懐かしい味が "しっぺ返し" に及ぶとは ......

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「千歳飴でも噛んだんですか?」
「いや、ガムなどをちょっとね」
と、 "言い逃れ" をしたものの、 "千歳飴" とはズバリご明察であった。まあ、その時期ではないのでそのもの自体ではなかったが、 "千歳飴" としても販売されている "ミルキー" だったのだ。

 先日、スーパーの菓子売り場をうろついていた時、あの "ペコちゃん" の屈託のない顔がプリントされた "ミルキー" の飴袋が何故だか眼に入った。
 懐かしいなぁ。これって、確か一個一個が "蝋紙(ろうがみ)" (この表現は未だ死語にはなっていないのかな?)で捻って包まれているアレなんだろうな。味は至極シンプルなミルクっぽい甘さのアレなんだ......。と、そんなことを思い出したりしていたら、いつの間にか右手はそれをカゴの中に放り込んでいたのである。
 そのアレを、大人しく舐めている分には問題ないものの、いざ噛みはじめたりすると、やたらに歯にまつわりつき、自分のような "治療歯" には至って禁物であることなぞはどこ吹く風で忘れていた、その時には......。
 何となく、デスクワークに気乗りがしない午後、ふと書棚に放り込んでおいた "ミルキー" の飴袋のことを思い起こした。袋の封を切ると、何十個もの "捻り包まれた飴" がぎゅうぎゅうに詰まっている。
 その "蝋紙" を剥がし、丸っこい白い飴を口に放り込む。口の中で転がしていると、じわーっと甘いミルク味が広がった。そうそう、これだこれだ......。何だか、子どもの頃の屈託のない気分、 "ペコちゃん" の顔のような気分が訪れてきたのだった。
 本のページに眼をやりながら、いつしか二個目の "蝋紙" を剥がし、そして三個目......。とその時、しまったぁ! と気づいたが、もう遅かった。
 いつの間にか、大人しく舐めているどころか、 "コノッ、コノッ" という調子で噛みはじめていたのだった。そして、まるで、泥濘(ぬかるみ)に嵌った長靴の足を抜くような調子で噛み上げた歯と歯の間に、ゴリッという小さな異物を感じる羽目となったのである。
 それは、右上の歯に詰めていた金属の小片だった。年に一回ほどは外れる経験をしていたのですぐにそれとわからないはずがなかった。と同時に、こうした "粘着強度" の手ごわいものを噛むと、こうなっちゃうということをも、バカの後知恵的に情けなく思い起こすのだった......。

「お子さんは、飴などは、大体大人しく舐めているようですけど、どういうわけか大人の方は激しく噛んだりするんですよね」
「......」(ガムだって言ったのに聞いてないの! 信じないの?!)
「えーっと、カルテを見ると......、これで3回目ですね。大体7、8ヶ月おきに外れてますね」
「......」(それは、わたしだけの責任じゃないんじゃない? でも、 "千歳飴" の話を聞くのがはじめてじゃないから、痛み分けってことかなぁ......)
「念のため、今日は、 "千歳飴" などを口にしないようにしてください」
「ハイ」
...... (2009.10.14)












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