確か、 "佐藤栄作元首相" は、 "ノーベル平和賞" を受賞(1974年)していたはずである。どんな功績が表彰されたのかは、めっきり健忘症となった自分は失念してしまっている。同首相のことで記憶しているのは、あの有名なセリフ "テレビはどこだ、テレビはどこだ" であろうか。
さて、今年、2009年の同賞受賞者が、 "核廃絶" を世界に訴えている米国大統領バラク・オバマであったことは、つい最近のことであったこともあり記憶に新しい。
オバマ大統領のこの受賞に対しては、大いに評価して "核廃絶" への国際的機運を後押ししたいと望む者たちと、時期尚早なぞとシニカルに批判して、あわせて "核廃絶" への自身の態度のシニカルさを表明する者たちとに別れているようである。
ところで、核問題に関する日本での最新ニュースは、 "「日米核密約」疑惑問題" であろう。新内閣の岡田外相は「日米核密約」疑惑の徹底調査を命じ、「持たず、作らず、持ち込ませず」という "国是の非核三原則" に改めてスポットライトを当てている。
そんな中で、先ごろ当事者たる米国側がその "密約" の存在を肯定する文書を公開したことは周知の事実となっている。
こうした文脈において、下記のような報道がなされた。 "やはり、そうであったか" という思いが隠せない。
さて、今年、2009年の同賞受賞者が、 "核廃絶" を世界に訴えている米国大統領バラク・オバマであったことは、つい最近のことであったこともあり記憶に新しい。
オバマ大統領のこの受賞に対しては、大いに評価して "核廃絶" への国際的機運を後押ししたいと望む者たちと、時期尚早なぞとシニカルに批判して、あわせて "核廃絶" への自身の態度のシニカルさを表明する者たちとに別れているようである。
ところで、核問題に関する日本での最新ニュースは、 "「日米核密約」疑惑問題" であろう。新内閣の岡田外相は「日米核密約」疑惑の徹底調査を命じ、「持たず、作らず、持ち込ませず」という "国是の非核三原則" に改めてスポットライトを当てている。
そんな中で、先ごろ当事者たる米国側がその "密約" の存在を肯定する文書を公開したことは周知の事実となっている。
こうした文脈において、下記のような報道がなされた。 "やはり、そうであったか" という思いが隠せない。
<沖縄核密約文書を元首相遺族保管 有事の持ち込み容認
沖縄返還交渉中の1969年、当時の佐藤栄作首相がニクソン米大統領と交わした有事の際の沖縄への核持ち込みに関する密約文書を佐藤氏の遺族が保管していたことが22日、判明した。佐藤氏の次男佐藤信二元運輸相が明らかにした。
密約の文書そのものは未確認で外務省も存在を否定してきた。一連の密約を調べている外務省有識者委員会の調査結果に大きな影響を与えそうだ。
信二氏によると、文書は69年11月の日米首脳会談で極秘で交わされた「合意議事録」。沖縄返還にあたっては核兵器撤去と日米安全保障条約の適用を意味する「核抜き・本土並み」が条件とされていたが議事録では、日本や極東の有事の際に米側は「日本と事前協議を行った上で、核兵器を沖縄に再び持ち込むことと、沖縄を通過する権利が認められることが必要」と要請。日本側は「事前協議が行われた場合、遅滞なくこれらの必要を満たす」と応じ、「ホワイトハウスと首相官邸のみで保管し、極秘に取り扱う」と確認。
議事録には、佐藤、ニクソン両氏の直筆の署名があるという。文書は佐藤氏の妻寛子さんが死去した87年当時、東京・代沢の邸宅を整理した際に見つかり、遺族が保管していた。>( 2009.12.22 【共同通信】)
草葉の陰から佐藤元首相が、同じノーベル平和賞受賞者というよしみであるオバマと、ついでに日本国民に "告白" をしたと見るのは、いかにも御伽噺ふうの出来過ぎた話で誰も相手にはしないだろう。
もう少し意味ありげな勘ぐりはどうであろうか。つまり、沖縄の "米軍基地普天間移設問題" が紛糾している時期だからこそ、佐藤元首相は草葉の陰で、積年の "良心の呵責" に耐えかねて "告白" を促したのだ、と......。これもまた、そんなワケないでしょ、と一笑に付されそうではある。
やはり、もっともありそうな事情というのは、これまでにも盛んに吹聴されてきた日本人の "核アレルギー" 除去のためということではなかろうか。いわば、 "新型インフルエンザ" に対するのと同様に、 "ワクチン" 接種をすべし、というキャンペーンとも見える。
過去のことよりも、現在と未来がすべてだと見なしがちな米国にとって、今何はさておいても外すことができないのは、東アジア(北朝鮮、中国、台湾など)に向けた "米軍再編" という課題であるに違いなかろう。そして、その課題の "要" となるのが "沖縄米軍基地" である。
