保育園児たちの "耐寒(?)歩行" に今朝も出会った。遊歩道をウォーキング中のことである。
行列を導く先頭の女性の先生が、「こんにちは~」と挨拶してくれたので、こちらも元気よく「こんにちは~」。すると、自分と行き交う後続の子どもたちが、バトン・リレーのように「こんにちは~」、「こんにちは~」と続いていくのであった。したがって、自分の方は延べ数回以上の挨拶を繰り返すこととなったものである。
まるで、首相か大臣の "閲兵式" まがいである。微笑ましく、可愛いかったので何も惜しむことはなかったが、何とも忙しい思いをした。
何の屈託もなく見える子どもたちも、それぞれが "特殊な環境と運命" の下に置かれているわけだ。親元ではわがまま放題にしているために、とかく集団生活での "拘束" を嫌がり、登園時にも "駄々をこねる" 子もいるのであろう。
かと思えば、 "嬉々として" 登園する子もいそうである。保育園では、友だちと一緒に遊べるのに加えて、自宅ではままならなかったかもしれない "おやつや給食" が "うれしい" という子もいないとは限らない......。
われわれの世代では小学校の頃、そんな "恵まれない子" もいたものである。何かの都合で給食が実施されずに "弁当持参" の際なぞ、そっと教室から抜け出して "ぽつねん" と校庭で暇つぶしをする子がいたりもした。まだまだ(戦後からの) "貧困" が色濃く "残存" していた時代の一光景であった......。
しかし、子どもたちにも今、新たな、現代の "貧困" が確実に影を落としている。
以下のような記事が、オリンピック速報の記事ばかりで埋め尽くす主要新聞とは対照的に目を引いた。
<「貧困に苦しむ子」増加 県内教員8割が実感 本誌アンケート>( 沖縄タイムス 2010.02.19 )
< 「保険証がなく治療せず、虫歯から万年片頭痛を訴える」「徴収金を払わず、遠足に行けない」「食事は給食だけ」。貧困に苦しむ子どもの姿が、教師の目を通して浮かび上がった。沖縄タイムスは小中学校の教員を対象に、1月から2月にかけて独自にアンケートを実施。県内各地の241人から回答を得た結果、家庭や経済状況が厳しい子が増えていると答えた教員が8割に上った。(安里真己、嘉数よしの)
......
「親の経済状況が子どもの成長に影響している」と答えたのは210人(回答者の87・1%)、「家庭、経済状況が厳しい子が増えた」とした教員は、200人(83・0%)になっている。この子どもたちのために、自分の金を使った教員は104人(43・2%)おり「年に数万円使った」と回答した教員もいた。
「給食費を払えない子どもはいるか」との問いには、152人(63・1%)が「いる」と回答。「病気やけがでも病院に行けない子どもがいる」とした教員も75人(31・1%)に上った。
育児放棄に関する項目も設け「夜子どもだけで過ごしている子がいるか」と質問したところ、135人(56%)が「いる」とした。
子どもの貧困の解決策として「給食費や学校で使うすべての費用を無料にしてほしい」との声が数多く上がった。>(同上)
現代という時代に "あってはならない!" この貧しさは、たぶん沖縄県だけに限られた話ではないのではなかろうか。ただ、われわれは、 "貧困ではない人々" を購読ターゲットとした主要新聞からは知らされることが少ないだけと言うべきか。
このひとつの現実だけでも、今の "ダメな日本" を、さらにズルズルと未来へ引き摺って行く、そんな予兆以外の何ものでもないと感じさせられる...... (2010.02.19)
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