<ネットの情報がゴミの山である日本>という表現には賛同 ......

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 とあるコラムを読んでいたら、次のような表現に出会った。
<私はネットの情報がゴミの山である日本においては、新聞社なくしてジャーナリズムが維持されるとは思わないが......>(「新聞の窮状はネットやITでは救われない」/岸博幸の「メディア業界」改造計画/NIKKEI NET IT+PLUS )
 要するに、ネットに押されて新聞の発行部数が低迷する現実、かと言って新聞社がネットに軸足を移動させたところで、ネットから得られる広告収入は従来の収入を埋めるものとはなり得ないというような深刻な問題を論じているのである。
 どの国でもジャーナリズムがますます劣化している事実は否定できず、その原因の底辺に、残念ながら "紙" の新聞収益の低迷という兵糧攻めの現実がありそうだ。
 権力による言論操作という側面や、若い従事者の人材の劣化という面もあるかに思えるが、コストや収益というシビァな面での足枷が、新聞ジャーナリズムを急速に蝕みはじめていそうである。
 となると、希望的観測のみで在野の "ネット側" にそのジャーナリズムの肩代わりを託したくもなる。しかし、その時、口から漏れる言葉はというと<ネットの情報がゴミの山である日本>ということになりそうなのが残念至極だと思う。
 かつてより、ネット情報が<ゴミの山>だとは言われてきた。そうは思いたくはなかった。しかし、目にする数々のサイトはその事実を裏付けるものが多過ぎる。
 非営利サイトでは目に余る低俗さが否定できないし、また営利サイトの情報は了見の狭さで息が詰まりそうになる。いずれにしても、 "ゴミ焼却場" の異臭に通じる不快さが刺激される。

 ネット環境において、 "キーワード検索システム" が重宝がられるようになった理由のひとつには、ネットに付き物だとされてきた<ゴミの山>的錯綜を緩和しようという点があったに違いない。まあ、一定程度の効果は見てとれる。
 しかし、 "純然たるゴミ" のサイトを除いたとしても、営利目的ばかりを露骨にさせたサイトが如何せん多過ぎる。さらに、検索結果リストを "邪魔する" かのように表示される "有料広告" も不快感を募らせる。とにかく、民放TVのCMの鬱陶しささながらであり、それでも提供情報に質の良さがあればまだ救われるが、そんなものはない。
 こんなふうであるから、事実を論じたり、まとまった意見を表明するサイトなどは、今までと変わりなく探しにくい状況であろう。もちろん自分は、匿名で言いっ放しを最大の特徴とする "掲示板" サイトはほとんど閲覧しないことにしている。
 要するに、現状のネット状況は、新聞が果たしてきたジャーナリズムとは比べようもないのである。

 こうしたことで、上記のコラムの筆者が吐き捨てるがごとく述べた<ネットの情報がゴミの山である日本>という表現は、不本意ではあるが同意せざるを得ない。
 自分のサイトとて、 "ゴミ" には違いないと自認しているのだが、ただ、ささやかにまとまった "燃えるゴミ" ではないかと...... (2009.07.07)












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