このところアップルの "アイフォーン(iPhone)"、"アイパッド(iPad)" などをきっかけにして、スマートフォンや電子書籍対応の多機能端末をめぐる市場の、その熱い動向に関心を寄せてきた。IT界の行方がこの一角に掛かっていそうな気配を感じてのことであった。
こうした過程でふと気になったりするのは、あの "マイクロソフト" はこうした状況にどう絡んでいるのだろうか、という点である。そんな矢先、今日以下のような報道記事が目に付いた。
<マイクロソフト携帯、iPhoneに完敗 2カ月で撤退
【ニューヨーク=山川一基】米マイクロソフト(MS)は6月30日、5月初めに発売したばかりの若者向けスマートフォン(多機能携帯電話)「KIN(キン)」の販売を近く取りやめることを明らかにした。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」などに押され、販売が低迷していた模様だ。
朝日新聞の取材に対し、現在米国にあるKINの在庫は販売するが、秋に予定していた欧州販売は中止すると答えた。KINの開発部隊は、今後投入予定の携帯電話「ウィンドウズフォン」のチームに統合する。
KINはMSが初めて自社ブランドで発売した携帯電話で、日本のシャープが製造を担当。ネット接続機能を充実させて若者への売り込みを図ったが、2カ月足らずでの打ち切りとなった。>(マイクロソフト携帯、iPhoneに完敗 2カ月で撤退/asahi.com/2010年7月1日14時2分)
<マイクロソフト携帯>とは、いわゆる "ウィンドウズモバイル" と称されてきたジャンルのものだ。ちなみに次のような紹介が参考となる。
<スマートフォンの草分け的存在でありながら、最近存在感が薄いウィンドウズモバイル。iPhoneと比べると直感的な操作ができないのが弱点だったが、昨年リリースされたバージョン 6.5 で、ようやく指先で操作しやすく改良され、操作性の差は縮まってきた。アウトルックやオフィスなどビジネス向けソフトとの連携では強みがあり、仕事でスマートフォンを活用したい人にとっては、選択肢に入る。......
ウィンドウズモバイルは今年末に大きな転機を迎える。米国で次期バージョン「7」をリリースし、名称も「ウィンドウズフォン」に改めるのだ。ユーザーインターフェイスが一新され、動画や音楽配信、SNSなどが強化される予定だ。
ビジネス以外での用途が広がるという意味では期待できるが、不安な面もある。現行バージョンとの互換性がなく、これまでのアプリが使えないのだ。アプリをゼロから構築するため、十分なラインアップがそろうかは不明だ。......>(『日経トレンディ No.307 2010.6月号 スマートフォン&iPad』)
また、<スマートフォン(多機能携帯電話)「KIN(キン)」については、以下のように紹介されている。
<米国で5月発売のKINはSNS特化端末
マイクロソフトがシャープと共同開発し、欧米のキャリアを通じて発売する携帯端末KIN。ツイッターやフェイスブックなどSNSに特化し、若者をターゲットにした製品だ。Windows Phone の一つだが、アプリの追加はできず、既存のスマートフォンとは一線を画す。日本での販売は予定されていない。>(上記『日経トレンディ』)
ケータイ向け "プラットフォーム" における熾烈な "覇権戦争" の、その隠れた一面を垣間見る思いがしたものであった...... (2010.07.02)
コメントする