安いものを買えば "デフレ" が深まるのかもと懸念しつつも、久々に "１００円ショップ" に立ち寄った。自分が使う、あればあったに越したことはないというようなものが念頭にあったので、 "１００円ショップ" で買えばいいかと思ったわけだ。
相変わらずの大繁盛ぶりであった。昨今は客層が多様になったかのような気がした。老いも若きも、おばちゃんも子供も実にさまざまな人たちが立ち寄っている。
特に目につくのは、子供連れの親子である。親は親で何か探し物をしているようでキョロキョロとしており、その間、子供は子供で目につく多彩なものを手当たり次第手にしている。こうしたショップでは、親も子供に注意する必要を感じないのであろう。仮に粗相があったとしても大事にはならないはずだからだ。だから子供ものびのびと商品をいじり回し、思いっ切り好奇心を満たしている様子である。
考えてみると、こうした大しておカネの掛からない "安心できる" 空間というのは意外と少ないのかもしれないな、と思った。
確かに、 "デフレ" 傾向はあらゆる商品の価格を押し下げてはいる。しかし、それに伴って庶民の "懐具合" もますます心もとなくなっているに違いない。さして事情は変わらないわけだ。
相変わらずの大繁盛ぶりであった。昨今は客層が多様になったかのような気がした。老いも若きも、おばちゃんも子供も実にさまざまな人たちが立ち寄っている。
特に目につくのは、子供連れの親子である。親は親で何か探し物をしているようでキョロキョロとしており、その間、子供は子供で目につく多彩なものを手当たり次第手にしている。こうしたショップでは、親も子供に注意する必要を感じないのであろう。仮に粗相があったとしても大事にはならないはずだからだ。だから子供ものびのびと商品をいじり回し、思いっ切り好奇心を満たしている様子である。
考えてみると、こうした大しておカネの掛からない "安心できる" 空間というのは意外と少ないのかもしれないな、と思った。
確かに、 "デフレ" 傾向はあらゆる商品の価格を押し下げてはいる。しかし、それに伴って庶民の "懐具合" もますます心もとなくなっているに違いない。さして事情は変わらないわけだ。
それに、消費というか、モノを買うというショッピングは、必要なモノを入手するという目的だけで為されるものでもなかろう。ウインドウ・ショッピングという言葉があるくらいで、ひとつの "気晴らしのアクション" でもあるはずだ。その "気晴らし" の中には、自身が "社会" といえば大袈裟かもしれないが、外の人々との関係に接触するという意味合いも含まれているのかもしれない。自宅の閉ざされた空間で接触するものが、味気ないＴＶ画面からの映像だけだとしたならば、当然のごとく "気晴らし" の片鱗なりとも欲しくなるだろう。それは、幼い子どもたちにしたって同じことだ。
昔は、 "自宅の閉ざされた空間" なんぞはむしろ存在せず、自宅の閉ざされたかに見える空間は物理的な壁を越えて隣近所へとつながっていたようだった。
また、ちょいと足を伸ばせば、近所の商店街（現在の "シャッター通り" ）は "一大社交場" の役割を果たしていたのではなかったかと思う。主婦たちにしても、買い物に行って仕入れてくるものは、日用品のみならず "昨今の近所の情報（噂話）" だったのではなかったか。
さらに、子どもたちにしても近所の "ボーダレス" な空間に育まれ、薄暮となるまで退屈をすることがなかったような記憶がある。 "空き地" もあれば、年齢の差を超えた悪童仲間もあった。日々十分過ぎるほどの刺激が降り注いでいた......。
それでも足りぬとばかりに、備わっていた当時の夜の "番外的事情" は、 "銭湯" という "社交場" であったかもしれない。これは大人も子どもたちにとっても同じことであったかもしれない。
こうして、昔の地域社会には、お定まりの日常生活の随所随所に "気晴らし" が満遍なく織り込まれていたように思い起こすわけである。
そうした時代の、今思えば "毎日がお祭り" （やや大袈裟か？）のような日々にあって、 "気晴らし" が欲しいというような切実感はさほどなかった気がしている。
それに対して現状の人々の日常生活は、あまりにも "孤立的かつ閉塞的" だと感じざるを得ない。 "快適なマイホーム" 路線の個人主義的日常生活は、それはそれで価値あるものには違いないが、どこか "味気なく寂しい" ものでもある。
そして、どうしても "気晴らし" というような時間と空間を欲するようになる。それでも "懐具合" が "健全" であるならば、いろいろな構想も選択もあり得るのだろう。だが、そうではなくなってしまうとにわかにやりようがなくなり、 "１００円ショップ" 辺りに人が集まる、ということになるのだろうか。結構、寂しい話ではある...... (2009.11.28）
昔は、 "自宅の閉ざされた空間" なんぞはむしろ存在せず、自宅の閉ざされたかに見える空間は物理的な壁を越えて隣近所へとつながっていたようだった。
また、ちょいと足を伸ばせば、近所の商店街（現在の "シャッター通り" ）は "一大社交場" の役割を果たしていたのではなかったかと思う。主婦たちにしても、買い物に行って仕入れてくるものは、日用品のみならず "昨今の近所の情報（噂話）" だったのではなかったか。
さらに、子どもたちにしても近所の "ボーダレス" な空間に育まれ、薄暮となるまで退屈をすることがなかったような記憶がある。 "空き地" もあれば、年齢の差を超えた悪童仲間もあった。日々十分過ぎるほどの刺激が降り注いでいた......。
それでも足りぬとばかりに、備わっていた当時の夜の "番外的事情" は、 "銭湯" という "社交場" であったかもしれない。これは大人も子どもたちにとっても同じことであったかもしれない。
こうして、昔の地域社会には、お定まりの日常生活の随所随所に "気晴らし" が満遍なく織り込まれていたように思い起こすわけである。
そうした時代の、今思えば "毎日がお祭り" （やや大袈裟か？）のような日々にあって、 "気晴らし" が欲しいというような切実感はさほどなかった気がしている。
それに対して現状の人々の日常生活は、あまりにも "孤立的かつ閉塞的" だと感じざるを得ない。 "快適なマイホーム" 路線の個人主義的日常生活は、それはそれで価値あるものには違いないが、どこか "味気なく寂しい" ものでもある。
そして、どうしても "気晴らし" というような時間と空間を欲するようになる。それでも "懐具合" が "健全" であるならば、いろいろな構想も選択もあり得るのだろう。だが、そうではなくなってしまうとにわかにやりようがなくなり、 "１００円ショップ" 辺りに人が集まる、ということになるのだろうか。結構、寂しい話ではある...... (2009.11.28）
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