極寒の寒空の下に放り出されている "ホームレス" でないことの "偶有性" ......

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 こう冷え込んでくると、どういうわけか二つの対象が脳裏をよぎる。
 そのひとつは、 "ホームレス" の人たちのことであり、もうひとつは "ストリート・キャッツ(野良猫たち)" のことである。両者を同格に並べるのはいかにもマズイ。が、さぞかし寒かろうと想像するのがその二者なのだ。
 現に、自宅の外には、飼っている "外猫" が二匹いて、彼ら用の猫小屋には毎夕、湯たんぽを宛がっている。そうでもしてやらなければ凍え死にしかねないからだ。

 どうしてそんなことが脳裏をよぎるのか。ちょっと理屈っぽく言うならば、 "冷え込む寒さ" に遭遇するかしないかほど、 "紙一重" の違いはなさそうだと思うからだ。
  "たまたま" 、今現在の自分は、暖房の恩恵に浴する状況にあるが、そんな時に、凍える寒さに耐えている者たちが、同時並行的にいるわけだ。いや、何も深刻な情景を想像するまでもなく、外出時に、来るはずのバスがなかなか来ないで、寒いバス停でぶるぶると震えながら立ち往生するという不運を想定するだけで十分だ。
 つまり、 "往々にしてありがち" なことだということなのである。 "常に、必ず" 暖房の恩恵に浴し続けられる、と信じ込むことほど、逆に "非現実的" なことはないのではなかろうか、と。
 被災者たちを一月の極寒の寒空の下に放り出した、あの "阪神・淡路大震災" にしたところが、今や、類似規模の大震災の可能性は全国に遍在しているようだ。まして関東地方は他人事ではないはずである。
 加えて、自然災害のみならず、この不安定な経済状況が、人々を暖房の恩恵に浴し続けられる定住家屋から、 "ホームレス" 的悲惨さへと追い込む可能性もまた、あながち "限定的" だとは言い切れなくなっていそうである。 "年越し派遣村" のような存在を、自分とは無縁だと信じ込むことは、ある種 "非現実的" なことなのかもしれない。
  "他の状態でもありえるのに、たまたまその状態でもある" ということ、こうしたことを "偶有性" と呼ぶ。いわば、 "偶然" の域から "必然" の域へと変わって行く微妙な範疇の属性のことである。

<注> "偶有性" については、かつて "脳科学" への関心から当日誌でも書いた覚えがある。興味深い言葉だと思う。
「 "思い通りにならないこと" と、"他者" との "関係技術"  ......」(2008.06.22)
「『偶有性』を捨てて、赤子(希望)を流す ......」(2008.09.04)

 自分が、今の状態であり続けられるということ、たとえば、暖房の恩恵に浴し続けられるということ、これらは "たまたまその状態でもある" という意味で "偶有性" の出来事だと見なすのが理に叶っているのかもしれない。
 とすれば、別の "偶有性" の出来事でもある、極寒の寒空の下に放り出された状態を、自分とは無縁だと見なすのは、逆に "非現実的" ではないかと思うわけなのである。
 だから、臆病な自分なぞは、こうした冷え込む日々には、 "ホームレス" の人たちのこと、 "ストリート・キャッツ(野良猫たち)" のことなどを脳裏によぎらせるのかもしれない。決して、博愛心がどうのこうのではないのである。

 今日、たまたま、録画ビデオを整理していて、<「ひとりと一匹たち 多摩川 河川敷の物語」NHK ETV特集 2009.03.01 放送>をしみじみと観る機会を持った。
 多摩川河川敷で生きる "ホームレス" のおっちゃんたちと、彼らに寄り添って生きる捨て猫たちの偽りの無い生きざまが、上記のことを書くきっかけとなったようだ...... (2010.01.09)












【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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