昨日の寒さとは打って変わって今日は寒さがない。陽射しもあるし、正午頃の気温は20度を超えて、湿度も80%を上回っている。北側に低気圧が配置して、南風が吹いているための天候なのであろう。悪くはない感触の天候だ。
庭では、山茶花がそろそろ開花を一斉に始めて、見応えのある光景を作り出している。その紅色に咲いた山茶花の花々の向こう、やや距離を置いた背景には、橙色のいかにも重そうな実を付けたお隣の庭の柿木が覗いて見える。ほかにも、赤い実の房を付けた南天や、黄色い実の穂を慎ましやかに付けた千両といった庭木が眼を惹く。
秋深まるこの時期、まだ庭木は緑を多々残してはいるものの、概して殺風景となりがちな光景に、そうした色づいた花や実の出現というのはうれしいものである。
ふと今気づかされたが、これこそ殺風景な姿、下半分はまるで電柱のようになってしまったような梨木の幹に、黄緑色の新芽の若葉が吹き出していた。グレーの電柱にイナゴかなんぞが留まっているかのような不思議な光景だ。
可愛そうにこの梨木には手入れが行き届かず、数メートルの高さまで伸び放題にさせた後、大胆な剪定をしてしまったため、木の下半分にはまるで枝がなくてまさに電柱さながらの格好となっていたのである。
そんな "電柱" 部分に、ひょっとしたら手頃な枝へと育っていくのかもしれない新芽の若葉が現れただけに、ほおー、やるもんだな......、と思わざるを得なかった。
庭では、山茶花がそろそろ開花を一斉に始めて、見応えのある光景を作り出している。その紅色に咲いた山茶花の花々の向こう、やや距離を置いた背景には、橙色のいかにも重そうな実を付けたお隣の庭の柿木が覗いて見える。ほかにも、赤い実の房を付けた南天や、黄色い実の穂を慎ましやかに付けた千両といった庭木が眼を惹く。
秋深まるこの時期、まだ庭木は緑を多々残してはいるものの、概して殺風景となりがちな光景に、そうした色づいた花や実の出現というのはうれしいものである。
ふと今気づかされたが、これこそ殺風景な姿、下半分はまるで電柱のようになってしまったような梨木の幹に、黄緑色の新芽の若葉が吹き出していた。グレーの電柱にイナゴかなんぞが留まっているかのような不思議な光景だ。
可愛そうにこの梨木には手入れが行き届かず、数メートルの高さまで伸び放題にさせた後、大胆な剪定をしてしまったため、木の下半分にはまるで枝がなくてまさに電柱さながらの格好となっていたのである。
そんな "電柱" 部分に、ひょっとしたら手頃な枝へと育っていくのかもしれない新芽の若葉が現れただけに、ほおー、やるもんだな......、と思わざるを得なかった。
次第に秋が深まり、やがて冷え冷えとする冬へと向かうこんな季節ではあっても、植物たちの生命の営みは "ちゃんとちゃんと" 推し進められているわけだ。
こうした自然界の、地味ではあっても "抜かりなく" 継続・持続する生命の営みを眼にすると、忘れつつある何かが呼び覚まされるかのような気分となったりする。
しかし、こうした気づきも、庭木といった自然に身近に接するシチュエーションがないならば得られなかったに違いない。
この点と関連して、昨今一部の人々の関心を集めている "里山" (人里近くにあって人々の生活と結びついた山、森林のこと)の存在意義がにわかに思い起こされる。
やはり、自然に棹差す存在である人間たちにとって、自然の原初的な営みをビジュアルに、そして継続して体感的に伝えてくれる空間、 "里山" のような存在は必須なのではなかろうか。
コンクリートやアスファルトが凌駕して、その上自然が排除されてしまう環境は、オールド世代の者たちを寂しくさせるだけではなく、若い世代や子どもたちの世代にとっても、人間が生きる上において貴重で不可欠な何かを "パスさせてしまう" という、とんでもない愚を犯しているのではなかろうか...... (2009.11.14)
こうした自然界の、地味ではあっても "抜かりなく" 継続・持続する生命の営みを眼にすると、忘れつつある何かが呼び覚まされるかのような気分となったりする。
しかし、こうした気づきも、庭木といった自然に身近に接するシチュエーションがないならば得られなかったに違いない。
この点と関連して、昨今一部の人々の関心を集めている "里山" (人里近くにあって人々の生活と結びついた山、森林のこと)の存在意義がにわかに思い起こされる。
やはり、自然に棹差す存在である人間たちにとって、自然の原初的な営みをビジュアルに、そして継続して体感的に伝えてくれる空間、 "里山" のような存在は必須なのではなかろうか。
コンクリートやアスファルトが凌駕して、その上自然が排除されてしまう環境は、オールド世代の者たちを寂しくさせるだけではなく、若い世代や子どもたちの世代にとっても、人間が生きる上において貴重で不可欠な何かを "パスさせてしまう" という、とんでもない愚を犯しているのではなかろうか...... (2009.11.14)
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