あの "技術屋社長" はどうしているかな、と時々他人事ではなく思い起こす。
以前にも書いたことがある。
「誰かに社長業を任せて、自分は技術に没頭できたらどんなにいいか......」と口癖のように言っていた。
製造業(半導体関連)が活況を帯びていた当時、多少付き合ったこともあった。大手の関連業種の企業で腕を上げたようで、ベンチャー企業を立ち上げて独立した。
ちょうど、自分たちも会社設立したばかりであった。ベンチャー企業向けの公共ビル入居の審査に通り、そのビルで一緒となったのであった。
以前にも書いたことがある。
「誰かに社長業を任せて、自分は技術に没頭できたらどんなにいいか......」と口癖のように言っていた。
製造業(半導体関連)が活況を帯びていた当時、多少付き合ったこともあった。大手の関連業種の企業で腕を上げたようで、ベンチャー企業を立ち上げて独立した。
ちょうど、自分たちも会社設立したばかりであった。ベンチャー企業向けの公共ビル入居の審査に通り、そのビルで一緒となったのであった。
当時は、その景気状況が永続する気配に包まれていて、とても今日のような状況は想像できなかったものだ。
が、やがて、いつとはなく景気状況があやしくなり始め、当初その公共ビルに入居できて、あたかも "お墨付き" を与えられたような会社も、一社去り、また一社去るという寂しい雲行きとなったのだった。
要するに、景気低迷の仕業(しわざ)なのであったが、もとより資金面では弱者でしかないベンチャー企業にとっては、 "民間ビルよりも高い" テナント料は、やはりきつかったに違いない。
われわれはかなり居つくことになり、当初入居組では最古参になったものだったが、やはり、そこを出る選択をした。ある不動産業者に指摘されたが、入居期間中のテナント料の総額があれば資産価値の高いビルが所有できたに違いない、ということであった。
ところで、その "技術屋社長" の会社は、かなり早い時期にそこを出て、作業が自由にできそうな "民家" を借りてそこを会社兼 "根(寝)城" にしていた。何度か訪ねたこともあったが、いかにもその人にふさわしい環境であったかと思う。
仕事に入れ込む者、特に技術分野に賭けた男というのは、昼夜の時間感覚もなくなってしまうため、休む場所、要するに "ばたんきゅう" で寝入る場所が必要となる。
その人の社屋でも、事務所の一角をカーテンだけで仕切った "寝床" が目に入ったものだった。自炊の環境もあったかに覚えている。
なぜ、こんなことを書いているか......。こうした仕事に入れ込む男たちというのは、仕事に追われて、いつの間にか "羽振り" が良くなるというそんな時代には、その "不均衡" な生きざまも何とか格好がついていたのかもしれない。しかし、時代環境が現在のようになると、ほとんど "破綻者" としてのレッテルを貼られてしまいそうだと思ったからかもしれない。
たぶん、こうした部類の男たち(自身も含まれる)は、家族とも良好な関係を形成してきたとは想像しにくい。そんなことだから、仕事面で "枯れ野原" のごとき手薄な事態に直面すると、ほとんど "はぐれ武者" のようになりかねないのかもしれない......。
こうして急速に広がってきた "過酷" な状況は、決して他人事で済ますことはできそうにない。かつてエネルギッシュであった男たちが "青菜に塩" のごとく萎えさせらていそうな気配だ。とにかく "弱気の虫" 退治から始めるべし...... (2009.05.13)
が、やがて、いつとはなく景気状況があやしくなり始め、当初その公共ビルに入居できて、あたかも "お墨付き" を与えられたような会社も、一社去り、また一社去るという寂しい雲行きとなったのだった。
要するに、景気低迷の仕業(しわざ)なのであったが、もとより資金面では弱者でしかないベンチャー企業にとっては、 "民間ビルよりも高い" テナント料は、やはりきつかったに違いない。
われわれはかなり居つくことになり、当初入居組では最古参になったものだったが、やはり、そこを出る選択をした。ある不動産業者に指摘されたが、入居期間中のテナント料の総額があれば資産価値の高いビルが所有できたに違いない、ということであった。
ところで、その "技術屋社長" の会社は、かなり早い時期にそこを出て、作業が自由にできそうな "民家" を借りてそこを会社兼 "根(寝)城" にしていた。何度か訪ねたこともあったが、いかにもその人にふさわしい環境であったかと思う。
仕事に入れ込む者、特に技術分野に賭けた男というのは、昼夜の時間感覚もなくなってしまうため、休む場所、要するに "ばたんきゅう" で寝入る場所が必要となる。
その人の社屋でも、事務所の一角をカーテンだけで仕切った "寝床" が目に入ったものだった。自炊の環境もあったかに覚えている。
なぜ、こんなことを書いているか......。こうした仕事に入れ込む男たちというのは、仕事に追われて、いつの間にか "羽振り" が良くなるというそんな時代には、その "不均衡" な生きざまも何とか格好がついていたのかもしれない。しかし、時代環境が現在のようになると、ほとんど "破綻者" としてのレッテルを貼られてしまいそうだと思ったからかもしれない。
たぶん、こうした部類の男たち(自身も含まれる)は、家族とも良好な関係を形成してきたとは想像しにくい。そんなことだから、仕事面で "枯れ野原" のごとき手薄な事態に直面すると、ほとんど "はぐれ武者" のようになりかねないのかもしれない......。
こうして急速に広がってきた "過酷" な状況は、決して他人事で済ますことはできそうにない。かつてエネルギッシュであった男たちが "青菜に塩" のごとく萎えさせらていそうな気配だ。とにかく "弱気の虫" 退治から始めるべし...... (2009.05.13)
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