マイカーは、ここいらで "廃車" してしまおうかとも考えていたが、優柔不断にも "車検" を更新してしまった。
さほどクルマを使うこともせず、車検費用や税金、そしてコスト高のガソリン代......と、クルマの維持費として馬鹿にならない額を負担することに抵抗を感じ始めていたのである。もちろん、CO2 の排出問題も念頭にあった。
政府の "事業仕分け" よろしくバッサリと切り捨ててもよかったが、今後の推移を想定した時、何かと "運搬" の必要性も残っている気配もあり、 "今回で最後" という思いを込めて手配をしてしまった。
さほどクルマを使うこともせず、車検費用や税金、そしてコスト高のガソリン代......と、クルマの維持費として馬鹿にならない額を負担することに抵抗を感じ始めていたのである。もちろん、CO2 の排出問題も念頭にあった。
政府の "事業仕分け" よろしくバッサリと切り捨ててもよかったが、今後の推移を想定した時、何かと "運搬" の必要性も残っている気配もあり、 "今回で最後" という思いを込めて手配をしてしまった。
いつもの自動車整備屋さんへ行くと、主(あるじ)はやはり "不景気" そうな顔つきをしていた。
「去年の後半は、仕事の依頼が途絶えてヒマでヒマで困っちゃった。今年に入ってようやく、ここしばらくは予定できるようなので一息ついてますけどね......」
と、情けない話をしていた。
この整備屋さんは、一頃は法人関連からの受注もあり羽振りの良かった時期もあったらしい。しかし、その法人客も、事業用のクルマをリースに替えたため依頼ががた減りとなったりして、今現在では個人客がほとんどとなったという。
そして、その個人客もめっきり減ってしまったというのである。自分のように、マイカーの "廃車" の選択を検討する者も増えたのであろうか。
それに、周知の事実だが、若い世代の "クルマ離れ" 現象も重なっていよう。クルマの販売台数自体が減少し始めている時代では、そのクルマの整備業もジリ貧状態のようである。
そこへ出向くと、いろいろと世間話をすることになる。
「ハイブリッドカーが人気を集めているようだけど、そうしたクルマの整備はどんなもんなんでしょうね」
と、自分は尋ねてみた。
「使用電圧がこれまでの12ボルトから高圧になるということで、勉強すればやれないことはないけど、大体、整備作業は "ディーラー" が受けるみたいね。」
と、主(あるじ)は、あまり新しい動きに期待していないようであった。
「電気自動車っていうのは、クルマ自体はCO2 を排出しなくても、バッテリーに充電する電気を作るためにほかのところでCO2 を発生させるんだから、大して変わらないんじゃないの......」
という感想も飛び出した。また、
「あの手のクルマは、どんな故障が出てくるのかわからないけど、やっぱり "バッテリー" のトラブルに尽きるのかな。それで、交換ということにでもなったら、一気に何十万円もの出費ということになるんで、それが大変なんじゃない......。だから、中古車を購入するのは考えもんかもしれないね......。」
というそんなアドバイスもしてくれたのだが、とにかく、時代が "電気自動車" へと移行して行く流れに対して、言いようのない "不満" が隠せないようであった。
そりゃそうなのだろうな、と思えた。ここしばらくの一連の環境変化で、何十年も継続してきた生業に "被害" を被った業種は決して少なくなさそうだからだ。
時代環境が大きく舵を切る時、その影響は至るところに波及する。そして、その波の伝わり方は決して一様ではない。短兵急に波及してみたり、または徐々に、あるいは忘れた頃に訪れる場合もありそうだ。
そう考えると、われわれがこの一年ほどに経験した "環境変化の荒波" というものは、ひょっとしたら "余震" 程度に位置するものであって、 "本震" ともいうべき揺れはまだまだ隠れて潜んでいるのであろうか。あまり悲観的になってもいけないが、逆に高を括って変化のスケールを見誤ってもいけない。相応の視野とパースペクティブとをもってじっくりと観察しなければならない、ということなのであろう...... (2010.01.22)
「去年の後半は、仕事の依頼が途絶えてヒマでヒマで困っちゃった。今年に入ってようやく、ここしばらくは予定できるようなので一息ついてますけどね......」
と、情けない話をしていた。
この整備屋さんは、一頃は法人関連からの受注もあり羽振りの良かった時期もあったらしい。しかし、その法人客も、事業用のクルマをリースに替えたため依頼ががた減りとなったりして、今現在では個人客がほとんどとなったという。
そして、その個人客もめっきり減ってしまったというのである。自分のように、マイカーの "廃車" の選択を検討する者も増えたのであろうか。
それに、周知の事実だが、若い世代の "クルマ離れ" 現象も重なっていよう。クルマの販売台数自体が減少し始めている時代では、そのクルマの整備業もジリ貧状態のようである。
そこへ出向くと、いろいろと世間話をすることになる。
「ハイブリッドカーが人気を集めているようだけど、そうしたクルマの整備はどんなもんなんでしょうね」
と、自分は尋ねてみた。
「使用電圧がこれまでの12ボルトから高圧になるということで、勉強すればやれないことはないけど、大体、整備作業は "ディーラー" が受けるみたいね。」
と、主(あるじ)は、あまり新しい動きに期待していないようであった。
「電気自動車っていうのは、クルマ自体はCO2 を排出しなくても、バッテリーに充電する電気を作るためにほかのところでCO2 を発生させるんだから、大して変わらないんじゃないの......」
という感想も飛び出した。また、
「あの手のクルマは、どんな故障が出てくるのかわからないけど、やっぱり "バッテリー" のトラブルに尽きるのかな。それで、交換ということにでもなったら、一気に何十万円もの出費ということになるんで、それが大変なんじゃない......。だから、中古車を購入するのは考えもんかもしれないね......。」
というそんなアドバイスもしてくれたのだが、とにかく、時代が "電気自動車" へと移行して行く流れに対して、言いようのない "不満" が隠せないようであった。
そりゃそうなのだろうな、と思えた。ここしばらくの一連の環境変化で、何十年も継続してきた生業に "被害" を被った業種は決して少なくなさそうだからだ。
時代環境が大きく舵を切る時、その影響は至るところに波及する。そして、その波の伝わり方は決して一様ではない。短兵急に波及してみたり、または徐々に、あるいは忘れた頃に訪れる場合もありそうだ。
そう考えると、われわれがこの一年ほどに経験した "環境変化の荒波" というものは、ひょっとしたら "余震" 程度に位置するものであって、 "本震" ともいうべき揺れはまだまだ隠れて潜んでいるのであろうか。あまり悲観的になってもいけないが、逆に高を括って変化のスケールを見誤ってもいけない。相応の視野とパースペクティブとをもってじっくりと観察しなければならない、ということなのであろう...... (2010.01.22)
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