人の世を変えるのは、強い意思（意志）とその集合体だけであること ......

　投票所で見かける多くの人々は、やはり年配者であった。ハンディキャップを背負った人たちの願うような姿も見かけた。
　決して、若い人たちを見かけなかったわけではないが、もっと群がってもよさそうな気がした。何せ、言ってみれば現在ほど若い世代が "冷遇" されている時代はないように思えるからだ。就職環境にしても、先の見えない年金問題にしても、若い世代が腹を立ててもおかしくない状況は深まっている。
　政治から一歩身を引いたり、バカにしたりする姿勢はわからないでもない。また、ほかの興味のあるジャンルで意思表示をしようというのもいい。しかし、それらは "選挙権" という最低限の権利を行使してからにしてもらいたいものである。

　現在の人の生活は、何にせよ "公的" な制度の類から何らかの拘束を受けないものはほとんどない状況であろう。また、そうした制度などは、言うまでもなく若い世代とは無縁であろう "強者" たちによって操られている可能性が大なのが現実なのだ。
　だからこそ、自分の生活や人生を大事にしたいのであれば、好き嫌いの問題ではなく、 "選挙権" の行使だけは外してはならないのではなかろうか。
　また、ヘンな口実として、自分がやらなくても、広い世間には立派な人たちがいて自分の意向や意思を肩代わりしてくれると言う人もいるかもしれない。
　ちょうど、公共の場にゴミ袋などを捨ててもきっと誰かが......、と思い込むようにだ。しかし、立派な人々なんぞはいないし、善意でゴミを片づけてくれるような人はいない、と考えるのがリアルなのではないか。
　捨てたゴミ袋はほぼ永遠にそのまま風化されるのを待つに等しく、不公正な制度にしても自動的に改善されるはずもない。
　人の世を変えるのは、強い意思（意志）とその集合体だけであることを、そろそろ認識すべきではなかろうか......。

　さぁて、今夜の即日開票結果は、人々を勇気づけるものとなるのであろうか、それとも......　(2009.08.30）