複合 "レイヤー" 構造としての "普天間基地移設問題" / "利権" レイヤー etc. ......

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  "普天間基地移設問題" は、国民各位をイライラ、ハラハラさせながら "迷走" している。鳩山首相の "瞑想" ゆえならまだ救われもするが、文字通りの "迷走" であれば、ここは注視し続けなければならない。
  "迷走" をもたらしている原因はいくつもありそうだが、有り体に言って "複雑" だからであろう。そして、その "複雑" さは、構成要素(論点)が多いからという点もあるが、 "階層(=レイヤー)構造" のようなかたちで問題が構成されているから、という厄介な点に多くが起因しているようだ。
 各 "階層(レイヤー)" は、一応、独自なロジックで蠢き、そして時として他の "階層" の蠢きと連携してみたり、離反してみたりするようだ。また、 "平面構成" ではないがゆえに、報道などによって "スルー(黙殺)" される "階層(レイヤー)" があったとしても、そんなもんか、と思わされてしまうところが厄介なのだと言えそうだ。

 持って回った言い方をしているようだが、 "普天間基地移設問題" を構成している "階層(レイヤー)" と思しきものを、ざっと列記してみる。
 先ずは "基地" 問題なのであるから、◆軍事的戦略レイヤーがあり、◆国家間関係レイヤー、◆国内政治レイヤー、◆国民生活レイヤー、◆自然環境保護レイヤー、そしてここが隠されがちとなるのだが、◆政官業の利権構造レイヤー! があるということになりそうである。もうひとつ、やや整合性に欠けるかもしれないが、◆歴史的経過レイヤーを挙げることもできようか。
 これら各レイヤーのロジックが、時と場合によって "見え隠れ" しながら蠢いているために、問題は "複雑" さを呈しているのかもしれない。先ずは、そんな印象を持つのである。

 ところで、ここで "レイヤー" 構造なんぞとヘンな言い方をする理由は三つある。ひとつは "皮肉" なのだが、もう一つは、情報の "専門性・機密性の壁" であり、三つ目は、それを "隠れ蓑(みの)" にした "政官業の利権" 暗躍が注視されなければならないからである。
 要するに、 "次元を異にする" ほどに "ロジックの相違" があれば、それを "階層" と位置づけた方が理解しやすいだろうし、なおかつそれら相互間に "拘束関係" があると見えるならば、 "階層(レイヤー)" 構造とたとえてみるのがよりわかりやすそうだからなのである。

※ 以下は、 "更新" にて追加した部分です!

  "普天間基地移設問題" は、言うまでもなく "日米軍事同盟" としての "日米安全保障条約" におけるサブ・システム問題である。(◆軍事的戦略レイヤー、◆国家間関係レイヤーに相当)
 したがって、この "同盟" に関する両国間の認識に齟齬(そご)がなければ、現状ほどの混迷はなかったはずであろう。しかし、締結後50年となるこの "同盟" を巡る環境は、 "冷戦構造" 終結をはじめとして大きく様変わりして来た。それに日本側の政権交代も加わった。
 それでも、もし鳩山首相の持論であった「常駐なき安保」構想(「東アジア共同体構想」)が民主党の統一見解として実質的にアクティブであったなら、 "普天間基地移設問題" 問題はもっとシンプルなものとなっていたはずであろう。さらに、小沢幹事長による対中接近外交の動きも加わっている。しかし、これらは、 "同盟" に "新たな再定義" をもたらすものには至っていないかに見える。これらのレイヤーでの "曖昧さ" が、先ずは見過ごせないわけだ。
 しかも、米国側にも "同盟" それ自体や当該の "普天間基地" に関するスタンスの変化があったとも聞く。端折って言えば、米国は、中国の軍拡の脅威に備えた "対中国" 戦略の拠点を "グアム" へと "(全面)移転" する構えのようだ。 "内野" 守備から "外野" 守備への方針転換と言ったところか......。
 だから、2006年に日米が合意した、 "沖縄の海兵隊員8000人のグアム移転・普天間の新基地移設" というパッケージは、前者が本命だったのであり、後者は、いわば日本側の "思いやり予算" 的色彩を持つものではなかったのかと理解させられる。 "沖縄返還" 時での米軍基地整備コストを "思いやり予算" 的に賄った経緯を想起すれば決して想像に難くなかろう。

  "普天間基地" を、さも "◆軍事的戦略レイヤー" の観点からの必要性が "自明的" に出てくるかのような風潮は、もうちょっと "相対化" してよいのかもしれない。にもかかわらず、妙に "普天間基地" とその移設先の問題が、損なわれてはならない "生命線" のごとく扱われるのは一体どうしたことであろうか?
 きっと、これらの問題周辺を "死活の問題"、"生命線" だとも見なしている "利害"・"利権" 関係勢力が、いわば "空気支配" ! をしている......。
 もとより、◆軍事的戦略レイヤー、◆国家間関係レイヤー、そして◆国内政治レイヤーでのベクトルが "明瞭" であったならば、その時はその時で絡んでいたかもしれないが、◆政官業の利権構造レイヤー! の動きは最小限に食い止められたであろう。少なくとも、現状のように、このレイヤーの獰猛さに他のレイヤーが撹乱されるほどにはならなかったに違いない。◆政官業の利権構造レイヤー! の蠢きが "付け入る" 、その対象を残し過ぎていた結果が現状の "混迷" と "迷走" とを促しているという気配である。

  "普天間基地移設問題" から覗ける、 "東アジアの平和問題" の今後を、多少時間を掛けてでも検討すべきなのではなかろうか。その意味では、 "5月末という回答期限" をとりあえず棚上げにして、その代わりに "新たな日米関係" について国民的レイヤーでの議論を展開させるべきかと......。 "巧遅拙速" ほど、将来に禍根を残す選択はなさそうだ...... (2010.02.29)













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