"自分事" リストの上位に置くべき "癌罹患" !そして "メンタルケア" ! ......

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 先日、作家・劇作家の井上ひさしさん肺癌で亡くなられた。( 作家・劇作家の井上ひさしさん死去 「吉里吉里人」など
 日本語という言葉を極めて大事にした作家であったかと思う。その姿勢には自分も大いに注目し、手軽に読める文庫本の『井上ひさし作文教室』『文章読本』『井上ひさしの日本語相談』『にほん語観察ノート』『私案版 日本語文法』などは愛読してきた。
 もちろん、『ひょっこりひょうたん島』より始まった劇作家としての独自な明朗さにあふれた才にも敬服させられてきた。そして、社会的洞察力の鋭さも比類無きものであり、ユニークな著作『あてになる国のつくり方 フツー人の誇りと責任』には目を見張るものがあった。
 そんな同氏が、著作家としてはまだまだ今後に期待が寄せられる75歳という道半ばで、しかも "癌" で亡くなられたのは実に惜しい。

 メディアで名の知れた年配の方たちが、 "思いのほか" 多く、 "癌" に罹り、そして少なからず亡くなられている。が、 "癌" に罹る方は決してメディア界で忙しく過ごす人たちばかりではない。巷のごくフツーの人々も、やはりかなりの "高確率" で "罹患" されている。
 自分の身の回りにも、思い起こせばその数は片手の指がすべて折れるほどである。現時点でも、その動向が気になり気分が沈んでならない知人が二人いたりもする。その内のひとりは、 "手遅れ" という表現に近い宣告を受けたようであり、気の毒でならない。根が明るく活気ある人であるだけに、 "宣告後" も、尚も明るく振舞う姿によって胸を締め付けられる思いとなるのである。

 ちなみに、日本人の "癌罹患" 率は、良く知られているようにやはり高い。 "2人に1人" という高比率であり、死亡率の高さでも注意が喚起される。
<「男性、女性ともに、おおよそ2人に1人が一生のうちにがんと診断される(2003年の罹患・死亡データに基づく)。」 One in two Japanese males and in two Japanese females will be diagnosed with cancer during their lifetime(based on incidence and mortality data in 2003).
「男性ではおおよそ4人に1人、女性ではおおよそ6人にt1人ががんで死亡する(2007年の死亡データに基づく)。」 One in four Japanese males and one in six Japanese females will be die from cancer(based on mortality data in 2007).>( 「累積がん罹患・死亡リスク」
 つまり、もはや "癌" に罹るという事態は、決して "他人事" なぞではあり得ず、 "自分事" のリスト内でも、事が事だけにあだや疎かにできないポジションに引き上げざるを得ないと言うべきなのではなかろうか......。

 こう考えた時、もちろん "癌治療の医療技術" の発展がもっと加速されないものか、という思いが募る。と同時に、 "死と背中合わせ" の疾病である "癌" にあっては、それだけに "死と向き合う心" に対する "ケア(メンタルケア)" のその比重をもっともっと高める必要があると思えてならない。
 かつて "癌" の罹患においては、その事実の衝撃の大きさから、 "事実を伏せる" という一種の "ケア" がなされていたと言える。だが、現在では、 "インフォームド・コンセント " 医療の流れであろうか、 "癌告知" が一般化しつつある。
 考えてみれば、この変化は "小さな変化" と受けとめてはいけないのではなかろうか。それは、自分のような臆病者だけが気にすることではなく、 "生を受け、生き続けている者" すべてにとって "由々しき問題" 以外ではないからである。
 とすれば、 "癌告知" に欠かせないものは、不安のただ中で彷徨う患者に、 "死と背中合わせ" の疾病である "癌" と "果敢に闘い切る勇気" を、鼓舞して止まない "メンタルケア" ではないのか! と自然に思えるわけなのである。

 たまたま、10年以上も "癌闘病生活" を続けてこられた、とある知人と身近に接してきて痛感させられた。 "抗癌剤治療" に伴う数々の肉体的苦痛の手強さもひとつだ。 "脱毛" というようなことよりも、身体中の痛みと、過激な "うつ気分" に沈み込まされる精神的苦痛が無視できないようである。
 とともに、 "不安と恐怖" で "心が折れてしまう" 局面が、何度も何度も波のように襲い掛かって来る......、という残酷さ......。
 その方は、幸い気丈夫な男性であったために、周囲の者たちを狼狽させることはなかった。だが、その分、催眠剤が切れて白々とした朝を独り迎えた時、どんなにか切々たる思いに苛まれたものかと、今でも、自分には寂しい想像が絶えない。
 去年の晩秋に、肺炎を併発させてプツッと糸が切れるがごとくこの世を去られた。正月を迎えられずに逝ってしまったことがいかにも切なく思えたものであった。トニカクヨク、ガンバリトオシマシタ! と自分はご霊前で呟いていた......。

  "癌患者" にとって "メンタルケア" が必須な医療であろうことについては、<がん "代替療法" >(「どう向き合う? がん"代替療法"」(NHK / 追跡!A to Z / 2010.03.20 ))の問題と併せて、別の日に書くつもりでいる...... (2010.04.13)













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