"事業仕分け第2弾" が始まり、これこそ国民が民主党に託した本流の課題なのであろうが、民主党政権はというと "放置し続けた別の火種" でてんてこ舞い状態となってしまっている。
先ずは、迷走を続ける "普天間移設問題" があり、鳩山首相・小沢幹事長両氏にまつわる "政治とカネ問題" があり、打ち消しがたい "政府・与党の非一元性問題" がある。
"非一元性問題" では、 "仙谷大臣のダブル選発言" と小沢幹事長の過敏な反応、 "高速道路新料金体系見直し" という小沢幹事長発言と前原国交相による「二律背反」との小沢幹事長批判などなど、国民が新政権に託した期待とはかけ離れた次元の火種に根ざす問題が噴出。
が、最も表面化している難問は、 "普天間移設問題" であるに違いない。
今日、鳩山首相は<普天間問題に進退懸ける>と述べたという。
<鳩山由紀夫首相は23日午前の参院本会議で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に関し「首相としてすべての政策に職を賭す覚悟で臨んでいるのは当然のことで、その中には普天間移設先の問題も当然含まれている」と述べ、自身の掲げた5月末までの決着に進退を懸ける考えを表明した。
首相は21日の党首討論で「すべての政策実現のため職を賭して頑張る」と述べており、さらに踏み込んだ形だ。自ら退路を断ったことで、5月決着に失敗すれば進退問題に発展する可能性が強まってきた。......>(「首相、普天間問題に進退懸ける 5月末決着で」)
知られているように、この問題は政府検討の "鹿児島県・徳之島への移設案" も現地からのこぞっての猛反対によって暗礁に乗り上げ、あくまでも沖縄県外を志向する鳩山首相の思いとの間の溝は深いようだ。しかも、期限はあと一月余りとなっている。
こうなると、誰しもが想定するのは、このままでは "内閣継続不可能" という事態なのであろうか。
そこで、脳裏を過ぎったのは、あの "奇人" とも称された小泉元首相がしかけた "瀬戸際解散" 、つまり2005年8 月8日の衆議院解散(俗称:郵政解散)である。あれほどに、 "根拠" に乏しい解散はなかったと記憶するわけだが、そうであれば、仮に、 "普天間移設問題" に関する "国民投票" 的な意味合いに絡めて、選挙で国民に信を問う、という理屈は "まとも" にさえ見えてくる。米軍基地問題という国民的課題を、国政選挙の争点にすることは、この国の対米姿勢を再吟味する上でも悪くはなさそうではないか。
シニカルな言い方をすれば、国民にげたを預ける!(国民が総勢で判断することだ!)ということになるのかもしれないが、同時に、 "二階に上げて梯子を外す" 仕打ちをしたことになる前政権や、他党のこの問題へのスタンスを炙(あぶ)り出すことにもなり......。
ちなみに、この "瀬戸際解散"・"衆参同日選挙" をあながち "白昼夢" だとは見ない論調もありそうである。
<......このまま突き進めば、行き着く先は二つしかない。鳩山さんが辞めるか、あるいは衆議院の解散だ。
もし鳩山さんが辞める場合は当然、平野博文官房長官も共同責任を取って辞めなければならない。小沢一郎幹事長も辞めざるを得なくなる。
だが、小沢さんは多分辞めないだろう。いや、辞められない。政治資金規正法違反事件で起訴されるのが怖いからだ。
「政治とカネ」の問題をめぐり小沢さんは幹事長だから起訴されなかった。鳩山さんも総理大臣だから脱税に問われなかった。もし幹事長を辞めれば、小沢さんは起訴されることになるかもしれない。そう考えるからこそ辞めることができない。
となると、仙谷さんが言ったように衆参のダブル選挙になる可能性が出てくる。......>( 田原総一朗の政財界「ここだけの話」 仙谷VS小沢、そして鳩山首相の落ち着きの謎 )
同上筆者は、次のようにも述べている。
<鳩山さんがこの土壇場にきてもなお平然としていることが私には理解できない。普通の人ならノイローゼになってしまうところだ。でも鳩山さんはならない。何しろ「宇宙人」なのだから。>(同上)と。
もし "宇宙人" なのであれば、
<「沖縄にこれ以上、迷惑をかけたくない」と考えているのは国民の皆さんも同じ。今は徳之島の方々は大反対だ。しかし、私が誠意を持って説明すれば、きっと理解してくれるに違いない......。>(同上)
と信じ続けるだけではなく、あの "奇人" の為した判断をも視野の外には置いていないのかもしれない...... (2010.04.23)
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