現状の世界への希望が覗ける、そんな "切り口" を緊急に探し出すこと ......

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  "老い" に "哀れさ" なんぞが微塵もないことを、一匹の飼い猫、 "クロ" が教える。
  "クロ" はもう十数歳を超えるのではないかと思う。確かに、身体の "老い" は隠せなくなった。体力や運動神経での、ムリはもはやしないと悟っているかのようである。
 しかし、その分、長い人生経験(?)で培った "知恵" とでもいうものを存分に発揮しようとしているし、そうしている。また、その "読み" がなかなかのものであるため、ふむふむ、なるほど......、と感心させられる。
 だから、 "老い猫" の "哀れさ" という通念なぞはさらりと払拭し、人間さまもこうあるべし、とでも教えているかのように見えたりする。 "老い" によってやむなしと見定めたことについては、 "年寄りの冷や水" と揶揄されるまでもなく自重しつつ、 "歳の功" ともいえる領域においてしっかりと対処して、忍び寄るハンディを埋めて余りある、そんな動きをとっている。そうした "知恵" を生かした生きざまが見事だと思えるのだ。
 老いた "自由猫" (=野良猫)である "クロ" の "見事さ" とは、詰まるところ自然な生きざまの蓄積なのだとでも言えそうな気がしている。
 自由に生きる分、緊張や警戒の姿勢は欠かせない。現に、最近は獰猛なオス猫が徘徊して来て、わが家の外猫たちを脅かし、いたぶっている。そんなことでそれに向けた彼らの警戒姿勢は気を許さないものとなり、それは見ていてもよくわかる。特に、 "クロ" の子である臆病な "ミー" などはどぎまぎとうろたえ続けているありさまだ。
 しかし、 "クロ" も確かに怯え、警戒心を倍化させてはいるが、うろたえてはいない。よくいるならず者なのよ、対処法を間違えなければどーってことないの......、とでも聞こえてくるような振る舞い方なのだ。
 そのならず者が到来すると、とにかく、大袈裟とも思えるほどにギャーギャーと大声で鳴く。すると相手も驚くし、近所の住人も窓を開けたりして注目する。と、ならず者はその立場上その場を離れざるを得ないという寸法になるのである。波乱含みの経験から着実に知恵を獲得し、それをムダなく活かしているかのようである。

 また、昨今は弱り始めた足腰をかばうことを心得はじめたかのようである。わが家の庭に入るのに、ちょいと以前までは門柱といわず、フェンスといわずホイホイと跳び上がり駆け巡っていたものだが、そうしたアクションはこの頃抑制されている。
 門扉の前で座り込み、われわれが開けてやるのをじっくりと待つようになったのだ。そうして待たれると、どうぞ! と言って開けざるを得ないのが人情であろう。そんなことをも "お見通し" であるかのような気配が "見事" なわけなのだ。
 さらに、大事なこと(餌がもらえること)についての状況認識もさすがなのである。
 先日も書いたが、 "ミー" は、なりふり構わず "陳情" に及ぶ。お白州の罪人まがいの格好であろうがどうであろうが、餌がもらえるなら何でもやる! といった調子だ。
 ところが、さすが "クロ" は "読みが深い" 。 "ミー" が鳴いて家人にねだり、玄関先が賑わう時、その時が "餌" のもらえる時だと認識しているようで、その時にほぼ確実に帰って来るのだから大したものである。
 しかも、よく観察してみると、昨今ではそうした "玄関先の賑わい" を見過ごさないようにとばかりに、玄関先が見通せる "見張り宿" のような場所で寝っ転がっていたりする。それはお隣の家のクルマの屋根だったりすることが多い。こちらが、玄関ドアを開けて表に出ると、寝っ転がりながらも、クリッとした両の眼だけは注意深くこちらに向けているのだ......。

  "クロ" が、与えたキャッツ・フードをポリポリコリコリと音を立てて食う様子を見るのは、自分にとってひとつの重要な "安心材料" となっているかのようである。老いた野良猫が元気な印だということはもちろんそうなのだが、それ以上に、 "ここに変わらぬ自然の、命の、その原理が現存する!" と、まるで鼓舞されているからなのかもしれない。
 自ら命を閉じざるを得ないこともまま起きてしまっている人の世の "哀れさ" 、それに眼を背けられなくなっている現在、人は、揺るぎない何かを緊急に見出さなければならない。その発見のために、現状の世界への希望が覗ける、そんな "切り口" を緊急に探し出すこと...... (2009.10.19)












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