政治家の顔に "表と裏" があることは、これまでにも度々暴露されてきた。もとより "政治屋さん" という生業(なりわい)はそれがすべてであり、その "タテマエとホンネ" との "早変り" をいかにそつ無くこなすかが腕の見せ所といった商売なのかもしれない。 "ホンネ" を覚(さと)られずに、 "フェイク(見せかけ、偽物)" でどう飾り立てるかで日夜奔走しておられるのであろう。
"政策" や "マニフェスト" にさえ "フェイク" が並べ立てられることに、人々は気づいているはずだ。そんな状況だから、人はふと "政治屋さん" の本質を忘れて、 "裏表の無い人柄" であったなら......という "無いもの期待(?)" なんぞをしてしまったりする。
そんなワケがない。 "裏表の無い人柄" 、それを "KY(空気が読めない)" だとして侮蔑するのが "政治屋さん" なのだから、先ずは "政治屋さん" = "表裏の使い分け達人"、"フェイクの使い手" と考えるのが相場のはずであろう。
しかし、時として「サルも木から落ちる」、「上手の手から水が漏れる」といった「ことわざ」どおりのことを仕出かしてしまうのもまた、 "政治屋さん" の行状のようである。そんな例をわれわれはしばしば見聞させられてきた。
それも、 "政治屋さん" は "窮地" に追い込まれたりすると、やはり "貧すれば鈍す" というエラー・メイキングのスパイラルにジワジワと入り込むのかもしれない。
次の報道は、そのすべてを雄弁に物語っていそうだ。
<英首相が侮辱発言 与党に痛手 4月29日 19時11分
イギリスで、一週間後に迫った総選挙を前に、ブラウン首相が、支持者の女性と会話をした直後に、この女性を侮蔑するような発言をしていたことが明らかになり、支持率が低迷する与党・労働党に新たな痛手となっています。
この発言は、ブラウン首相が、来月6日の総選挙を前に、選挙運動で地方を訪れた際、街頭で、支持者の女性から移民や年金の問題について質問を受けたあと、移動のために乗り込んだ車の中で「偏見に満ちた女性だった。誰が連れてきたのか」などと、側近に苦情を述べたものです。ブラウン首相が身に付けていたテレビ用の無線マイクを通して発言の内容が発覚し、ブラウン首相が直前に、にこやかな表情で女性に別れを告げる様子や、その後に行ったラジオの収録中に、みずからの発言を聞かされて頭を抱える様子とともに、テレビで放送されました。ブラウン首相は、その日のうちに女性の家を訪れて謝罪しましたが、表向きのにこやかな表情と裏での発言の落差は、支持者の信頼を裏切ったとも受け止められ、取り返しのつかない失態とみられています。今回の選挙戦では、中道左派の議会第3党の台頭で、2大政党から主要3党の争いへと変わるなか、与党・労働党の支持率が3位に落ち込んでいるだけに、ブラウン首相は、29日に予定されている3党の党首による最後のテレビ討論の政策論議で、どこまで失地を回復できるか問われることになります。>(英首相が侮辱発言 与党に痛手/NHKニュース/4月29日 19時11分)
これはまさに、現時点での日本の政治家、いや "政治屋さん" 各位の "他山の石" そのもののようである。また、庶民としてみれば、まるで近日公開映画の "予告編" でも見せてもらったような感触にさせられている...... (2010.02.30)
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