各地の博物館で "興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」" が催され、 "阿修羅像" の人気の高さは実証されている。
自分は、今回の催しが行われるずっと以前から "阿修羅像" の魅力には惹かれてきた。何といっても、その "憂いやあどけなさ" を含んだ上品な表情に好感を抱いてきたのだ。
ただ、待てよ~、という疑問が湧かないわけではなかった。
というのも、 "阿修羅のごとく......" と引き合いに出されるように、阿修羅は "戦闘の神" だからである。なのに、まるで少年や女性のような表情というのが、何とも解せなかったのである。
今日の新聞報道に、 "なるほど" と頷かされる記事があった。
自分は、今回の催しが行われるずっと以前から "阿修羅像" の魅力には惹かれてきた。何といっても、その "憂いやあどけなさ" を含んだ上品な表情に好感を抱いてきたのだ。
ただ、待てよ~、という疑問が湧かないわけではなかった。
というのも、 "阿修羅のごとく......" と引き合いに出されるように、阿修羅は "戦闘の神" だからである。なのに、まるで少年や女性のような表情というのが、何とも解せなかったのである。
今日の新聞報道に、 "なるほど" と頷かされる記事があった。
<阿修羅像、本当は厳しい顔つき CTスキャンで復元成功
「国宝 阿修羅展」を開催中の九州国立博物館(福岡県太宰府市)などは8日、興福寺の阿修羅像(734年)の原型となった塑像の姿を、X線CTスキャン調査で復元することに成功した、と発表した。阿修羅像の代名詞となっている憂いを帯びた表情と異なり、細面で厳しい顔つき。現在の顔は原型を忠実に写し取ったわけではなかったことが明らかになった。
阿修羅像は、土で造った原型の塑像に麻布を張って漆で塗り固める脱活乾漆(だっかつかんしつ)技法でできている。麻布が固まったあとに原型は抜き取られたため、像の内部は空洞になっている。この空洞部分を正確に3次元処理すれば、原型の姿がわかる。
興福寺、東京国立博物館、九博、朝日新聞社は共同で、あらゆる角度から像の内部を透視し、立体画像で原型を復元。その結果、もともとは細く厳しい表情だったことが判明した。
......
見る者を魅了する憂いを含んだ少年のような表情が、制作者らの意図で当初の計画から変更されたのか、あるいは制作過程で自然にできあがったのかは不明だが、仕上げは木の粉と漆をペースト状に混ぜた木屎漆(こくそうるし)で整えられたとみられる。
......(編集委員・中村俊介)>( asahi.com 2009.09.08 )
<見る者を魅了する憂いを含んだ少年のような表情が、制作者らの意図で当初の計画から変更されたのか、あるいは制作過程で自然にできあがったのかは不明>とあるが、その辺が興味の尽きない点であろう。
少なくとも、<原型>の顔つきのままであったならば、現在のこんな人気を博すことにはなっていなかったに違いなかろう。もっとも、この人気の根底には、 "阿修羅=戦闘" という本質的な認識がほとんど欠落していそうな点が気になるわけだが......。
"阿修羅のごとく" 闘わなければ何も達成することができないような現在、しかし、そうだとしてもその際の表情は "憂いとあどけなさ" でカモフラージュすべし......、とでも訴えかけているのであろうか。民主党さん、わかってますよね...... (2009.09.08)
「国宝 阿修羅展」を開催中の九州国立博物館(福岡県太宰府市)などは8日、興福寺の阿修羅像(734年)の原型となった塑像の姿を、X線CTスキャン調査で復元することに成功した、と発表した。阿修羅像の代名詞となっている憂いを帯びた表情と異なり、細面で厳しい顔つき。現在の顔は原型を忠実に写し取ったわけではなかったことが明らかになった。
阿修羅像は、土で造った原型の塑像に麻布を張って漆で塗り固める脱活乾漆(だっかつかんしつ)技法でできている。麻布が固まったあとに原型は抜き取られたため、像の内部は空洞になっている。この空洞部分を正確に3次元処理すれば、原型の姿がわかる。
興福寺、東京国立博物館、九博、朝日新聞社は共同で、あらゆる角度から像の内部を透視し、立体画像で原型を復元。その結果、もともとは細く厳しい表情だったことが判明した。
......
見る者を魅了する憂いを含んだ少年のような表情が、制作者らの意図で当初の計画から変更されたのか、あるいは制作過程で自然にできあがったのかは不明だが、仕上げは木の粉と漆をペースト状に混ぜた木屎漆(こくそうるし)で整えられたとみられる。
......(編集委員・中村俊介)>( asahi.com 2009.09.08 )
<見る者を魅了する憂いを含んだ少年のような表情が、制作者らの意図で当初の計画から変更されたのか、あるいは制作過程で自然にできあがったのかは不明>とあるが、その辺が興味の尽きない点であろう。
少なくとも、<原型>の顔つきのままであったならば、現在のこんな人気を博すことにはなっていなかったに違いなかろう。もっとも、この人気の根底には、 "阿修羅=戦闘" という本質的な認識がほとんど欠落していそうな点が気になるわけだが......。
"阿修羅のごとく" 闘わなければ何も達成することができないような現在、しかし、そうだとしてもその際の表情は "憂いとあどけなさ" でカモフラージュすべし......、とでも訴えかけているのであろうか。民主党さん、わかってますよね...... (2009.09.08)
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