最悪の "危険水域" へと雪崩れ込んでいないといいのだが......。
日経平均株価も<連休明けの2日間で700円近く下げた>。1万円割れは、杞憂ではなくなったか? また、ニューヨーク・ダウは<一時、前日比998ドル50セント安となる9869ドル62 セントまで下落した。>
それぞれの、気になる速報情報は以下のとおりだ。
<東証終値、331円安 世界的株安の連鎖続く
7日の東京株式市場は、午後に入ってやや下げ幅を縮小したが、ギリシャの財政悪化問題に端を発した欧州金融不安は一掃できず、日経平均株価(225種)終値が前日比331円10銭安の1万0364円59銭と大幅続落した。3月上旬以来、2カ月ぶりの安値水準。連休明けの2日間で700円近く下げた。
韓国や中国の上海、香港、シンガポールなどアジアの主要な株式市場も下落しており、世界的な株安の連鎖は断ち切れず、投資家心理は冷え込むばかりだ。......>(東証終値、331円安 世界的株安の連鎖続く)
< NY株終値347ドル安 誤発注も?一時998ドル急落 2010/5/7 5:22
【ニューヨーク=財満大介】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は急落。一時、前日比998ドル50セント安となる9869ドル62 セントまで下落した。
ギリシャなど欧州諸国の信用不安を嫌気した投資家のリスク回避の動きが加速。米東部時間午後2時(日本時間7日午前3時)過ぎに外国為替市場でユーロが急落したのをきっかけに、株などリスク資産の売りが一気に広がった。その後、ダウ平均は急速に値を戻したが、前日比347ドル80セント安の1万0520ドル32セントで取引を終えた。
ダウ平均が取引時間中に1万ドルを割り込んだのは今年2月以来。一時998ドル安という下げ幅は過去最大。米メディアによると、ダウ平均の急落については証券会社による誤発注があったとの見方も出ている。
ユーロは対円で一時、1ユーロ=110円台半ばまで急落。対ドルでも1ユーロ=1.25ドル台前半まで下落した。円は対ドルでも買われ、一時87円台後半まで円高・ドル安が進んだ。
ダウ平均が終値で過去最大の下げ幅を記録したのは2008年9月29日の777ドル68セント安。>(NY株終値347ドル安 誤発注も?一時998ドル急落/nikkei.com/2010/5/7 5:22)
ところが、こうした事態への評価はまだ定まっていないようである。
<●恐怖に駆られた売り/キャピタル・フィナンシャル・アドバイザイリー・サービシズのキース・スプリンガー社長
買い注文がまったく見られないなかプログラム取引が作動した。機関投資家がダウ工業株30種の1万0500ドルで売りを設定していたかのようだった。
これはまさに恐怖に駆られた売りだ。この売りは、過剰に買われていた市場で(さらなる売りを誘発する)触媒のようなものとして始まった。この日の下落は愚かしく、かつ恐怖に基づいたものだ。市場参加者は、ギリシャ国民が緊縮財政措置に抵抗してれんがや火炎瓶を投げる姿に呼応している。
市場は得たいの知れない恐怖に反応する。現時点で、スペインとポルトガルがどうなるかはわからない。実際に両国が破たんしたとしたら、英国もその運命を免れない。
今はパニック的な売りに押されている。>(ダウ一時1万ドル割れ:識者はこうみる/ロイター/2010年 05月 7日 06:41 JST)
<●ギリシャ問題とプログラム取引で下げ加速/キャップロック・リスク・マネジメントのシニアアナリスト、クリス・ジャービス氏
ギリシャ(債務危機の)波及懸念とアルゴリズム取引が非常に短い時間に主要な株式市場の下落を加速させた。プログラム取引が(株価)下落を増幅しており、市場参加者はこれを買いの機会とみるだろう。>(同上)
わずか数分で600ドル下落したのは<「コンピューター暴走」>だと見なされたり、<......証券各社のコンピューターが損失回避の売り注文を自動的に出したことが原因とみられ、相場に振り回された市場参加者からは「機械の暴走だ」と悲鳴が上がった。......>(わずか数分で600ドル下落=「コンピューター暴走」-米株安/【ニューヨーク時事】/2010/05/07-09:20)と伝えられ、かなり "パニック" めいた空気に支配された気配が濃厚である。
もちろん、<「コンピューター暴走」>とはややお門違いであり、要するに "アルゴリズム取引" が粛々と展開されてしまったわけなのだろうが、加えて、かつて日本でも発生した "トレーダーによる誤発注" が、あったとかなかったとかという報道もある。
<NY株急落 ミリオンをビリオンとタイプミスが引き金? 2010.5.7 10:02
6日のニューヨーク株式市場での株価急落は、トレーダーによる誤発注が引き金を引いたのではないかとの見方が浮上、米証券取引委員会(SEC)などが調査に乗り出した。 米経済専門テレビ局CNBCは、米金融大手シティグループのトレーダーが、ダウ工業株30種平均の構成銘柄である家庭用品プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の株取引で「ミリオン」(100万)単位で注文を出すはずが、誤って「ビリオン」(10億)とタイプミスをした可能性があると報じた。P&Gは同日の取引で株価が急落し、相場全体の値下がりを主導した。
シティは「現時点ではミスを確認できていない。調査を継続する」としている。
ほかの米メディアは、何らかのシステム上の電子的なミスが発生した可能性を指摘している。(共同)>(NY株急落 ミリオンをビリオンとタイプミスが引き金?/(共同)/2010.5.7 10:02)
事態への客観的評価がまだ定まっていないのは事実だとして、危機的な市場動向が展開するその最中に、 "アルゴリズム取引" の問題が指摘されたり、さらに事もあろうに "トレーダーの誤発注?" というような問題までもが衆目を集めている点、それが "要注意" なのだと思えてならない。
どう見ても、市場関係者側の "パニクっている!" 様相が歴然としている。この辺が、今回の緊急事態の実相を雄弁に物語っていそうで、要注意、要警戒だと見ないわけに行かない...... (2010.05.08)
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