が頻発するようになるとシンドイ話となりそうではないか。これぞ "お一人様シンドイぞー" (シンドロジー?)...... (2009.03.14)
コメントする