今回の台風、関東地方はさほどでもなかったようだが、全国的にみるとやはり "あなどれない威力" を示したようだ。
以前にも書いたが、とにかく "地球温暖化" が顕在化して以降、自然現象の荒ぶれ方は尋常ではなくなった。いわば、程度の差というよりも "フェイズ" や "次元" の相違へと突入してしまったような感触を受ける。
こうなると "ディフェンス" 側は、従来の延長線上のスタンスでは防御し切れないのかもしれない。未知の "フェイズ" や "次元" での現象の現れ方をスタディして早急に防御策に組み込まなければならないようだ。少なくとも、 "高を括る" ことはできなくなったか。
"従来の延長線上" では奏功しなくなったという点では、被害を受けた方々の年齢層が気になったのがひとつだ。不幸にも死亡事故にまで至ってしまったケース3件ほどの人たちのその年齢がすべて五十代だったのには注目せざるを得なかった。
もちろん個別的な個々の理由があったのではあろうが、どこかに過去の台風はこんなふうではなかったとでもいう、 "経験からの読み違い" とでもいうものがありはしなかったか、と感じたのであった。
"高を括った" からだとまで失礼なことは言うべきではなかろうが、事故原因を考えると、過去には起こり得なかった、だから想定せずに行動した......、というような事情があったかに思える。今回の台風では、その強風が想定外に樹木を攻撃したようである。
今ひとつ、 "従来の延長線上" では考えられない事故といえば、 以下のような記事 が意表を衝いた。
<伊勢の夫婦岩、大しめ縄切れる 台風の荒波で
台風18号による荒波の影響を受け、三重県伊勢市二見町沿岸にある夫婦岩を結ぶ、二見興玉神社の大しめ縄5本がすべて切れた。
約10メートル離れた夫婦岩を、約35メートルのしめ縄5本で巻き付けるように結んでいた。9月5日にしめかえたばかりだったという。>( asahi.com 2009.10.08 )
この記事には、写真が添えられてある。荒波に立ちすくむ<夫婦岩>、 "縁が切れてしまった" <夫婦岩>の寒々しい姿が映し出されている。
"夫岩" にその切れた縄の名残がぶら下がり、それはまるで夫たちが会社などで "IDカード" を首からぶら下げているストラップのようにも見えたりするのが何とも哀れである......。
これは、今日の世相を抉り出す出来過ぎた絵図のように見えてならない。<縄>がちぎれた原因は、<夫婦岩>側にあるというよりも、 "グローバリゼーション" がかもし出した外海からの荒波以外ではないからだ。
もう少し言えば、 "従来の延長線上" の設え方で "大丈夫"、"安心" だと踏んだ環境全体こそが原因であったのかもしれない。
まあ、こんな "深読み" は禁物かもしれないが、それにしてもこの時代は油断ができない...... (2009.10.08)
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