昼休みに散歩をしていたら、おかしなことに出くわした。
自分は、よほど "何かお世話をしましょう" とでもいう雰囲気で歩いていたのであろうか。突然、曲がり角から現れた、 "ヘンなおじさん" が、「ちょっとちょっと」と手招きをして呼ぶではないか。
何だろうかと不思議に思わざるを得なかった。今しがた、クルマの往来もなかったこともあり真昼の横断歩道を赤で渡っていたので、そんなことに文句でもつけようというのかとも思ったりした。
その "ヘンなおじさん" の風体はというと、まさに、あの "志村けん" が演じる "ヘンなおじさん" そのものに思えた。鼻こそ赤くはしていなかったし、腹巻をしているわけでもなかったが、何の変哲もない作業着ふうの身なりで、作業帽のような帽子を斜めかぶりして、実にふわふわとした雰囲気を漂わせていた。が、顔は、真面目くさっている。
別段人に害を加えそうな感じでは全然なかったこともあり、とりあえず手招きする方に近づいてみることにした。
自分は、よほど "何かお世話をしましょう" とでもいう雰囲気で歩いていたのであろうか。突然、曲がり角から現れた、 "ヘンなおじさん" が、「ちょっとちょっと」と手招きをして呼ぶではないか。
何だろうかと不思議に思わざるを得なかった。今しがた、クルマの往来もなかったこともあり真昼の横断歩道を赤で渡っていたので、そんなことに文句でもつけようというのかとも思ったりした。
その "ヘンなおじさん" の風体はというと、まさに、あの "志村けん" が演じる "ヘンなおじさん" そのものに思えた。鼻こそ赤くはしていなかったし、腹巻をしているわけでもなかったが、何の変哲もない作業着ふうの身なりで、作業帽のような帽子を斜めかぶりして、実にふわふわとした雰囲気を漂わせていた。が、顔は、真面目くさっている。
別段人に害を加えそうな感じでは全然なかったこともあり、とりあえず手招きする方に近づいてみることにした。
「何でしょうか?」
と二、三度尋ねながら近づいたのだが、相手は相変わらず
「ちょっとちょっと」
と手招きをするばかりである。
ようやく話ができる程の距離に近づいた時、
「み、みんなこっちで待ってるんだけどさ、ほ、本部の方でいいんだよね(集まるのは)......」
と皆目わけのわからないことを言い出す。
「えっ、何がですか?」
と問い直すと、
「マ、マラソンのことでさ、さっきからみんな待ってんのよ。」
ご本人はそう言いながら、両腕を振って走る格好をしている。がこちらが首を傾げていると、
「あれっ、おたく本部の人じゃないの......」
もちろん自分は、静かに
「関係ないですよ」
としか言わざるを得なかった。
おそらくは、このゴールデンウイーク期間中に、地域主催のマラソン大会でも開催されるのであろう。で、その下準備のための寄り合いが持たれようとしているのかもしれない。ご本人も出場しようとしているから、今から "興奮" しているのかもしれない。
ともかく自分の方は、何だそういうことかと、不可解な事情が飲み込めたようで幾分ホッとした感じになれたのだった。
当の "ヘンなおじさん" の方はというと、右手の平をちょっちょっと動かし謝る素振りをしてから、なーんだ違うのかという顔をしてクルリと背を向けて行ってしまった。
しかし、ほとんど吹き出してしまうような笑いがこみ上げてきてしまった。
確かに、広い通りの近辺には、ほとんど誰も行き交ってはいない。だから、誰であろうと待ち合わせ場所の近くに来る者がその "関係者" だと決め込む "推理" もあながち否定はできまい。しかも、自分のように、普段からどこか "何かお世話をしましょう" とでもいうような差し出がましい雰囲気を背負って歩いている者を目にすれば、 "あっ、この人だろう" と決めつける "推理" もなしとは言い切れない。
しかし、やっぱり "唯我独尊" としか思えなかった。 "思い込み" だけでこんな複雑な人生をまっしぐらに生き抜いている人としか思えなかったのだ。ご立派! という言葉しか出てこなかった。
それにしても、その人物は、あの "志村けん" が演じる "ヘンなおじさん" を彷彿とさせずにはおかず、さしずめ自分は "いかりや長介" 演じる "通りがかりの人" という役どころで、真昼のコントに飛び入りさせられたような格好だったのである...... (2009.05.01)
と二、三度尋ねながら近づいたのだが、相手は相変わらず
「ちょっとちょっと」
と手招きをするばかりである。
ようやく話ができる程の距離に近づいた時、
「み、みんなこっちで待ってるんだけどさ、ほ、本部の方でいいんだよね(集まるのは)......」
と皆目わけのわからないことを言い出す。
「えっ、何がですか?」
と問い直すと、
「マ、マラソンのことでさ、さっきからみんな待ってんのよ。」
ご本人はそう言いながら、両腕を振って走る格好をしている。がこちらが首を傾げていると、
「あれっ、おたく本部の人じゃないの......」
もちろん自分は、静かに
「関係ないですよ」
としか言わざるを得なかった。
おそらくは、このゴールデンウイーク期間中に、地域主催のマラソン大会でも開催されるのであろう。で、その下準備のための寄り合いが持たれようとしているのかもしれない。ご本人も出場しようとしているから、今から "興奮" しているのかもしれない。
ともかく自分の方は、何だそういうことかと、不可解な事情が飲み込めたようで幾分ホッとした感じになれたのだった。
当の "ヘンなおじさん" の方はというと、右手の平をちょっちょっと動かし謝る素振りをしてから、なーんだ違うのかという顔をしてクルリと背を向けて行ってしまった。
しかし、ほとんど吹き出してしまうような笑いがこみ上げてきてしまった。
確かに、広い通りの近辺には、ほとんど誰も行き交ってはいない。だから、誰であろうと待ち合わせ場所の近くに来る者がその "関係者" だと決め込む "推理" もあながち否定はできまい。しかも、自分のように、普段からどこか "何かお世話をしましょう" とでもいうような差し出がましい雰囲気を背負って歩いている者を目にすれば、 "あっ、この人だろう" と決めつける "推理" もなしとは言い切れない。
しかし、やっぱり "唯我独尊" としか思えなかった。 "思い込み" だけでこんな複雑な人生をまっしぐらに生き抜いている人としか思えなかったのだ。ご立派! という言葉しか出てこなかった。
それにしても、その人物は、あの "志村けん" が演じる "ヘンなおじさん" を彷彿とさせずにはおかず、さしずめ自分は "いかりや長介" 演じる "通りがかりの人" という役どころで、真昼のコントに飛び入りさせられたような格好だったのである...... (2009.05.01)
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