「減」とか「減少」という漢字が、 "耳たこ" ならず "目だこ" (?)となりそうな昨今である。
今日も、 <09年の広告費初の2ケタ減、年間実績でネットが新聞上回る>( 2010.02.22 NIKKEI.NET ) とあった。
景気低迷で "広告費" が削られていることは周知であったが、かなりの低迷ぶりのようだ。
<電通は22日、2009年の国内広告費が前年比11.5%減の5兆9222億円になったと発表した。減少率が2ケタ台になるのは1955年の調査開始以来初。2年連続のマイナスとなる。調査開始以来初めてインターネット広告(96年分から集計開始)が新聞広告を上回った。新聞、雑誌、テレビ、ラジオの「マスコミ4媒体」は軒並み減り、全体では5年連続で前年実績を下回った。インターネット広告はプラスとなったものの、伸び率は大幅に縮小した。......インターネット広告は7069億円で1.2%増えたものの、伸び率は08年の16.3%から15.1ポイント縮小した。......>(同上)
海外需要に依存する "製造業" はいくらか回復の兆しを見せているようだが、国内需要に即した "サービス産業" が一向に上向かない。いわば、このジャンルは一般庶民に対して少なからぬ影響力を持つ領域だと思えるわけだが、 "広告" 業界の沈み込みはその実情を象徴しているかのようである。
通常、モノが売れない環境となれば、 "広告宣伝" への投資をしてでも売上を期待したいところなのであろう。しかし、現状は、その投資そのものの余裕もなければ、投資効果への期待にしても薄まってしまったということなのであろうか。何だか、事態の推移に対する諦め傾向というか、醒めた観測が支配的となっていそうだ。まさに、これが "デフレ" 不況の気味の悪い、色濃い影だとでも言うのであろうか。
そう言えば、近所のリサイクル・ショップで、「差し上げます。ご自由にどうぞ」という貼り紙がべたべたと貼られているのを目にした。さもありなん、という気がした。こうしたショップは、モノが速やかに "はけて" こその商売であろう。仮に、引き取り額がただ同然であったとしても、モノが "はけず" にいては、スペースだけが嵩張り、下手をすれば "処分費" の負担を背負うことにもなりかねない。「差し上げます。ご自由にどうぞ」と対処せざるを得ないのが十分に了解できる。
不況時には、リサイクル・ショップが流行ると聞いている人が少なくないはずだが、そのジャンルまでも "凹み加減" となっている気配なのだろうか。ここでも、一般商品の価格をどんどん引き下げている "デフレ" 傾向の強まりが、安さを売りとするリサイクル・ショップの存在価値をも引き下げているのであろう。
さぁて、こうなって来ると、いわゆる "安売り競争" 市場もいよいよ修羅場の域に突っ込み始めた観あり。売る側もさることながら、買う側にしても、 "巡り巡って来た不況色" 故に、安いモノとて買うを躊躇う金縛りか...... (2010.02.22)
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