相変わらず "新型インフル" 感染者は増加の一途を辿っているようだが、下記のような報道に接し、ちょっと考えさせられた。
当初から今回の "新型インフル" は、高校生などを急襲して中高年世代の感染者は相対的に少ないとされてきた。そこから、時代的な "免疫性" というものがあるのではないかとささやかれてもいた。
未だ、詳細な検証はなされていないようであるが、それにしても注意が喚起される事柄であることは確かだ。
<新型インフル、1957年より前生まれに免疫? 米保健当局
米疾病対策センター(CDC)のダニエル・ジャーニガン医師は20日の記者会見で、豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザについて、1957年より前に生まれた人は免疫を持つ可能性があるとの見解を示した。採取した血液を分析した結果という。
......
CDCによると、米国の入院患者のうち50歳を超える人の割合は13%にとどまっている。通常の季節性インフルエンザと異なり、症状が悪化する中高年層の割合が低い一方、若年層の割合は高く、米保健当局は年齢層との関連を注視していた。詳細は調査中。
(ワシントン=弟子丸幸子) (13:09)>( NIKKEI NET 2009.05.21 )
ちなみに、ウイルスなどに対する "免疫" とは、次のようなメカニズムだそうだ。
<......このようないっそう複雑な免疫応答の中で、ヒトの免疫系は特定の病原体に対してより効果的に認識できるよう長い間に適応してきた。この適応プロセスは適応免疫あるいは獲得免疫(あるいは後天性免疫)と呼ばれ、免疫記憶を作り出す。特定の病原体への初回応答から作られた免疫記憶は、同じ特定の病原体への2回目の遭遇に対し増強された応答をもたらす。獲得免疫のこのプロセスがワクチン接種の基礎である。......>(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
<1957年>(昭和32年)以前に、今回猛威を奮っている "ウイルス" の "祖先" たちが暴れたのかどうなのかがわかれば、もっと興味深いと思われた。
詳細は検討もつかないが、要するにあの "昭和30年代" がいよいよテイクオフしていく以前のこと、つまりまだ貧しさ、不潔、雑多な雰囲気という "戦後" の特徴を引き摺っていた時代だと言えそうだ。(c.f.⇒「図表 昭和30年代の主なメディア」 http://www.din.or.jp/~adhocrat/daibasho/30_media.htm )
人々が、止むを得ない "雑駁とした生活環境" の中で、ウイルスなんぞとも "共存(?)" せざるを得ない状況だったのではなかろうか。
それにしても、 "けがの功名" とも言えそうな "免疫性" というものこそは膨大な時間をかけた人類の宝なのかと思ったりする。ただし、敵のウイルスたちだって日夜闘い続けて競争力を高めているわけだからまさに油断はできないはずだ...... (2009.05.21)
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