世界経済の中で "中国" の躍進がめざましい。そして、それとは "光と影" のような格好で日本の動向が懸念されてもいる。
今日の "ロイター" 通信では、以下のような報道があった。
<中国GDP、年内に日本抜く可能性も─ゴールドマン=独紙>(jp.reuters.com 2010年 01月 25日)
<[フランクフルト 24日 ロイター] ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、ジム・オニール氏は、中国が2010年中に日本を抜いて世界第2位の経済大国になる可能性があるとの見方を示した。同氏の従来予想では、順位交代は2011年としていた。
同氏は24日付のドイツ紙ウェルト・アム・ゾンタークに対し「(2011年より)早くに順位が交代する可能性もある。早ければ今年半ばには交代するかもしれない」と語った。
また、中国経済は2020年までに3倍の規模に拡大するとの見通しを示した。>(同上サイト)
今日の "ロイター" 通信では、以下のような報道があった。
<中国GDP、年内に日本抜く可能性も─ゴールドマン=独紙>(jp.reuters.com 2010年 01月 25日)
<[フランクフルト 24日 ロイター] ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、ジム・オニール氏は、中国が2010年中に日本を抜いて世界第2位の経済大国になる可能性があるとの見方を示した。同氏の従来予想では、順位交代は2011年としていた。
同氏は24日付のドイツ紙ウェルト・アム・ゾンタークに対し「(2011年より)早くに順位が交代する可能性もある。早ければ今年半ばには交代するかもしれない」と語った。
また、中国経済は2020年までに3倍の規模に拡大するとの見通しを示した。>(同上サイト)
こうした推移は、かねてから予想されていたが "今年中" にもそれが現実化するとなると、変化の急激さに改めて驚かされる。
こんな情勢下で何をどう考えるのか、ということになる。ただ、日本の産業界は、もはや "世界第2位の経済大国" という点にしがみつくどころか、中国の繁栄の "ご相伴にあずかる" 戦術へと移行している気配がなくもなさそうだ。 "プライド" (?)にこだわるには、あまりにも両国の客観的条件の差が大き過ぎるからだろうか。
こんな状況推移の中、昨夜のTV番組「NHKスペシャル」/『メイド・イン・ジャパンの命運』は、日本経済の今後の課題について "具体性" を与えるものだったかと思えた。
番組紹介文が手際よく問題状況を伝えているので、先ずそのまま引用させてもらう。
<金融危機の影響がもっとも大きく出た日本。GDPはまもなく中国に抜かれ3位に転落するのは必至である。
こうした中、日本はグローバル経済の中で、何を作り、何で稼いでいくべきなのか。世界最強のブランドと言われた"メイド・イン・ジャパン"が、出口を求めて必死にもがいている。
いま日本の製造業が直面している世界の地殻変動、それは、猛スピードで技術が陳腐化し、製品の差別化が難しく、しかも製品の寿命が超短命に陥っていることだ。
メイド・イン・ジャパンの代名詞だったテレビ業界では、特にその傾向は顕著で、どんなに高度で精密な薄型テレビを作り出しても瞬く間に韓国台湾などアジア勢の猛追を受ける。少しでも安いモノをと考える消費者にとって、ライバルがある程度の技術力を持てば、日本製品の優位性は一気に崩れるのだ。
こうした中、いま一度日本国内工場の存在意義を問う、「生き残りをかけた実験」が始まっている。
東芝ではコストを度外視した超高機能テレビを作り技術力を極めようとする試みが佳境を迎えた。
JVCケンウッドでは、自社生産にこだわらず、技術を中国メーカーに譲って製品を作らせ、そのライセンス料を企業収入にしていこうという動きも見られる。
番組は、「日本は今後どうやって食べていくのか」、「日本人は何が得意なのか」と自問を繰り返す二つの電機メーカーの社運を賭けたプロジェクトに密着し、メイド・イン・ジャパンの未来を見つめていく。>(NHKオンラインサイトより)
<いま日本の製造業が直面している世界の地殻変動>が、 "猛スピードでの技術の陳腐化" 、"製品差別化の困難さ" 、"製品寿命の超短命化" という点に尽きることは、苦境のただ中に置かれた製造業がよく熟知するところだろう。
これらの点は、この十数年間、パソコン製造関連分野などでしのぎを削る企業競争過程で定着してきた現代的な大特徴だと言えそうだ。
番組でも、この "PC製造パターン" とでも言えそうな、製品の "心臓部技術" と周辺の "定番技術" との "アッセンブル" (組み合わせ)という方式が、PCのみならず、家電製品の代表格たる "(液晶)テレビ" 製造業界へと猛然として拡大して行った事情が注目されていた。
