"体当たり" とか "噛みつく" という表現の語感は、妙に "懐かしい" ? ......

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  "体当たり" とか "噛みつく" とかという、デジタル社会以前の言葉が、ラジオのニュース番組から流れた。もちろん、デジタル社会のパーツ類で構成され尽くされている人間たちの所作ではない。街に紛れ込んだ野生の "イノシシ" の苦し紛れの仕業であった。
 新聞報道で調べてみると以下のような顛末であった。

<13日午前0時10分ごろ、和歌山市東蔵前丁の南海和歌山市駅前のロータリー付近で「イノシシに体当たりされた」と、男性(42)から119番通報があった。市消防局によると、この男性ともう一人の男性(51)の2人が足にけがを負い、病院に運ばれた。意識ははっきりしているという。
 市消防局によると、ロータリー付近と県道を挟んだ雑居ビル前で、2人が相次いで襲われたとみられる。近くで客待ちをしていたタクシー運転手(60)によると、通報した男性はイノシシに突撃され逃げたが、追いかけてくるイノシシに太ももの裏をかまれたという。イノシシは体長1メートル以上あったといい、そのままどこかへ去った。 >( asahi.com 2009.12.13 )

  "イノシシ" に襲われた被害者は、縁もゆかりもないそんな野生動物に攻撃されるとは大変不幸なことであったと同情する。
 ただ、 "不謹慎" 極まりない物言いであることはわかっているが、 "体当たり" とか "噛みつく" とかという表現に、何故だか奇妙な "親近感(?)" を感じ取ってしまったのである。いや、この "感性" は実にけしからぬものだとは思い、恐縮の至りではある。まさに "他人事" としているからそんな感じ方もするのであろう。まことに恥ずかしい次第である。
 だが、それでもやはり "体当たり" とか "噛みつく" という表現の語感は、妙に "懐かしい" ニュアンスを含んだものとして響いてきたりする。
 それも、日頃、形骸化した政治・経済用語やカタカナのデジタル用語を垂れ流しているニュース報道のアナウンサーの口から出た言葉となると、一瞬、聴覚をくすぐられるような "優しい響き" として耳に残ってしまうのだ。<突撃され逃げた>人の恐怖感や<太ももの裏をかまれた>人の痛みが想像できないわけでは毛頭ない。<体長1メートル以上あった> "イノシシ" というから、大型犬の持つ不気味さを超えた異様さであったに違いなかろう。
 しかし、それでもなお、 "体当たり" とか "噛みつく" という表現の語感は、 "超アナログ的" なもので、ややもすれば "許してしまう" ような感触を伴っている。
 この現代の社会にあって、 "噛みつく" というのは、もはやそんなことで騒がれるような野良犬もいなくなってしまったし、残るのは小さな子どもの喧嘩くらいであり、また "体当たり" ともなると、一頃の活発なデモもなくなってしまった昨今だから大相撲の光景でしか見ることもなくなった。どっちにしたって、その "闘争光景" は、言ってみれば "過激な人間関係" の範疇だと見なされるのが一般的だ。
 方や、この危険な現代には、刃物や銃に、猛スピードで走る凶器であるクルマ、そして冷たく人間を押し殺してはばからないデジタル諸環境、さらに言えば留まる気配のない戦乱での兵器による爆裂、爆発など、現代ならではの非人間的、非生命的な愚劣な事象が眼に余るわけだ。
  "不謹慎" 極まりない物言いではあるが、 "体当たり" とか "噛みつく" とかという "肉弾戦" 的な "闘争スタイル" の世界に、妙にノスタルジーさえ感じてしまうのである。愚かしいセンスとは知りながら...... (2009.12.13)












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