"生の情報" の確保、そして "自ら動いてみる" こと ......

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 しばしば聞く言葉に "机上の空論" というものがある。これに対して、 "案ずるより産むが易し" という言葉もある。
 もちろん、事前にあれこれと考え、検討することは必須であろう。 "出たとこ勝負" という場当たり的なスタンスで上手くゆくことは少ないはずだ。
 人にもよることは間違いなかろうが、現在われわれが直面しがちな厄介な問題に遭遇した時には、必ずしも頭だけで考え、思い煩うスタイルは奏功しないかもしれないというような印象を受けている。
 とかく、この時代環境ではネット情報をはじめとして、知識情報を集めれば事が上手く進むと思いがちであろう。それは間違いではなさそうだが、十分条件ではなさそうだ。
 知識情報の重さを強調する際に陥りがちなのは、ネット環境などからのどちらかといえばイージーな方法、もっと的確に言うならば、煩わしい人間関係が絡まない方法に依存しがちな点なのかもしれない。効率的な情報収集を、と考えればどうしてもそうならざるを得ないのではなかろうか。
 しかし、こうした方法にはまり込んでの考察というものは、どうしても一般論的な問題解決アプローチからは出られないような気がする。これが、 "机上の空論" というものの実態なのかもしれない。この辺の事情をよく踏まえてかかる必要がありそうだと思っている。
 では、 "案ずるより産むが易し" という言葉が秘めたメリットにどうすれば接近できるのか、ということになる。
 端的に言うならば、ひとつは "生の情報" の確保に努めること、ふたつ目は "自ら動いてみる" ことだと言えそうである。まあ "自ら動いてみる" ことというのは、そうすることで "生の情報" が得やすくなるという点に思い至るならば、通り一遍の知識情報という一般論的かつ不毛な域から脱して、物事が "生々しく展開している域" に足を踏み出せば、空論とは一味も二味も異なった手堅い選択肢が見えてくる、ということになりそうである。それが "案ずるより産むが易し" という言葉の真意なのではなかろうか。

 また、物事というか人の思考というものは、 "段階的に" 展開して行くもののようであり、一気にトータルを見通そうとしてもなかなか上手く行かないようだ。 "自ら動いてみる" ことで、 "段階的に" 問題解決を進めて行くならば、事前には見通せなかったさまざまな選択肢も見えてきたりすることもある。
 いずれにしても、この時期、解決されるべき問題を抱えない人はいないわけであり、しかも、その問題たるや決して一筋縄では落着しないものも多くなっていそうだ。そして、 "机上" で膨れ上がった仮想の問題像の重みに押し潰されるケースもないとは言えないかもしれぬ。
 まずは、 "生の情報" の確保に努めること、そして "自ら動いてみる" こと、これらを "段階的に" 展開して行くこと、こうした地道なアタックだけが問題解決への道を切り開く王道なのではなかろうか...... (2009.06.25)












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