自然に棹差す存在である人間たちにとっての "里山" の意義 ......

| | コメント(0) | トラックバック(0)
 昨日の寒さとは打って変わって今日は寒さがない。陽射しもあるし、正午頃の気温は20度を超えて、湿度も80%を上回っている。北側に低気圧が配置して、南風が吹いているための天候なのであろう。悪くはない感触の天候だ。
 庭では、山茶花がそろそろ開花を一斉に始めて、見応えのある光景を作り出している。その紅色に咲いた山茶花の花々の向こう、やや距離を置いた背景には、橙色のいかにも重そうな実を付けたお隣の庭の柿木が覗いて見える。ほかにも、赤い実の房を付けた南天や、黄色い実の穂を慎ましやかに付けた千両といった庭木が眼を惹く。
 秋深まるこの時期、まだ庭木は緑を多々残してはいるものの、概して殺風景となりがちな光景に、そうした色づいた花や実の出現というのはうれしいものである。

 ふと今気づかされたが、これこそ殺風景な姿、下半分はまるで電柱のようになってしまったような梨木の幹に、黄緑色の新芽の若葉が吹き出していた。グレーの電柱にイナゴかなんぞが留まっているかのような不思議な光景だ。
 可愛そうにこの梨木には手入れが行き届かず、数メートルの高さまで伸び放題にさせた後、大胆な剪定をしてしまったため、木の下半分にはまるで枝がなくてまさに電柱さながらの格好となっていたのである。
 そんな "電柱" 部分に、ひょっとしたら手頃な枝へと育っていくのかもしれない新芽の若葉が現れただけに、ほおー、やるもんだな......、と思わざるを得なかった。
 次第に秋が深まり、やがて冷え冷えとする冬へと向かうこんな季節ではあっても、植物たちの生命の営みは "ちゃんとちゃんと" 推し進められているわけだ。
 こうした自然界の、地味ではあっても "抜かりなく" 継続・持続する生命の営みを眼にすると、忘れつつある何かが呼び覚まされるかのような気分となったりする。
 しかし、こうした気づきも、庭木といった自然に身近に接するシチュエーションがないならば得られなかったに違いない。

 この点と関連して、昨今一部の人々の関心を集めている "里山" (人里近くにあって人々の生活と結びついた山、森林のこと)の存在意義がにわかに思い起こされる。
 やはり、自然に棹差す存在である人間たちにとって、自然の原初的な営みをビジュアルに、そして継続して体感的に伝えてくれる空間、 "里山" のような存在は必須なのではなかろうか。
 コンクリートやアスファルトが凌駕して、その上自然が排除されてしまう環境は、オールド世代の者たちを寂しくさせるだけではなく、若い世代や子どもたちの世代にとっても、人間が生きる上において貴重で不可欠な何かを "パスさせてしまう" という、とんでもない愚を犯しているのではなかろうか...... (2009.11.14)












【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 自然に棹差す存在である人間たちにとっての "里山" の意義 ......

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://adhocrat.net/mt/mt-tb.cgi/946

コメントする

2020年11月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          














関連サイトへのリンク


  • 電子書籍(eBooks)制作にフォーカスしたサイト
  • 明けない夜はないことを確信するサイト
  • Green(地球環境改善)にフォーカスしたサイト
  • ソフトウェア技術者やSEのための評価と育成、人事考課制度を考えるサイト
  • さまざまな業種・業態でご利用可能なモバイル活用の予約システム!
  • 創作小説『海念と保兵衛』のサイト
  • 創作小説『かもめたちの行方』のサイト
  • 当ブログ推奨の商品を展示したAmazon ストアー!
  • 当AdhocBlogブログの過去のエントリー
  • 株式会社アドホクラット当時のサイト

★売れ筋! No.1!
家庭用"放射線測定器"

日本通信 bモバイルWiFi ルータ+1 ヶ月定額SIM BM-U300W-1M
価格:¥ 20,208
国内配送料無料 Amazon





このブログ記事について

このページは、yasuo hiroseが2009年11月14日 14:08に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は、
 「 "瞬間湯沸し的なビジョン" から人々の心を "鼓舞する" ようなビジョンへ ......
です。

次のブログ記事は、
 「ペットへの<情の注ぎやすさ>と、同胞への "情の注ぎ方" ? ......
です。

最近のコンテンツは、
 インデックスページ
で見られます。

過去に書かれたものは、
 アーカイブのページ
で見られます。

年月別アーカイブ

最近のトラックバック