しかも、今や "核保有" を誇示する北朝鮮も加わった以上、沖縄米軍基地のその軍備から "核兵器" を隠蔽し続けておくのはあまりに "非現実的" だと考えるようになったのか......。
とはいえ、日本には "国是の非核三原則" がある。また、新政権における "普天間移設問題" への対応は遅々として進まない現状ともなっている。
米国は、東アジア向け "米軍再編" という課題を何としても貫徹させようとしている以上、この際、 "隠し子" たる "核" の、その "認知" ( "非核三原則" 自体の廃棄)をもついでに済ましてしまいたい! のだろうと推定したとしてもまんざらはずれてはいないと思われる。
そこで、その "地ならし" という文脈として、日本人の "核アレルギー" 除去のために "あえて既成事実を公表する" という戦術が採られているのだと分析されるわけだ。
米国による、東アジア向け "米軍再編" は、東アジアでの軍事的緊張を緩和させる役割を果たすのか、いや、むしろ、その緊張を "核兵器水準" の緊張へと増幅させることに加担するのかを、被爆国日本は沖縄の基地問題を通して真剣に考えてゆかなければならない...... (2009.12.23)
沖縄返還交渉中の1969年、当時の佐藤栄作首相がニクソン米大統領と交わした有事の際の沖縄への核持ち込みに関する密約文書を佐藤氏の遺族が保管していたことが22日、判明した。佐藤氏の次男佐藤信二元運輸相が明らかにした。
密約の文書そのものは未確認で外務省も存在を否定してきた。一連の密約を調べている外務省有識者委員会の調査結果に大きな影響を与えそうだ。
信二氏によると、文書は69年11月の日米首脳会談で極秘で交わされた「合意議事録」。沖縄返還にあたっては核兵器撤去と日米安全保障条約の適用を意味する「核抜き・本土並み」が条件とされていたが議事録では、日本や極東の有事の際に米側は「日本と事前協議を行った上で、核兵器を沖縄に再び持ち込むことと、沖縄を通過する権利が認められることが必要」と要請。日本側は「事前協議が行われた場合、遅滞なくこれらの必要を満たす」と応じ、「ホワイトハウスと首相官邸のみで保管し、極秘に取り扱う」と確認。
議事録には、佐藤、ニクソン両氏の直筆の署名があるという。文書は佐藤氏の妻寛子さんが死去した87年当時、東京・代沢の邸宅を整理した際に見つかり、遺族が保管していた。>( 2009.12.22 【共同通信】)
草葉の陰から佐藤元首相が、同じノーベル平和賞受賞者というよしみであるオバマと、ついでに日本国民に "告白" をしたと見るのは、いかにも御伽噺ふうの出来過ぎた話で誰も相手にはしないだろう。
もう少し意味ありげな勘ぐりはどうであろうか。つまり、沖縄の "米軍基地普天間移設問題" が紛糾している時期だからこそ、佐藤元首相は草葉の陰で、積年の "良心の呵責" に耐えかねて "告白" を促したのだ、と......。これもまた、そんなワケないでしょ、と一笑に付されそうではある。
やはり、もっともありそうな事情というのは、これまでにも盛んに吹聴されてきた日本人の "核アレルギー" 除去のためということではなかろうか。いわば、 "新型インフルエンザ" に対するのと同様に、 "ワクチン" 接種をすべし、というキャンペーンとも見える。
過去のことよりも、現在と未来がすべてだと見なしがちな米国にとって、今何はさておいても外すことができないのは、東アジア(北朝鮮、中国、台湾など)に向けた "米軍再編" という課題であるに違いなかろう。そして、その課題の "要" となるのが "沖縄米軍基地" である。
しかも、今や "核保有" を誇示する北朝鮮も加わった以上、沖縄米軍基地のその軍備から "核兵器" を隠蔽し続けておくのはあまりに "非現実的" だと考えるようになったのか......。
とはいえ、日本には "国是の非核三原則" がある。また、新政権における "普天間移設問題" への対応は遅々として進まない現状ともなっている。
米国は、東アジア向け "米軍再編" という課題を何としても貫徹させようとしている以上、この際、 "隠し子" たる "核" の、その "認知" ( "非核三原則" 自体の廃棄)をもついでに済ましてしまいたい! のだろうと推定したとしてもまんざらはずれてはいないと思われる。
そこで、その "地ならし" という文脈として、日本人の "核アレルギー" 除去のために "あえて既成事実を公表する" という戦術が採られているのだと分析されるわけだ。
米国による、東アジア向け "米軍再編" は、東アジアでの軍事的緊張を緩和させる役割を果たすのか、いや、むしろ、その緊張を "核兵器水準" の緊張へと増幅させることに加担するのかを、被爆国日本は沖縄の基地問題を通して真剣に考えてゆかなければならない...... (2009.12.23)
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