"リアルタイム性" を要求するのは "誰" なのかを問うてみること ......

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  "リアルタイム性" に関する "余談" をしようかと思う。
  "リアルタイム性" ( "同時性" )が重視される環境というのは、何を "犠牲" にすることに繋がるか、というようなどうでもいいような疑問なのである。
 ところで、据え置き型にせよケータイにせよ、電話というのは受け手側にとっては "突然" 呼び出される仕掛けとなっている。当てにしている電話を待つというケースは別であるが、一般的には、電話が掛かってくることは "突然" ということになり、誰であろうが、仮に営業の電話であろうが、とりあえず出なければならない。
 なおかつ、受け手側は、それまでやっていた事、考えていた事、いわば自身のその時間の流れを一時ストップして、発信側の用件に即応しなければならないわけだ。
 考えてみると、これはかなり "暴力的" なことではないかと感じている。たとえ、相手が付き合いの深い人であったとしても、他者の仕事、生活のただ中に "突然割り込む" というのは、個人生活尊重、プライバシー重視という現代にあってはいささか不釣合いであり、極論すれば "暴力的" だとさえ言えなくもないと......。
 小うるさいことを言っているようにも聞こえるかもしれないが、この電話というシステムが発揮する機能が、どこか "リアルタイム性" ( "同時性" )というものの "ある特徴" を雄弁に物語っているような気がするのだ。
 確かに、電話ほど便利なツールはない。もし、どんな用件にせよ、人と会って話しするとなるとアポイントを取ったり、何やかやと準備が必要となるところ、電話は単刀直入に用件の伝達に絞り込むことができる。だからビジネス・シチュエーションではこんなに便利なものはなかろう。
 しかし、受信側というより、人にはそれぞれ "固有の時間の流れ" がありそうだ。今どき、何らかのスケジュールめいたものを持たずに日々を暮らす人も少ないはずだ。また、人の生活には喜怒哀楽の感情の流れもつきものであろう。要するに、人、個々人には、その人固有の "時間の流れ" というべきものがあり、それは決して掻き乱されてよいものではないように思える。
 電話は、こうした "時間の流れ" に対して、 "リアルタイム性" に則って "物理的" に "割り込み" をかけるものだと言える。その点、メールは、その "無作法" さを改善して受信側の "開封" に任せる仕組みとなっている。しかし、 "リアルタイム性" という点での大きな違いはなさそうに思われる。

 何を言おうとしているのかというと、 "リアルタイム性" ( "同時性" )という事象は何の疑問もなく受け止めがちであるけれども、 "誰にとっての" それであるのかに注目すべきではなかろうか、と思うからなのである。
 ところで、ITジャンルには、<リアルタイムシステム>という概念がある。
<リアルタイムシステム(Real-time System)とは、使える資源(リソース)に限りがある状態で、ジョブの実行が命令された時、その処理を決められた時刻(デッドライン)までに終了することに着目した制御工学における概念の一つであり、「リアルタイム処理」とも呼ばれている。>(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
 つまり、そのサブシステムにおける "ジョブの実行" と、それを "時刻(デッドライン)までに終了する" ことを要求する(トータル)システムとの関係において、 "リアルタイム" という事柄が意味を持たされているわけである。
 サブシステムにおける "ジョブの実行" の流れが、(トータル)システムの命令に従うよう制御されるのが<リアルタイムシステム>の眼目だと見なせる。

 上記の電話の例ならば、受信側の "ジョブ遂行" の固有の流れを撹乱して "リアルタイム性" を要求しているのは、唐突な営業電話の "割り込み" なのだと意識できても、そもそも "リアルタイム性" 一般というものが、結局、 "誰かが要求している" ものだとまでは見えにくいものだ。
 そこで、 "頑固にも" 、個々人というサブ・システムの側の "固有の時間の流れ" を基点として、 "リアルタイム性" を要求しているのは一体誰なのか、に注目してみてもいいのではないかと思ったりするのである。
 奇妙な "余談" となってしまった...... (2010.01.28)












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