その事情そのものが、従来からの "モノ作り大国" 日本の "優位性" を根底から揺るがすものであったようなのだ。つまり、 "心臓部技術" のコアである "ソフトウェア" がクローズアップされる事情と、 "熟練技術" ではなくてただただ効率的であることが要求される "定番技術" の比重増大という事情、これらが、いわば "日本技術でなくてもいい" というさみしい環境を生み出したようなのである。
だからこそ、まるで "ジャパン・パッシング" のような辛い舞台に立って、<いま一度日本国内工場の存在意義を問う、「生き残りをかけた実験」>が行われざるを得ないというわけだ。
こうした中での "活路の模索" として、前記二社の試みが紹介されていたわけであるが、全産業を被い尽くしている "グローバリズム" 環境にあっては、製造業のみならず他の業界にもいずれは波及して行く課題状況なのであろう...... (2010.01.25)
こんな情勢下で何をどう考えるのか、ということになる。ただ、日本の産業界は、もはや "世界第2位の経済大国" という点にしがみつくどころか、中国の繁栄の "ご相伴にあずかる" 戦術へと移行している気配がなくもなさそうだ。 "プライド" (?)にこだわるには、あまりにも両国の客観的条件の差が大き過ぎるからだろうか。
こんな状況推移の中、昨夜のTV番組「NHKスペシャル」/『メイド・イン・ジャパンの命運』は、日本経済の今後の課題について "具体性" を与えるものだったかと思えた。
番組紹介文が手際よく問題状況を伝えているので、先ずそのまま引用させてもらう。
<金融危機の影響がもっとも大きく出た日本。GDPはまもなく中国に抜かれ3位に転落するのは必至である。
こうした中、日本はグローバル経済の中で、何を作り、何で稼いでいくべきなのか。世界最強のブランドと言われた"メイド・イン・ジャパン"が、出口を求めて必死にもがいている。
いま日本の製造業が直面している世界の地殻変動、それは、猛スピードで技術が陳腐化し、製品の差別化が難しく、しかも製品の寿命が超短命に陥っていることだ。
メイド・イン・ジャパンの代名詞だったテレビ業界では、特にその傾向は顕著で、どんなに高度で精密な薄型テレビを作り出しても瞬く間に韓国台湾などアジア勢の猛追を受ける。少しでも安いモノをと考える消費者にとって、ライバルがある程度の技術力を持てば、日本製品の優位性は一気に崩れるのだ。
こうした中、いま一度日本国内工場の存在意義を問う、「生き残りをかけた実験」が始まっている。
東芝ではコストを度外視した超高機能テレビを作り技術力を極めようとする試みが佳境を迎えた。
JVCケンウッドでは、自社生産にこだわらず、技術を中国メーカーに譲って製品を作らせ、そのライセンス料を企業収入にしていこうという動きも見られる。
番組は、「日本は今後どうやって食べていくのか」、「日本人は何が得意なのか」と自問を繰り返す二つの電機メーカーの社運を賭けたプロジェクトに密着し、メイド・イン・ジャパンの未来を見つめていく。>(NHKオンラインサイトより)
<いま日本の製造業が直面している世界の地殻変動>が、 "猛スピードでの技術の陳腐化" 、"製品差別化の困難さ" 、"製品寿命の超短命化" という点に尽きることは、苦境のただ中に置かれた製造業がよく熟知するところだろう。
これらの点は、この十数年間、パソコン製造関連分野などでしのぎを削る企業競争過程で定着してきた現代的な大特徴だと言えそうだ。
番組でも、この "PC製造パターン" とでも言えそうな、製品の "心臓部技術" と周辺の "定番技術" との "アッセンブル" (組み合わせ)という方式が、PCのみならず、家電製品の代表格たる "(液晶)テレビ" 製造業界へと猛然として拡大して行った事情が注目されていた。
その事情そのものが、従来からの "モノ作り大国" 日本の "優位性" を根底から揺るがすものであったようなのだ。つまり、 "心臓部技術" のコアである "ソフトウェア" がクローズアップされる事情と、 "熟練技術" ではなくてただただ効率的であることが要求される "定番技術" の比重増大という事情、これらが、いわば "日本技術でなくてもいい" というさみしい環境を生み出したようなのである。
だからこそ、まるで "ジャパン・パッシング" のような辛い舞台に立って、<いま一度日本国内工場の存在意義を問う、「生き残りをかけた実験」>が行われざるを得ないというわけだ。
こうした中での "活路の模索" として、前記二社の試みが紹介されていたわけであるが、全産業を被い尽くしている "グローバリズム" 環境にあっては、製造業のみならず他の業界にもいずれは波及して行く課題状況なのであろう...... (2010.01.25)
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