オバマ米大統領への "ノーベル平和賞" 授与を、世界の大方の人々が歓迎している。<核なき世界>を世界中の人々がどれだけ望んでいるかの証しだと思われる。
だが、他方では実績がないにもかかわらず "期待" という観点に偏り過ぎている、という批判的な受けとめ方をする人々もいるようだ。
<反オバマ派が平和賞決定に批判 「足かせ」との指摘も
【ワシントン共同】オバマ米大統領へのノーベル平和賞授与が決まった9日、大統領との対決姿勢を強めている共和党や保守派からは早くも「何も成し遂げていないのに」と批判が噴出。アフガニスタン情勢やイラン、北朝鮮の核問題に対峙する米国の指導者として、軍事行動などの厳しい対応を迫られる際の足かせとなる可能性を指摘する声も出ている。
スティール共和党全国委員長は声明で、オバマ氏の「スターとしての力」が、平和や人権の分野で地道に努力し、実績を積み上げている人の存在をかすませてしまったと非難。 ......
保守派論客のラッシュ・リンボー氏はノーベル賞委員会が「自らに自爆テロを仕掛けてしまった」と述べ、賞の権威が下がったと主張。ブッシュ前大統領の副報道官を務めたフラット氏も、実績のない段階での授賞は「ノーベル賞委員会の意図を疑わせる」と語り、ブッシュ氏への批判が背後にあると不快感を示した......>(【共同通信】2009/10/10 )
だが、他方では実績がないにもかかわらず "期待" という観点に偏り過ぎている、という批判的な受けとめ方をする人々もいるようだ。
<反オバマ派が平和賞決定に批判 「足かせ」との指摘も
【ワシントン共同】オバマ米大統領へのノーベル平和賞授与が決まった9日、大統領との対決姿勢を強めている共和党や保守派からは早くも「何も成し遂げていないのに」と批判が噴出。アフガニスタン情勢やイラン、北朝鮮の核問題に対峙する米国の指導者として、軍事行動などの厳しい対応を迫られる際の足かせとなる可能性を指摘する声も出ている。
スティール共和党全国委員長は声明で、オバマ氏の「スターとしての力」が、平和や人権の分野で地道に努力し、実績を積み上げている人の存在をかすませてしまったと非難。 ......
保守派論客のラッシュ・リンボー氏はノーベル賞委員会が「自らに自爆テロを仕掛けてしまった」と述べ、賞の権威が下がったと主張。ブッシュ前大統領の副報道官を務めたフラット氏も、実績のない段階での授賞は「ノーベル賞委員会の意図を疑わせる」と語り、ブッシュ氏への批判が背後にあると不快感を示した......>(【共同通信】2009/10/10 )
確かに、今回の平和賞授与は、いわゆる "実績" や "業績" を評価したというよりも、核廃絶に向けた "期待" や "支援" という観点が濃厚であるかに見える。その点はオバマ大統領も認識している。
<オバマ大統領、ノーベル平和賞で声明 「賞は行動呼びかけたもの」
【ロンドン=岐部秀光】
......
受賞決定を受け、オバマ大統領は同日、ホワイトハウスで「賞は私の業績に与えられたものではない。21世紀の共通の課題に取り組むすべての国に行動するよう呼びかけたものとして受け入れる」との声明を読み上げた。核廃絶だけでなく、気候変動対策などにも取り組む考えを示した。>( NIKKEI.NET 2009.10.10 )
もし、 "ノーベル平和賞" の対象が、文字通り "核兵器廃絶" 成就ということだと仮定するならば、ひょっとしたら "授与の機会" さえ永遠に失われてしまうのではないか......、というような深刻な "危機感" が、ノーベル賞委員会にも、そして世界中に浸透しているからこそ、今回のような "快挙" が行われたのだと考えてみたい。
つまり、それほどまでに現時点での世界は "核問題" で切迫し余裕を無くしている状態だと言ってよいのだろう。
そして、こんな時期にオバマ大統領を除いては、二度と "核兵器廃絶" 宣言なぞを掲げるリーダーも現れて来ないのではないか、とするそんな悲観の中で、オバマ大統領の登場に一縷(いちる)の光明を見出し、託したからといって、一体何が不都合なのであろう。
人類滅亡という危機と表裏一体化した核兵器の存在を背景にする "リアルポリティックス" (現実主義政治)と、ややもすれば見くびられがちな "理想主義" との、その対峙、対決が今始まろうとしている...... (2009.10.10)
<オバマ大統領、ノーベル平和賞で声明 「賞は行動呼びかけたもの」
【ロンドン=岐部秀光】
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受賞決定を受け、オバマ大統領は同日、ホワイトハウスで「賞は私の業績に与えられたものではない。21世紀の共通の課題に取り組むすべての国に行動するよう呼びかけたものとして受け入れる」との声明を読み上げた。核廃絶だけでなく、気候変動対策などにも取り組む考えを示した。>( NIKKEI.NET 2009.10.10 )
もし、 "ノーベル平和賞" の対象が、文字通り "核兵器廃絶" 成就ということだと仮定するならば、ひょっとしたら "授与の機会" さえ永遠に失われてしまうのではないか......、というような深刻な "危機感" が、ノーベル賞委員会にも、そして世界中に浸透しているからこそ、今回のような "快挙" が行われたのだと考えてみたい。
つまり、それほどまでに現時点での世界は "核問題" で切迫し余裕を無くしている状態だと言ってよいのだろう。
そして、こんな時期にオバマ大統領を除いては、二度と "核兵器廃絶" 宣言なぞを掲げるリーダーも現れて来ないのではないか、とするそんな悲観の中で、オバマ大統領の登場に一縷(いちる)の光明を見出し、託したからといって、一体何が不都合なのであろう。
人類滅亡という危機と表裏一体化した核兵器の存在を背景にする "リアルポリティックス" (現実主義政治)と、ややもすれば見くびられがちな "理想主義" との、その対峙、対決が今始まろうとしている...... (2009.10.10)
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