事業仕分け:宝くじ関連天下り法人/"庶民の夢"まで掠め取るのか/パンドラの箱 ......

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 非常識で理不尽な悪習であり続けた "天下り問題" こそは、 "庶民感覚" から徹底的にバッシングされて然るべきかと思われる。今、 "庶民感覚" は、グローバル化時代のひとつの特徴だとされる<平等・不平等をめぐる意識の鋭敏化>( 宇野重規著『<私>時代のデモクラシー』岩波新書 2010.4.20 )状況において、あたかも "地下マグマ" のように熱く蠢いているような気配である......。
 事業仕分け第2弾後半の作業では、<宝くじの売り上げから公益法人に流れる360億円超の使途をに焦点>(事業仕分け:無駄改善できるまで宝くじ「発売禁止を」 毎日新聞 2010年5月21日 23時52分)に、 "日本宝くじ協会"、"自治総合センター"、"全国市町村振興協会" などの公益法人が、庶民感覚という "まな板" の上に載せられて、わき上がるヤジと拍手で "歓迎(?)" されたようだ。

 傍聴席からは「ふざけるな!」とか、「ばかにするな」などのヤジが飛び交ったそうだが、常日頃 "誰からもクレームをつけられない" ような静かな "舞台裏/安全地帯/聖域" でのうのうとお暮らしの高級官僚の面々にとっては、久々に外の活気ある空気を吸うことになったのではなかろうか。
 こうした "庶民の鬱憤晴らし" とも見える光景に、中には首を傾げる人もいるやもしれない。しかし、それは時代環境に関する "認識不足" と言うものかもしれない。良い悪いという評価とは別に、もはや動かし難い事実として立ち現れているからだ。
 その "副作用" として "無縁社会" 的状況を産み落としているグローバリズムの潮流は、同時に、これまでとかく "蓋(ふた)" がなされて見えない状態に置かれて来た社会環境における "不平等" 現象を、 "可視化・見える化" (広い意味でのディスクロージャー)させてもいる。いやそればかりか、「それっておかしいんじゃないの?!」という庶民ならではの感覚をも惹起(じゃっき)させていそうである。これが、このグローバリズム時代が辿り着いている現実以外ではないのだと思われる。
 そうした感覚・感情の表面化はあなどり難い傾向だと言うべきかもしれない。 "嫉妬心" とも絡んでいる "不公平感" に染まった庶民の社会批判感覚は、従来からの "特権階層" にとってはかなり手強い "伏兵(ふくへい)" になってゆくものと見えるからだ。
  "特権視・聖域視" されてきたさまざまな立場やケースが、「それっておかしいんじゃないの?!」と反駁され始めるのもまたグローバリズム時代ならではの副産物なのであろう。(ちなみに、 "小沢幹事長政治資金問題" にしても、「それっておかしいんじゃないの?!」という庶民ならではの感覚をこそ相手とすべきなのであって、 "検察再不起訴" 云々レベルの捉え方をしていたのでは何の効き目もなさそうだ......)

<【事業仕分け】「宝くじ販売停止」興奮の会場、わき上がるヤジと拍手/産経ニュース/2010.5.21 21:46
 「天下りの高額報酬などの問題が解決するまでは、宝くじ販売を認めるべきではない」。21日の事業仕分けで出た"庶民生活直結"の判定。仕分け会場は、約200人の一般傍聴席からやじと拍手がわき起こる"興奮状態"の中で行われた。
 会場の空気が盛り上がりを見せたのは、宝くじの普及広報を行う財団法人自治総合センターが、首相官邸近くの超高級ビルに入居していることを仕分け人が指摘したときだった。
 「常勤15人で500坪近いオフィスを、年間1億8千万で借りている。なぜこの場所でなければならないのか。宝くじという『庶民の夢』が賃貸料に使われているのをどう感じるか」
 センター側が「たくさんの人が訪れるので...」と釈明すると、傍聴席から「ふざけるな!」。
 進行役が傍聴者に対して「お声を発したい気持ちがあるかもしれないが、ご協力を」となだめた。
 その後も、「宝くじで支出を受ける6法人の平均の役員給与額は1941万円」などの指摘が出るたびにどよめきが起こり、「ばかにするな」などのヤジが飛んだ。
 最後に、仕切り役の寺田学衆院議員(民主)が宝くじの「販売停止」を結論として述べると、大きな拍手がわいた。傍聴した東京都世田谷区の男性(55)は「宝くじで外れたお金がどう使われているか、関心があった。役員報酬が2千万円なんて常識外れだ」と怒りをあらわにした。
 寺田氏は終了後、販売停止について「あれより弱いものを出せば、傍聴者の反発は強かったろう」と述べる一方で、「会場の雰囲気で仕分けの結論を変えたことはみじんもない」と強調した。財団側からは「事業全体を理解していない」などの批判が聞かれた。
>(【事業仕分け】「宝くじ販売停止」興奮の会場、わき上がるヤジと拍手/産経ニュース/2010.5.21 21:46

 グローバリズムという時代的変化は、あたかも "パンドラの箱" 【 注.1 】が開けられてしまったかのようだと譬(たと)えられることがある。

【 注.1 】
ゼウスがパンドラに、あらゆる災いを封じ込めて人間界に持たせてよこした小箱または壷。これを開いたために不幸が飛び出したが、急いで蓋をしたため希望だけが残ったという。(広辞苑)

 これまで封じ込められていて目にし得なかったものが、見えるようになり、しかも<平等・不平等をめぐる意識の鋭敏化>傾向によって "激しい感情" が巻き起こされてしまう......。新聞の第一面、国際情勢や政治記事から、三面記事の犯罪記事に至るまで、仮にこの種の下敷きを敷いて見つめ直してみると、意外に分かり易くなったりはしないであろうか...... (2010.05.22)













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