休む暇なく今日は、自宅のちょっとした増築工事に朝一から立ち会うことになった。
もう半月以上も前に注文していたのだが、業者側が職人さんの手配が間に合わず延び延びとなっていたのである。
それも、その業者の弁では、常連の職人さんはどうしても都合がつかず、ピンチヒッター的に "若い職人" を都合した、と言うことであった。そして、その口ぶりからは仕事ぶりについては今ひとつ "未知数" だというニュアンスが伝わってきていた。
そんな事情から、 "品定め" の意味も含めて、これは立ち会わなければならないと心密かに決めていたのである。
もう半月以上も前に注文していたのだが、業者側が職人さんの手配が間に合わず延び延びとなっていたのである。
それも、その業者の弁では、常連の職人さんはどうしても都合がつかず、ピンチヒッター的に "若い職人" を都合した、と言うことであった。そして、その口ぶりからは仕事ぶりについては今ひとつ "未知数" だというニュアンスが伝わってきていた。
そんな事情から、 "品定め" の意味も含めて、これは立ち会わなければならないと心密かに決めていたのである。
約束の時刻が近づいたので門扉の外に出てみると、やがて "奇妙なトラック" が現れ、その後ろに業者のバンが続いていた。ということは、その "トラック" が当該の職人さんのものであることは想像に難くなかった。
やれやれ......、という暗雲垂れ込める思いに襲われたものだった。
というのも、その "トラック" は大きさこそはほどほどの大きさの一トントラックであったが、まるであのトラック野郎 "一番星" のようなキンキラキンの装飾が施された "奇妙さ" だったからである。
降りてきた若い職人さんは、ヘアスタイルは茶髪、耳には何重にもなったリング状のピアスを付け、おまけに白い靴下は履いていたもののサンダル履きであった。
人は外見では推し量れない(いや、昨今では人は外見とも言われている)というが、自分の "できる職人" のイメージからはかなり逸脱していたため、思わず "めまい" がするようであった。
結論を急ぐと、その職人さんは見かけによらずかなりしっかりとした仕事ぶりだったのである。
自分は、かつてソフト開発の協力を依頼した時にやってきた何人かの技術者たちのことを思い起こしていた。その中には、まさに "奇妙さ" 丸出しでありながら、仕事の方は人一倍目を見張る出来を示す者もいた。いや、意外と、個性的な雰囲気の技術者の方が仕事はやり手という印象さえ残した。逆に、きちんとした身なりと人当たりの良い応対という技術者の中に、それはないでしょ、と言いたくなるような杜撰な仕事でお茶を濁す者もいないではなかった。
その職人さんは、自分がソフト開発分野で経験した上クラスのタイプの職人さんのようだと品定めしたのであった。
作業中に何気なく現場を覗きに行き、何気なく話しかけてみたが、彼は打ち解けて返答を返してきたものであった。
もう長らくこの職人稼業を続けているというのは、とにかく "独り舞台" で仕事ができるのが気に入っているという。かつて、弟子入りのごとく入社した会社で、社長が何かの不始末で逃げてしまったらしい。その時、親会社から、一人でやるなら支援すると言われて独立したと。
よくある話ではあるが、そんな経緯の中で自分なりのジョブ・スタイルを身につけてきたらしい。
そうした話をしてみると、実に健全な若者だという実感が込み上げてきた。まさに、人は見かけではなく、見かけというのは趣味や好みの範疇を反映するだけなのであり、自分のそれと異なるからといって騒ぎ立てることはなさそうである。
仕事の方は、この後一日、二日かかりそうであるが、まずまず気に入った成果を出してくれそうな気がしている。
それにしても、まともな見てくれをしていながらえげつない所業を仕出かし続けている年配者が多いかと思えば、奇異な外見や振る舞いで見るものをかく乱しつつも、へぇー、そうなんだ、と言わせるような実を示す若い世代の者も意外と少なくなさそうである...... (2009.08.01)
やれやれ......、という暗雲垂れ込める思いに襲われたものだった。
というのも、その "トラック" は大きさこそはほどほどの大きさの一トントラックであったが、まるであのトラック野郎 "一番星" のようなキンキラキンの装飾が施された "奇妙さ" だったからである。
降りてきた若い職人さんは、ヘアスタイルは茶髪、耳には何重にもなったリング状のピアスを付け、おまけに白い靴下は履いていたもののサンダル履きであった。
人は外見では推し量れない(いや、昨今では人は外見とも言われている)というが、自分の "できる職人" のイメージからはかなり逸脱していたため、思わず "めまい" がするようであった。
結論を急ぐと、その職人さんは見かけによらずかなりしっかりとした仕事ぶりだったのである。
自分は、かつてソフト開発の協力を依頼した時にやってきた何人かの技術者たちのことを思い起こしていた。その中には、まさに "奇妙さ" 丸出しでありながら、仕事の方は人一倍目を見張る出来を示す者もいた。いや、意外と、個性的な雰囲気の技術者の方が仕事はやり手という印象さえ残した。逆に、きちんとした身なりと人当たりの良い応対という技術者の中に、それはないでしょ、と言いたくなるような杜撰な仕事でお茶を濁す者もいないではなかった。
その職人さんは、自分がソフト開発分野で経験した上クラスのタイプの職人さんのようだと品定めしたのであった。
作業中に何気なく現場を覗きに行き、何気なく話しかけてみたが、彼は打ち解けて返答を返してきたものであった。
もう長らくこの職人稼業を続けているというのは、とにかく "独り舞台" で仕事ができるのが気に入っているという。かつて、弟子入りのごとく入社した会社で、社長が何かの不始末で逃げてしまったらしい。その時、親会社から、一人でやるなら支援すると言われて独立したと。
よくある話ではあるが、そんな経緯の中で自分なりのジョブ・スタイルを身につけてきたらしい。
そうした話をしてみると、実に健全な若者だという実感が込み上げてきた。まさに、人は見かけではなく、見かけというのは趣味や好みの範疇を反映するだけなのであり、自分のそれと異なるからといって騒ぎ立てることはなさそうである。
仕事の方は、この後一日、二日かかりそうであるが、まずまず気に入った成果を出してくれそうな気がしている。
それにしても、まともな見てくれをしていながらえげつない所業を仕出かし続けている年配者が多いかと思えば、奇異な外見や振る舞いで見るものをかく乱しつつも、へぇー、そうなんだ、と言わせるような実を示す若い世代の者も意外と少なくなさそうである...... (2009.08.01)
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