どっちもどっちの "緊急地震速報誤報" 騒動 ......

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 昨日の "気象庁による緊急地震速報の誤報" は、首都圏の鉄道乱れをもたらしたようだが、やはり注目すべき問題だと思われる。
 現在、各地で大地震が予測されているだけに、不安を抱いている国民が少なくないはずだ。そんな時に、ほとんど "凡ミス" 的な "誤報" を流すとは気象庁への信頼を大きく損なわせる。
 こんなことをやっていると、イソップ物語の "「オオカミだぁ!」とさけんだ少年" の話のように、地震速報の信憑性自体を疑わせていざ本番の際に効果がなくなる、とともに不測の災害を招きかねない。
  "凡ミス" 的な "誤報" の類であったことは、今日の報道で明らかにされた。決して自然現象の観測や予測の難しさなぞから来たのではなく、人為的な、しかも常識はずれの "凡ミス" 以外の何ものでもなかったようだ。

<地震誤速報、ソフト改修原因 気象庁「業者が無断で」
 気象庁が「関東地方で震度5弱程度の揺れがある」とする誤った緊急地震速報を発表した問題で、同庁は25日、地震計のソフトウエアの改修を依頼した明星電気(群馬県伊勢崎市)が、依頼したものとは別のソフトウエアに無断で変更を加えた上、変更内容も誤ったことが原因だったと発表した。......>( asahi.com 2009.08.26 )

 先ず、とんでもないソフト請負会社があったものだと驚く。
<依頼したものとは別のソフトウエアに無断で変更を加えた上、変更内容も誤ったことが原因だった>とあるから、ソフト開発会社としてのビジネス的常識を大きく逸脱していることは否定できない。
 しかも、その技術的<誤り>というのが、
<振幅を表す単位を「マイクロメートル」とすべきところを誤って「ミリメートル」としてしまったため、振幅が実際よりも常に500マイクロメートル大きくなるようになったという。
 今回の誤報では約20倍の大きさになって伝えられ、振幅を元に計算される地震の規模を示すマグニチュード(M)は、実際にはM4.1だったのがM6.6とされた。>(同上)
といった "実務の基本の基本" に位置する "凡ミス" だったというのだから信じ難い。
 ただ、昨今は、建築現場でのクレーン車の横転など、 "プロ" の仕事で "プロらしくない" 事故も目立つご時世であるため、なぜこんなことになるのかを精査すべきだろう。
 よく言われる、 "二度と起こらないよう......" という慣用的釈明は、言葉だけが流れるようで甚だ信用し難い。
 はからずも昨日は "経験" というキーコンセプトについて書いたが、どうもこの辺に謎が潜んでいはしまいか......。

 ところで、 "非" は請け負い業者だけには止まらないだろう。
 国民の不安に対して責任を負う気象庁が、業務の心臓部にぞくするような重要な事案に対して、これもまた "プロらしからぬ" 当事者意識の希薄さはどうしたことか。
 ソフト開発などの専門的な技術については業者委託をしても、それは咎められることではなかろう。だが、 "丸投げ" 的な委託は問題だ。
 通常、ソフト開発の委託などについては、 "基本仕様(外部仕様)" を委託側が行い、そして開発物件納入時には、委託側立会いに基づく "検収" を行うはずである。
 果たして、今回のケースではそのような手続きが踏まえられたのであろうか。それらがあれば、こうした "凡ミス" も潰せたであろうし、そもそも、<依頼したものとは別のソフトウエアに無断で変更を加えた>なぞという "職権乱用(?)" を許すことには至らなかったはずである。
 委託側が、日常的に "丸投げ" 的な委託姿勢であったから、業者側が "守備範囲の逸脱" に及んだとも考えられないことはない。

 いずれにしても、委託側の気象庁も受託側のソフト会社も、 "プロとしての力量と責任" から程遠いところでの杜撰さを曝け出した恰好だ。どこだかの党がキャッチフレーズで "責任力" と力むのは、こんな事例も睨んでのことなのだろうか...... (2009.08.26)












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